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9. 防鼠(そ)工事
 
9.1 防鼠工事の目的
 船内で鼠(ねずみ)が生息し繁殖することは、衛生上からもまた電気機器やケーブルの保安上からも好ましいものではない。万一、鼠が船内に入り込んだ場合でも、その生息する場所をなくしておけば、鼠の繁殖は妨げられ、船内での被害やペストなどの伝染病の拡大を最小限に押えることができる。
 防鼠対策としては、鼠の隠れ家となる隠蔽された場所を無くすことが重要である。また、隠蔽された構造物であっても、できるだけ空間を取り、鼠の生息を困難にするとともに、鼠の巣の点検検査が容易に行えるよう開放された構造にしておく必要がある。
 
9.2 施工要領
 
9.2.1 仕切壁の取付け
 ケーブルの貫通部などで、13mm以上の隙間を生じた場合は、シートメタルなど適当な材料で鼠の通行ができないようにふさぐ。
 
図9.1 単一ケーブル貫通の場合
 
図9.2 複数ケーブル貫通の場合
 
9.2.2 ケーブルの布設
(1)多数のケーブルを布設する場合は、平面幅約200mmの群に分け、かつ、各群の隙間を50mm以上とする。
 また、鼠が巣を作らないようケーブル群と平行する構造物や配管類との隙間を十分に取ること。
 
図9.3 多数のケーブルを布設する場合の施工例
 
(2)多数のケーブルをフラットバーなどで囲う場合、フラットバーの隙間は底面で50mm〜100mm、側面では38mm以上とする。各ケーブル群間の隙間は50mmとし、その真下にはフラットバーを置いてはならない。
 フラットバーの幅は50mm以下とする。
 
図9.4 電路をフラットバーで囲った例
 
(3)パイプ類やケーブルなどが集合して布設されるために隠蔽部ができたり、あるいは点検が困難になる場合には、鋼板で覆、仕切壁を取付ける。
 
図9.5 鋼板覆取付要領例







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