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初級講習用指導書(電気機器編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2. 電気機器
 船舶には次に示す装置に従って種々の電気機器が装備される。
(1)電源装置
(2)配電装置
(3)動力装置
(4)航海灯、信号灯
(5)照明電灯装置
(6)電熱装置
(7)船内通信、航海計測装置
(8)無線装置
 その他漁船では冷凍装置、漁かく物加工装置等が必要である。この章において、これらの総てを記述することは困難なので電気として主体となる機器について記述することとする。
 
 船舶の電源は昭和30年頃までは、特殊船を除いては直流であった。このことは、電化の程度が今日程ではなく、また、直流発電機の特性上、交流発電機に比べ、自動電圧調整器が無くとも、電圧変動が少なく、さらに、並行運転も容易に、手動でできたためであった。
 しかし、その後、電源の容量も次第に増加し、しかも、経済性の追及も厳しくなってきた。たまたま、我が国では昭和33年以降自励交流発電機が実用化され、さらには、ブラシレス交流発電機も開発された。これらは、直流回転励磁機付き交流発電機に比べ、電圧変動に対する電圧回復の即応性が、良好になったため、貨物船におけるポールチェンジ電動ウインチ群の採用も可能になった。また、電圧調整、並行運転、負荷分担等も自動化されて、取扱いが改善されたため、電源の交流化が大いに促進され、今日に至っている。
 船用交流発電機の駆動には、通常、専用の発電機を使用するが、最近は、省エネルギーの見地から、主軸駆動のものが出現してきた。
 以下、これらについて述べる。
 
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図2.1 フレミング右手の法則
 
 いま図2.1において、磁石を固定し導体を上又は下に動かすとフレミングの右手の法則により導体及び電線に電流が流れる。これは導体が磁力線を切るからである。また、導体を固定し磁石を上又は下に動かしても同様である。これが発電機の原理である。即ち電機子か界磁極かいずれか一方を回転させればよいので、回転電機子形発電機(図2.2参照)及び回転界磁形発電機(図2.3参照)に分類され、主に後者が用いられる。
図2.2 回転電機子形
 
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図2.3 回転界磁形
 
 船用交流発電機はおもに同期発電機(以下発電機という)が用いられる。同期発電機には次の関係がある。周波数f、回転速度n(min−1)、極数Pとする。
 f=pn/120〔Hz〕周波数fと回転数nとは常に同期であることからこのような発電機のことをいう。これに対して、非同期のものは例えば誘導発電機等がある。
(1)用途による分類
(a)給電目的による分類
(i)主発電機
(ii)非常発電機
(iii)補助発電機(イ)停泊用発電機(ロ)集魚灯用発電機等
 (i)、(ii)、(iii−イ)は主として三相三線式、(iii−ロ)は主として三相四線式(電気装備概論編5−1−2参照)が用いられる。(i)は常用電源、(ii)及び(iii)は臨時電源として用いられる。
(b)据付け方法による分類
 陸上では立形と横形があるが船舶では横形が多く用いられる。また、自励式発電機(後記)では励磁装置が付属されるが、これの据付方法には(i)発電・機搭載形〔発電機のフレーム上に乗せたもの〕(ii)別置き形、(iii)配電盤内蔵形があるがおもに(i)が用いられる。
(2)機械的機構による分類
(a)原動力適用による分類
(i)発電機専用の原動機を設けるもの。
(ii)主機を原動力とするもの。
(3)発電機専用の原動機による分類
 蒸気によるものにタービンがあり内燃機関によるものにはガソリン機関、火花点火機関、ディーゼル機関等があるが一般にはディーゼル機関又はタービンが用いられる。
(4)原動機との連結方法による分類
(a)ベルト駆動方式
(b)電磁すべり連結方式
 電磁すべり連結方式は交流発電機を主機により駆動し、しかも主機の回転速度変動に関りなく周波数を一定に保つ場合に使用される(2.1.6 主軸駆動発電装置(3)(a)渦電流接手方式参照)。
(c)直結駆動方式
(i)フレキシブル直結
(ii)リジット直結
 ベルト駆動は次のようなときに用いられる。
(イ)小形船などで主機と充電発電機をベルト連結し蓄電池を浮動充電して用いる場合
(ロ)小形漁船では主発電機及び集魚灯用発電機を主機駆動する場合
〔備考〕ディーゼル機関のような内燃機関と発電機などの回転機とを直結して運転する場合には、これらのエンジンは各気筒の周期的な爆発力によって運転するため軸にねじり振動の起振トルクが加わり一回転中に角速度が速いところと遅いところが生じて一様でないので角速度変化があまり大きくならないように、はずみ車を設ける必要がある。また、ねじり振動の起振周波数が発電機軸系の構造によって決る軸系自体の自然振動周波数(自然振動の周期に一致した回転速度を危険速度という。)と共振を起すと軸系を破損させる恐れがあるので、これを避けるため内燃機関製造者と発電機軸系の構造及びはずみ車効果について協議する必要がある。さらに交流発電機は電磁気的及び機械的諸定数によって決る固有振動数をもっており、これが機関の起振周波数と共振すると電気的、また、機械的に好ましくない影響を与えるので、これを避けるため、はずみ車の効果を適当に選定する等の方法をとる。
(5)軸受の設定位置による分類
(a)両持軸受
(b)片持軸受
 発電機の両側に軸受を設けるものを両持軸受、発電機の片側(原動機と直結側)に軸受がなくて原動機の軸受に依存するものを片持軸受という。
片持軸受の特徴は、
(i)軸方向の寸法が短かくなる。
(ii)エンジンと発電機を直結したとき発生するねじり振動を安全値以内とするため発電機の軸を太く短かくするときによい。
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図2.4 軸受設定位置による分類
 
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図2.5 軸受支持構造による分類
(6)軸受支持構造による分類
(a)エンドブラケット形
(b)ペデスタル形
 発電機の両端カバーに軸受を設けたものをエンドブラケット形といい、発電機本体と別個に軸受を設けたものをペデスタル形という。
 エンドブラケット形はペデスタル形に比し次の長所がある。
(i)軸方向の長さが短い
(ii)価格が安い
(iii)運搬、据付が容易である。







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