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1.2 現地調査
 本事業を実施するにあたり、事務局及び(株)日立プラント建設ソフトの担当者による参加会員(16社・17事業所)の現地訪問調査を行い、各社の廃棄物排出・処理状況(品目、排出量、処理方法、自治体の対応等)について現状把握に努めた(様式は添付資料の通り)。
 なお、個別企業の詳細については公開することを避け、概要を取りまとめたのが次頁の報告書である。
 同調査のスケジュールは次の通り。
9月18日 長崎造船(株)
9月19日 浅川造船(株)
9月20日 四国ドック(株)
9月26日 (株)中村造船鉄工所、西武造船(株)
9月27日 尾道造船(株)、向島ドック(株)
10月2日 神戸船渠工業(株)金川造船(株)
10月3日 (株)神田造船所(川尻工場、若葉工場)
10月3日 内海造船(株)瀬戸田工場
10月4日 (株)三和ドック
10月10日 北日本造船(株)
10月11日 東北ドック鉄工(株)
11月19日 (株)花崎造船所、墨田川造船(株)
 調査結果概要としては次の通り。
・建造分野の方がスクラップ、梱包用木材等、リサイクル可能な品目が多い。ただし、梱包材自体はかなりの分量となり、対策が必要である。
・修繕分野では廃材のリサイクルは難しい。搬入資材は大型のものが少ないため、梱包材の比率は低くなる。
・全体として資源品となるものの比率が83%を超えている。これは算出方法として鋼材スクラップ等を含むトン数比率を採用したためである。
・大型の構造物を取り扱うことから、他産業に比べ廃棄物も嵩が張るものが多く、容積による比率は算出が困難であった。
・可燃物は全体として2割程度を占めるが、その殆どが自社内焼却とされており、焼却を継続する場合は、平成14年12月から強化されるダイオキシン排出規制に適正に対応する必要がある。
・不燃物は全体として4割以上を占め、その殆どが外部委託とされていた。
・油脂類は全体として1/3を占めるが、処理費用が高額となっている。
・修繕分野では、本船から排出される廃棄物が大きな問題となっており、顧客との相互協調による対応が不可欠である。
・個々の処理品目については、所在する自治体の対応に若干の差異があり、これに伴い処理費用も大きく異なる場合がある。
 
環境保全活動推進部会調査活動報告書
1. 調査目的
 中小型造船会社における廃棄物の適正処理、減量化等の対策推進の基本データとして、現状の廃棄物発生及び処理状況の調査を実施。
 又、2002年12月1日より既存焼却施設がダイオキシン排出規制の対象となる為、場内焼却設備を保有している会社については現状及び今後の方向性についても調査実施。
2. 調査期間・・・2002年9月18日〜11月19日
3. 調査事業所数・・・16社(17事業所)
4. 調査方法・・・各社訪問による、視聴調査
5. 調査結果纏め
1)廃棄物発生量(処分方法別)
分類 区分・廃棄物種別 発生量
(t/月)
全体割合
(%)
分類割合
(%)
事業所平均
(t/月)
人員平均
(kg/月)
対象事業所 不明回答
処分廃棄物 自社焼却 木・紙・生ゴミ・繊維のみの場合 17.6 0.20 1.16 4.4 26.0 4  
廃プラ・ゴム類等を含む場合 259.4 2.89 17.15 28.8 63.0 9 1
自社焼却計 277.0 3.08 18.32 23.1 60.0 12 1
外部委託可燃物 可燃物混合 15.8 0.18 1.04 5.3 46.0 3  
その他 2.4 0.03 0.16 0.8 8.0 3  
外部委託可燃物計 18.2 0.20 1.20 3.6 32.0 5  
外部委託不燃物
(自社埋立含)
金属くず 45.4 0.51 3.00 7.6 13.0 6  
廃ロープ 3.9 0.04 0.26 1.0 5.0 4  
ゴム類 6.4 0.07 0.42 2.1 12.0 3  
鉱さい 446.6 4.97 29.53 44.7 120.0 10 1
焼却灰 32.2 0.36 2.13 4.0 8.0 8  
貝殻 11.0 0.12 0.73 2.8 9.0 4 1
缶類 10.7 0.12 0.71 3.6 14.0 3 3
土砂・がれき 9.7 0.11 0.64 3.2 8.0 3  
不燃物混合 71.7 0.80 4.74 9.0 25.0 8  
その他 5.6 0.06 0.37 1.1 3.0 5 1
外部委託不燃物計 643.2 7.16 42.53 37.8 126.0 17 6
可燃物・不燃物混合 51.3 0.57 3.39 8.6 64.0 6  
汚泥類・スラッジ 17.4 0.19 1.15 5.8 9.0 3  
油脂類 廃油水(ビルジ) 434.0 4.83 28.70 33.4 127.0 13 3
廃油 56.6 0.63 3.74 14.2 34.0 4  
廃塗料 11.3 0.13 0.75 1.4 6.0 8 1
その他 3.3 0.04 0.22 1.1 3.0 3  
油脂類計 505.2 5.62 33.41 31.6 111.0 16 4
処分廃棄物計
1,512.3 16.83 100.00 89.0 297.0 16 11
資源品 新鋼破材 3,790.2 42.18 50.71 1,263.4 2,839.0 3  
鉄類 2,808.8 31.26 37.58 216.1 933.0 13 2
アルミ 5.3 0.06 0.07 1.1 7.0 5  
亜鉛 786.3 8.75 10.52 157.3 506.0 5 1
紙・ダンボール類 15.5 0.17 0.21 3.9 7.0 4  
その他 67.9 0.76 0.91 22.6 49.0 3 2
資源品計 7,474.0 83.17 100.00 533.9 1,941.0 14 5
合計 8,986.3 100.00   528.6 1,762.0 16 16
*3事業所以上の発生回答のあった品目を表示。それ以外はその他で表示。
*不明回答は対象事業所(発生総量・事業所平均・人員平均)には含まず。
 
[全体]
 
[処分廃棄物]
 
2)廃棄物処理外部委託単価
No. 分類・廃棄物種別 回答会社数 処理委託単価
単位 最低単価 最高単価 全国平均 地区別平均
九州・四国地区 中国地区 関西地区 関東地区 東北地区
1 可燃物 木くず 3 円/m3 6,500 15,000 9,900 - - - 11,600 -
混合可燃物 3 円/m3 5,500 8,000 6,792 - - 7,438 - -
2 不燃物 金属くず 6 円/t 3,000 45,000 17,283 - 6,350 24,000 - -
廃ロープ 4 円/m3 3,500 8,200 5,850 - 5,067 - - -
ゴム類 3 円/m3 6,000 12,000 8,067 - 6,100 - - -
鉱さい 9 円/t 5,000 45,000 17,013 - 6,404 31,250 - 20,250
焼却灰 5 円/t 7,500 23,000 12,100 - 8,833 - - 17,000
貝殻
5 円/t 5,780 41,000 19,916 - 14,540 - - -
混合不燃物 2 円/m3 3,000 5,800 4,400 - - - - -
3 可燃・不燃物混合廃棄物 8 円/m3 5,700 12,000 10,150 8,667 9,500 - 8,100 -
4 汚泥 3 円/t 9,000 38,500 21,667 - 23,750 - - -
5 スラッジ 3 円/t 19,200 35,000 27,033 - 27,033 - - -
6 油脂類 廃油水(ビルジ) 14 円/l 3 111 23 - 15 14 28 15
廃油 4 円/l 3 27 10 - 15 - - -
廃塗料 9 円/l 4 125 61 80 32 - 68 -
シンナー
3 円/l 35 125 77 - 53 - - -
7
資源品
新鋼破材(有価売却単価)
5 円/kg 5.0 15.0 8.3 8.0 - - - -
その他鉄類(有価売却単価)
12
円/kg 0.0 8.0 3.2 3.0 3.1 5.0 00 5.0
アルミ(有価売却単価) 4 円/kg 20.0 79.0 39.8 - - - - 20.0
亜鉛(有価売却単価) 4 円/kg 10.0 50.0 25.0 - 35.0 - - -
ダンボール 3 円/m3 0 1,500 625 - - - - -
*記載廃棄物品目は3事業所以上の回答のあった品目。
*地区別処理委託単価平均も各地区内2事業所以上の回答があった単価の平均を表示
 
3)焼却炉状況
(1)保有状況
項目 事業所数 割合
保有 DXN規制対応設備 2 11.8%
DXN規制非対応設備 12 70.6%
小計 14 82.4%
保有していない 3 17.6%
合計 17 100.0%
 
(2)保有会社今後の動向(H14.12/1以降)
(拡大画面:59KB)
 
4)廃棄物処理設備保有状況
設備名 事業所数 保有率
焼却炉 14 82.4%
廃油処理(油水分離等) 7 41.2%
缶圧縮減容機 6 35.3%
破砕機 1 5.9%
埋立処分場 2 11.8%
 
5)構内廃棄物管理人員
項目 事業所数
選任 兼務
0人 1 1
1人 4 2 6
2〜4人 5 3 8
5人以上 1 1 2
 
【算出条件】
1)発生量及び処理委託単価の単位統一は下記嵩比重で換算(単位;t/m3
項目 嵩比重
木材 0.25
廃プラ 0.10
紙・ダンボール類 0.15
タイヤ・ゴム類 0.30
ロープ 0.25
ウエス 0.70
一般雑芥(混合) 0.20
鉱さい 1.50
焼却灰 0.50
土砂・がれき 1.50
鉄くず 3.00
缶類 4.00
電池 1.00
貝殻 1.50
汚泥・スラジ 1.30
廃油水 1.00
廃油 0.90
ペンキ 1.00







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