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初級講習用指導書(電気機器編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


(2)単相整流子電動機
 直流機のような整流子を有する回転子と、一般的には誘導電動機のような固定子とから構成された交流機で、単相電源を供給するものを単相整流子電動機という。
(a)単相反発整流子電動機(トムソン形)
図2.55 単相反発整流子電動機の結線図と特性
 
 図2.55に示すとおり、固定子に1個の巻線Fを設け、回転子の短絡ブラシの軸をF軸に対して、種々移動できるようにした方式である。
 ブラシの移動角度(θ)の位置によって図のようにトルクが変わるから速度を調整できる。また、θ角を−θ角にすれば逆転する。また、直巻特性をもっている。
(b)単相直巻整流子電動機
 構造、特性ともに直流機の直巻電動機と類似であって、小容量では4,000〜10,000回転毎分の高速に達する。
 図2.56において、Cは補償巻線で整流作用に悪ければ、これを設ける。この形は交直両用に使用できる。変圧器のタップを切換え、又直列に接続した抵抗器によって、速度調整をすることができる。
図2.56 単相直巻整流子電動機の結線図
 
(3)単相同期電動機
(a)電気時計用同期電動機
 普通用いられるものは自始動式の回転界磁形電動機である。回転子の回転速度は周波数に比例するから50〔Hz〕では毎分3,000回転、60〔Hz〕では3,600回転する。消費電力は2、4、6、12〔W〕の4種で力率は50〔%〕前後である。回転力は夫々400、800、2,400 4,800〔g−cm〕である。
(4)シンクロ電機
 シンクロ電機は単にシンクロ(Synchro)とも呼ばれ、また、俗称としてはセルシン(Selsyn;Self−Synchronizing motorの略、米国G.E.社の商品名)の名で古くから広く知られている。シンクロは同期的な動作や、同期位置に関連した電気信号を与える一種の交流精密回転機で、二次巻線(励磁巻線)と一次巻線(出力巻線)との角度位置によって、二次電圧の大きさが変化することを利用した回転=電気信号の変換器の一種とみなされる。その代表的なものの構造を図2.59に示す。
 JISC4906(シンクロ電機)では角度信号の伝達、指示などの目的に用いるシンクロ電機で、周波数50Hz及び60Hz共用、交流電圧250V以下の電路に使用されるものについて規定している。
 シンクロは通常ほぼ同じ構造の発信機と受信機とを組み合わせて使用するが、その使用目的によって機種、結線等が下記の如くそれぞれ異なっている。
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図2.57 シンクロ構造
 
(a)トルク用シンクロ
 回転角を伝達する際、受信機を駆動するエネルギーを発信機から供給するシンクロ電機をトルク用シンクロといい、発信機の軸を外力によって回転し、受信機の軸には回転しようとする負荷を接続して使用される。
 トルク用シンクロの巻線は通常回転子は単相に、固定子は三相に巻かれており、回転子の単相巻線が交流電源から励磁される。図2.58にトルク用シンクロ発信機と受信機が1対1の場合の結線例を示す。
図2.58 トルク用シンクロの結線
 
 図2.59は発信機と受信機との間の角度差と出力トルク、入力電流、入力電力の相対的関係を示し、角度差が90°の時トルクが最大になる特徴を示している。
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図2.59 トルク用シンクロの特性曲線
 
(b)制御用シンクロ
 制御用シンクロとは図2.60に示す如く受信機を接続した機械装置を制御する(例えば、サーボモータにより駆動する。)ために、発信機と受信機との回転角度差(角度変位)を電圧信号として取り出すのに使用されるシンクロ電機をいい、その電気的な構造は、トルク用シンクロと同様である。制御用シンクロの受信機は角度変位を電圧信号に変換する役割をするので、シンクロ制御変圧機と称する。
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図2.60 制御用シンクロ
 
 シンクロ制御変圧器の出力電圧の零点位置は発信機の回転子の相対位置により電気的に90°ずれたところにあり、この点を基準にして、通常、発信機回転子と制御変圧器出力軸の回転角差を出力電圧として検出する。出力電圧E0は図2.61に示すように、回転角度差θの正弦(sinθ)に比例して変化するが、角度差の小さな範囲ではほとんと直線的に変化する。また、出力電圧の位相は回転角差θが正の値か、又は負の値かによって(例えば、遅れ角か、進み角かによって。)180°反転する。
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図2.61 シンクロ制御変圧器の出力電圧
 
(c)差動シンクロ
 差動シンクロとは二つの回転角の和又は差に対応する機械的出力あるいは電気信号を送出するシンクロ電機で、2個のトルク(又は制御)シンクロ電機の中間に固定子、回転子共三相巻線を有する差動発信機又は差動受信機を接続して用いられる。差動シンクロ使用例を次に示す。
(i)トルク用差動シンクロ
 二つの回転角入力に対し、その和又は差の回転角を伝送するのに次の二方式がある。
(イ)差動発信機を用いる方式
 結線は図2.62に示す通りで、その機械的出力はシンクロトルク受信機の回転軸より得られる。
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図2.62 差動発信機を用いるトルク用差動シンクロの結線
 
(ロ)差動受信機を用いる方式
 結線は図2.63に示す通りで、入力は2箇のシンクロトルク発信機により、その機械的出力はシンクロトルク差動受信機の回転軸より得られる。
(拡大画面:21KB)
図2.63 差動受信機を用いるトルク用差動シンクロの結線
 
(ii)制御用差動シンクロ
 図2.64に示すように、二つの回転角入力に対し、その和又は差に対応する電圧信号を送出する。
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図2.64 制御用差動シンクロの結線







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