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淀川の大きさ
 淀川は、流域面積が、近畿2府4県(京都府・大阪府・滋賀県・三重県・奈良県・兵庫県)にまたがる8,240km2に及ぶ近畿地方最大の川です。琵琶湖(びわこ)から瀬田川(せたがわ)・宇治川(うじがわ)へと流れ、京都の大山崎(おおやまざき)あたりで桂川(かつらがわ)と木津川(きづがわ)に合流し、毛馬で「新淀川」と「旧淀川(大川)」に分かれて、大阪湾にそそいでいます。淀川の長さは、琵琶湖の流出口(りゅうしゅつぐち)から大阪湾までで約73km、瀬田川と宇治川と木津川が合流する地点から大阪湾までが約36kmあります。
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水系(すいけい)と流域(りゅういき)
 河川には、本川と支川があります。
 もっとも大きく重要な川を「本川(ほんせん)」、本川に合流する川を「支川(しせん)」といいます。
 本川と支川を全部まとめて、「水系(すいけい」といいます。
 本川と支川の流れている地域全体を、「流域(りゅういき)」といいます。
 
さまざまな名前でよばれた淀川
 淀川は、昔は、決まったよび名がなく、その土地によってさまざまな名前でよばれていました。
 「淀川」という名前になったのは、江戸時代の17世紀の終わりごろといわれています。
 また、川の流れがゆるやかで澱んで(よどんで)いたことから「澱河(よどがわ)」とよばれ、それが「淀川」になったともいわれています。
 
◆淀川の地区ごとの特長を観察し、ちがいを調べてみましょう。
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(1)汽水域(きすいいき)
 淀川大堰から下流へ10kmほどの間は、海の水と川の水が混ざり(まざり)合っています。このような場所を汽水域(きすいいき)といいます。汽水域(きすいいき)には、特有(とくゆう)の生きものがいます。
 ヤマトシジミなどの貝やクロベンケイガニやアシハラガニなどのカニの群れ、海と汽水域を行き来するボラ、ハゼなどの淡水魚や、スズキなどの海の魚、ウナギやアユなどのように海から川へさかのぼる魚もみられます。シオクグやウラギクなどの塩水に強い植物もしげっています。
 この地域では、干潟(ひがた)やヨシ原や淀川大堰(よどがわおおぜき)あたりで、シギやチドリ、サギ、カモなど、いろいろな種類の野鳥が観察できます。
 
(2)ワンド
 ワンドは、淀川の河川敷(かせんじき)にできた小さな入り江のことです。
 周辺にはヨシ原が広がっています。ワンドは、それぞれが大きさや環境(かんきょう)がちがっていて、それぞれの環境に合ったさまざまな生きものがすんでいます。
 また、ワンド内やヨシ原では、たくさんの野鳥も見られます。
 
(3)野草(やそう)地区
 この地域は、川幅(かわはば)が広く流れもゆるやかで、淀川の中で最も野草がたくさんしげり、いろいろな鳥や小動物たちを見ることができます。
 
(4)鵜殿(うどの)のヨシ原
 淀川には、大小いくつかのヨシ原がありますが、その中でもっとも大きいのが鵜殿(うどの)のヨシ原です。面積は、75ヘクタールで、甲子園球場の18倍です。
 ここでも、さまざまな野鳥が見られます。特に、春から夏には、オオヨシキリが大繁殖(だいはんしょく)します。
 また、ヨシ原は、アカネズミ、イタチ、タヌキなどの小動物のかくれ家になっています。
 毎年2月には、「ヨシ原焼き」が行われます。これは、ヨシを守るために他の植物を焼き払うものです。こうして春になると、また、ヨシの新しい芽が出てくるのです。
ヨシ原
 
ヨシ原焼き
 
(5)三川合流(さんせんごうりゅう)付近
 この地域は、桂川(かつらがわ)と宇治川(うじがわ)と木津川(きづがわ)の3つの川が合流するエリアです。
 ここには、ヤナギやエノキ、クワなどの木々が生え、たくさんの種類の野草がしげり、多くの種類の昆虫がすんでいます。チョウチョウやテントウムシ、秋にはスズムシ、マツムシ、キリギリスなどが見られます。
 宇治川(うじがわ)と木津川(きづがわ)の間には、背割堤(せわりてい)という堤防(ていぼう)があります。この堤防の上には、750本のソメイヨシノの桜並木があり、桜の名所として有名です。木津川の河川敷(かせんじき)には、広いヨシ原があり、たくさんのカワウのねぐらになっています。また、オオヨシキリやサギの美しいすがたも見ることができます。
背割堤と桜並木







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