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5. 淀川の水環境(みずかんきょう)
 きれいな水に恵まれていた淀川は、人口がふえ、産業が発達し、たくさんの工場ができるにつれて、だんだんよごれてきました。
 近年になって下水道施設(げすいどうしせつ)がつくられ、ずいぶん水がきれいになりましたが、合成洗剤(ごうせいせんざい)などが混じって(まじって)いると、100%きれいにすることができません。また、下水道施設(げすいどうしせつ)ができていない地域がまだまだあって、そこでは、よごれた水がそのまま流されています。
 いま、川をよごすもっとも大きな原因は、私たちの家庭の台所、おふろ、トイレなどから出る排水です。私たちが生きていくために必要な水をよごさないように、もっと大切にしなければなりません。川にゴミを捨て(すて)たり、川をよごすようなものをたくさん流したりしないよう、きれいな川を守るみんなの努力が必要です。
淀川の水質(すいしつ)の変化
 下の表は、川の中にすむ生きものを調べて、水質の移り変わりを調べたものです。
 平成7年(1995年)の図を見ると、『大変きたない水』の場所がなくなり、『きたない水』の場所も減り、全体として淀川の水質が昭和40年(1965年)に比べてよくなってきていることがわかります。
 また、川の上流の水の方が、下流に比べてきれいなことが分かります。
 
水生生物調査(すいせいせいぶつちょうさ)による水質の変化
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 わたくしたちの住むまちの川の水はどうでしょう。
 淀川の水が、どれくらいきれいか調べてみましょう。
〔川の水を調べる方法〕
(1)川の水や川の周辺を観察します。
・川のにおい、色、にごりを見てみよう。
・川の水の量や流れの速さはどうだろう。
・水温をはかってみよう。
・川や岸辺にゴミはおちてないかな。
(2)水温をはかる。
 温度計を水中に入れたまま、直角に目盛り(めもり)をよみます。
(3)川の水をとります。
 
◆川の水のにごりをしらべてみよう
透視度(とうしど)をチェックしよう
 川や湖からくんだ水のにごりを調べ、数字に表します。
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*採った(とった)水は、その場で、すぐはかる方が正しくはかれます。直射日光(ちょくしゃにっこう)をさけて日かげではかります。
透明度(とうめいど)をチェックしよう
 深い川や湖に白い円ばん状のものをしずめ、見えなくなる深さをはかり、水の透明度を数字に表します。
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◆パックテストで調べてみよう
(拡大画面:35KB)
〔pH(ぺーハー)をはかる〕
 pHは、水の酸性・中性・アルカリ性を示す数値(すうち)です。pH7が中性(ちゅうせい)で、それより大きい数がアルカリ性、小さい数が酸性(さんせい)です。
 川や湖の水が酸性(さんせい)だと、その水はきれいだと言えますが、極端(きょくたん)に酸性(さんせい)になると、川の生きものは、みんな死んでしまいます。
 
〔COD(化学的酸素要求量(かがくてきさんそようきゅうりょう))をはかる〕
 水がどれくらいよごれているか調べるのに、水中の有機物(ゆうきぶつ)の量を見ます。
 その有機物の量を表す数値がCODです。CODの値が高いほどよごれていることになります。
 
〜CODの値による汚れのめやす〜
0ppm よごれていないきれいな水
1ppm以下 きれいな渓流(けいりゅう)。ヤマメ、イワナなどの魚がすむ。
1〜2ppm 雨水
2〜5ppm 少し汚れた水。ただし、落ち葉や水草のせいで1〜5ppmになることもある。
2〜10ppm 川の下流の水
3ppm以下 サケ、アユがすめる。
5ppm以下 少し川がよごれていても平気なコイ、フナがすめる。
10ppm以上 下水(げすい)、汚水(おすい)
 
 パックテストでは、この他に、水中のチッ素やリンの量も調べることができます。
 チッ素やリンは、植物にとって大切な栄養素(えいようそ)ですが、ふえすぎると、水がよごれてしまいます。また、チッ素の変化(へんか)したものは、魚にとって毒性(どくせい)があるものもあります。







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