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祝辞
ザオ・バイゲ IPPF地域財務担当
 現在、IPPFは非常に財政的に厳しい時期を迎え、財政的な困難に見舞われている。一九九五年一億ドルあった予算が、二〇〇三年四千三百万ドルヘと減少した。
 現在、人口問題やリプロダクティブヘルスに関するニーズを満たし、将来の禍根をなくすためには避妊具、性行為感染症、中絶に対する対応が早急に必要である。ドナー国はUNFPAなどにも拠出しているが、国会議員として人口・開発分野の財政的状況を理解して、資金提供等の対策をとってほしい。資金的な裏づけができることで、性行為感染症、HIVの蔓延、安全でない中絶(unsafe abortion)の状況を改善することができる。IPPFとしても「コスト対効果」を高める努力を行ない、また無償で協力してくれるボランティアを活用している。
 現在IPPFは資源(金)の制約に伴い、活動の優先順位の見直しを行なっている。これによって資源の最適化を図り、さらにIPPFがもつ長所を十分に生かして、もっと目に付く形で活動していきたい。
 先ごろ東アジアでリプロダクティブ・ヘルスの会議を開催しその席で、妊産婦死亡なども取り上げられた。
 またこの席をお借りして、IPPFに対しHIV/AIDS信託基金拠出を行ってくださった日本国政府にお礼を申し上げたい。今後もこの重要な活動資金を継続して下さるよう要請したい。またIPPF活動を支援してくださっている財団法人アジア人口・開発協会(APDA)とAFPPD事務局の活動に感謝申し上げたい。
 
祝辞
人口と開発に関するヨーロッパ地域フォーラム(IEPFPD)代表
ソニア・フェルチンホス議員(ポルトガル)
 IEPFPDを代表して二十周年をお祝いする。ヨーロッパは人口と開発に関わる議員活動としては最も新しい地域フォーラムである。現在ICPD行動計画の実施を目指し活動している。人口問題がないかと思われるヨーロッパでも人口に関連する問題のなかには未だに深刻な問題がある。例えば、ベルギー、オランダ、ロシア、東欧等では十代の中絶が急増している。また、HIV/AIDSの感染率も東欧で高い上昇率となっている。
 これまでIEPFPDはAFPPDと協力して活動してきた。特に、東ヨーロツパ地域では谷津AFPPD議長が東欧で開かれたいくつかの会議で基調講演や挨拶を行ったことに見られるように、AFPPDの支援を受け拡大してきた。今後も、IEPFPD活動の拡大を通してAFPPDと連携していきたい。
 IEPFPDの成果としては、ヨーロッパからの拠出が増えたことが挙げられる。今後、人口問題で指導的な役割を果たしていきたい。
 持続可能な社会を実現するためには、多くのステップを経ていかなければならない。政策を構築、均衡のある社会を実現していく必要がある。またいかなる暴力、テロ、武力攻撃に対しても反対していく必要がある。今後も平和な未来を構築するという目標の達成に向けての努力を続けていきたい。
 
挨拶
人口と開発に関するアフリカ・アラブ議員フォーラム(FAAPPD)代表
イブラヒム・サロジェ議員(南アフリカ)
 FAPPDは一九九七年ケープタウンで設立された、アフリカ・中東地域の人口と開発に関する地域議員フォーラムである。設立以来かなりがんばって成果をあげてきた。
 人口問題への対策、家族計画は植民地時代に宗主国による人口抑制の手段と見られてきた。そのため、独立後も人口問題への取り組みは容易に進まなかった。開発がないがしろにされてきた。開発もアフリカの人々が生活改善を果たすためのものではなく統治する側が利益をうるために行うものと考えられてきた。
 しかし、近年人口と開発問題の重要性についての理解が進んできた。リプロダクティブ・ヘルスに対する対策や人口問題に対する対策は持続可能な将来を作るために重要であることが理解押された。リプロダクティブヘルス関連法をギニアが最初に成立させ、チャドが続き、現在ベニンなどが準備している。
 アフリカの人口、リプロダクティブヘルス関連の重要な問題としては、エイズの問題がある。世界のHIV/AIDS感染者の二/三がサハラ以南のアフリカにいる。
 現在各国で国会議員、厚生省、がHIV/AIDSと戦っている。ウガンダでも努力を続けており、感染者、その家族を支援する様々なプログラムを実施され、大きな成果をあげている。
 九月に南アフリカ共和国ヨハネスブルグで開催された持続可能な開発のための世界サミット(WSSD)では開発と環境について様々な議論がなされた。
 FAAPPDが設立されてからFAAPPD加盟国の議員や政府はコミュニティのニーズにこたえるために努力してきた。しかし、もっと努力しなければならない。アフリカ地域ではHIV/AIDSの蔓延が深刻な問題となっており、同時に各地で発生した紛争の結果として難民問題が深刻になっている。経済・社会開発の根底は貧困撲滅にあると思う。
 FAAPPDの第二回総会はヨルダンで開催されたが、その席でFAAPPDの活動の基礎として貧困撲滅が据えらた。またWSSDでも討議されたように、アフリカ地域では環境劣化が脅威となっており、サハラ以南ではその影響が目に見えるほどにまでなってきた。
 FAAPPDはAFPPDにたいしその物心両面での支援に感謝している。昨年十一月にアフリカ−アジア議員会議を共同開催したように、パートナーシップは拡大しており、今後とも密接な関係を保っていきたいと念願している。
 
挨拶
世界銀行議員ネットワーク
ジーン・クリストファー・バス ヨーロッパ担当副総裁
 世界の人口の半分以上を含むアジアの会議に参加できて光栄である。人間開発と世界銀行のかかわりは大きなものがある。九〇年にインフラ整備のための貸し出しが二一%を占めていたが、現在では五%に減っている一方、社会分野への融資が九〇年の五%から現在では二五%へと拡大し、世界銀行の融資も明らかに人間資源開発を重視するようになってきている。
 途上国において、外部からの資金はHIV/AIDS対策に貢献し、開発に大きな影響を与える。これまで十七億ドルの資金をこの分野に提供してきた。その意味で、世界銀行は、保健プログラムヘの最大の資金源となっている。また十三億ドルを人口や保健分野に融資し、各国政府やUNプログラムの推進の原動力となってきた。
 二〇〇五年までに初等教育における男女差をなくすために十三億ドルを支出する予定で、女性の識字率の改善を中心とした新しいプログラムを促進していく。
 国会議員は国民の代表であり、これらのプログラムの達成においてカギとなる存在である。世界銀行はそのプログラムを実施する際に、市民社会との対話を重視してきた。NGOの参加も七〇%増えている。これは人口、保健、持続可能開発、HIV/AIDSなどの分野における情報が一般の人々に普及してきていることを意味している。
 今後もグッドガバナンスのために皆様の協力を求めていきたい。また国会議員の間に世界規模のネットワークを作り、世界銀行プログラムのイニシアティブを取っていきたい。
 この世界銀行国会議員ネットワークの会議はインドのデリーで開催され、途上国の議員を中心に五十名の国会議員が参加する。今回はAFPPD第七回大会に招待いただき感謝。二〇〇三年の三月に国会議員会議の招待状を総裁からご送付申し上げたいと思う。
 
 その後、彭珮云(ペン・ペイユン)全人代常任委員会副議長により、公式に開会宣言がアナウンスされ開会された。







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