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III. 雇用調整助成金(事務局注:教育訓練関係を抜粋)
 
1. 概要
 景気の変動、産業構造の変化等に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行った事業主に対して、休業手当、賃金又は出向労働者に係る賃金負担額の一部を助成するもので、失業の予防を目的としています。
 
2. 受給できる事業主
 受給できる事業主は、次の(1)から(6)までのいずれにも該当する事業主です。
(1)雇用保険の適用事業の事業主
(2)次のいずれかに該当する事業主
イ. 一般事業主(下記ロ〜ヌ以外の事業主)
ロ. 中小企業経営革新支援法の規定に基づき承認された経営基盤強化計画に係る特定組合等の構成員である中小企業事業主(経営基盤強化事業主)
ハ. 特に雇用の維持その他の雇用の安定を図る必要があるものとして厚生労働大臣が指定する地域(雇用維持等地域)内に所在する事業所の事業主
ニ. 厚生労働大臣が指定する事業主((大型倒産等事業主)平成13年10月1日以後に指定した事業主)の下請事業主
ホ. 認定港湾運送事業主(平成13年10月1日以後に認定した事業主)
ヘ. 旧特定雇用機会増大促進地域内に所在する事業所の事業主
ト. 旧緊急雇用安定地域内に所在する事業所の事業主
チ. 平成13年10月1日前に厚生労働大臣が指定した事業主(大型倒産等事業主)の下請事業主
リ. 平成13年10月1日前に厚生労働大臣が指定した業種に属する事業主又はその事業主の下請事業主
ヌ. 平成13年10月1日前に認定を受けた港湾運送事業主
(3)景気の変動、産業構造の変化等に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主
イ. 「景気の変動、産業構造の変化等に伴う経済上の理由」とは、景気の変動及び産業構造の変化並びに地域経済の衰退、競合する製品・サービス(輸入を含む。)の出現、消費者物価、外国為替その他の価格の変動等の経済事情の変化をいいますので、以下に掲げる理由による事業活動の停止又は縮小によっては、雇用調整助成金の支給対象となりません。
(イ)例年繰り返される季節的変動によるもの
(ロ)事故又は災害により施設又は設備が被害を受けたことによるもの
(ハ)法令違反若しくは不法行為又はそれらの疑いによる行政処分又は司法処分によって事業活動の全部又は一部の停止を命じられたことによるもの(事業主が自主的に行うものを含む。)
ロ. 雇用調整助成金の支給を受ける前提となる「事業活動の縮小」とは、以下に該当するものであって、事業活動の縮小の理由が、事業主が尽くすべき責務を尽くした上でやむを得ないものと認められるものをいいます。
(イ)(2)のイに該当する事業主の場合
 生産量などの事業活動を示す指標の最近6カ月間の月平均値が前年同期に比べ10%以上減少しており、かつ、雇用保険被保険者数による雇用量を示す指標の最近6ヵ月間の平均値が前年同期に比べ増加していないこと
(ロ)(2)のロからヌのいずれかに該当する事業主の場合
 生産量などの事業活動を示す指標の最近3ヵ月の月平均値が前年同期に比べ減少しており、かつ、雇用保険被保険者数による雇用量を示す指標の最近3ヵ月間の月平均値が前年同期に比べ増加していないこと
(4)それぞれ次のいずれにも該当する休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行い、休業手当若しくは賃金を支払い、又は出向元事業主が出向労働者の賃金の一部を負担する事業主
イ. 休業等(休業及び教育訓練)の場合
(イ)対象期間内に行われるものであること((2)のへ、ト、チ、リ、ヌのいずれかに該当する事業主が休業又は教育訓練を行う場合は、業種ごと等に既に指定されている指定期間に行われたものが助成金の対象となる。)
(ロ)次の休業又は教育訓練であること
(休業)
a. 所定労働日の全一日にわたるものであること
b. 所定労働時間内に当該事業所における対象被保険者全員について一斉に1時間以上行われるもの(又は、平成14年6月1日から平成17年3月31日までの期間に属する日を対象期間の初日として指定する事業主にあっては当該事業所における対象被保険者について一時間以上行われるもの(以下「特例短時間休業」という))であること
c. 休業手当の支払いが労働基準法第26条の規定に違反していないものであること
(教育訓練)
d. 所定労働日の所定労働時間に全1日にわたり行われるものであること
e. 同一受講者について、判定基礎期間において2日以上行われるものであること((2)のヘ、ト、チ、リ、ヌのいずれかに該当する事業主の場合にのみ適用する。)
f. 就業規則等に基づいて通常行われる教育訓練ではないこと
g. 当該訓練の職種等の内容についての知識又は技能を有する指導員等により行われるものであること
h. 事業主が自ら事業所内で実施するもの(生産ライン又は就労の場における通常の生産活動と区別して行われるものに限る。)又は公共職業能力開発施設等に委託して実施するものであること
i. 受講者に通常支払っている賃金とおおむね同じ額の賃金を支払うものであること((2)のヘ、ト、チ、リ、ヌのいずれかに該当する事業主の場合にのみ適用する。)
(ハ)労使間の協定による休業又は教育訓練であること
(ニ)判定基礎期間における休業等(休業及び教育訓練)の延日数が所定労働延日数の1/15(中小企業事業主にあっては1/20)以上となるものであること((2)のヘ、ト、チ、リ、ヌのいずれかに該当する事業主が判定基礎期間に教育訓練のみ行う場合にあっては適用されない。)
(ホ)特例短時間休業にあっては判定基礎期間における対象被保険者に係る特例短時間休業の延日数が当該判定基礎期間における対象被保険者に係る所定労働延時間数の1/6を乗じて得た時間数に相当する時間数以上となるものであること
ロ. 出向の場合(略)
(5)(4)の休業等(休業及び教育訓練)又は出向の実施について、事前に公共職業安定所に届け出られたものであること
(6)休業等(休業及び教育訓練)又は出向に関して、必要な書類が整備・保管されていること
〔注意〕
(1)次のいずれかに該当する場合には、この助成金は支給されません。ただし、受給できる事業主の(2)のヘ、ト、チ、リ、ヌに該当する事業主については適用されません。
イ. 助成金の支給を行う際に、休業等(休業及び教育訓練)又は出向の実施に係る事業所において成立する保険関係に基づく前々年度より前の年度に係る労働保険料を滞納している場合
ロ. 悪質な不正行為により本来受けることのできない助成金等を受け又は受けようとしたことにより3年間にわたる助成金の不支給措置が執られている場合
(2)次のいずれかに該当する場合にも助成金が支給されないことがあります。(特例短時間休業を実施する場合に次のイ、ロに該当する場合、例外なく相殺の対象となる。)
イ. 休業等(休業及び教育訓練)を実施する一方で、残業や休日出勤を行うような場合
ロ. 年間所定労働日数を前年と比べて増加させる場合
(3)不正行為により本来受けることのできない助成金を受け又は受けようとした場合には、これにより助成金の支給を受けることができないこととなった日後3年間助成金を受けることができなくなることがあります。
(4)助成金の支給申請から支給決定までの間及び支給終了後において総勘定元帳等の帳簿の提示を求めることがありますのでご承知願います。
 
3. 受給できる額
(1)受給できる金額
休業等(休業及び教育訓練):
・厚生労働大臣が定める方法により算定した額(1人1日)×1/2(2/3)
・教育訓練は上記に加えて訓練費として1人1日あたり1,200円
出向:(略)
注1.( )内は中小企業事業主に対する助成率です。
注2. 受給額は1人1日あたり雇用保険基本手当日額の最高額を限度とします(訓練費は限度額に含みません。)。
注3. 受給できる事業主の(2)のヘ、ト、チ、リ、ヌに該当する事業主が教育訓練を行う場合の訓練費は1人1日あたり3,000円となります。
(2)受給できる期間
 休業等(休業及び教育訓練)を実施した場合は、次の対象事業主ごとの対象期間内に行われた休業等(休業及び教育訓練)に係る期間、出向を実施した場合は、対象期間に開始された1年以内の出向に係る期間について助成金の支給の対象となります。ただし、休業等(休業及び教育訓練)に係る助成金は、一の対象期間につき対象被保険者数×100日分又は200日分が限度となりますので、これを超える期間については支給対象となりません。出向については、以下の対象期間に開始されたものが支給対象となります。
(対象期間)
イ. 受給できる事業主の(2)イの一般事業主の場合
 一般事業主として休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行う旨を最初に届け出た(休業等(休業及び教育訓練)又は出向の実施計画届)際に、当該事業主が指定した雇用調整の初日から起算して1年間(支給限度日数100日)
ロ. 受給できる事業主の(2)ロの経営基盤強化事業主の場合
 経営基盤強化事業主として休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行う旨を最初に届け出た(休業等(休業及び教育訓練)又は出向の実施計画届)際に、当該事業主が指定した雇用調整の初日から起算して1年間(支給限度日数100日)
※経営基盤強化事業主又は一般事業主としての前回の対象期間(初日から1年間)後1年間を経過した日の後でなければ、対象期間の初日の指定はできません。なお、厚生労働大臣が「雇用に関する状況が全国的に悪化した」と認める場合に厚生労働大臣の定める期間(6か月間。延長される場合がある。現在、平成14年4月1日から平成14年9月30日までの期間。)に上記の雇用調整を行った事業主は、その最終実施日の翌日から起算して1年間を経過した日後に利用可能期間の初日の指定ができます。
ハ. 受給できる事業主の(2)のハの雇用維持等地域事業主の場合
 地域ごとに厚生労働大臣の指定する日から起算して1年間(支給限度日数100日)
ニ. 受給できる事業主の(2)のニの大型倒産等事業主の下請け事業主
 大型倒産等事業主ごとに厚生労働大臣が指定する日から起算して2年間(支給限度日数200日)
ホ. 受給できる事業主の(2)のホの認定港湾運送事業主の場合
 事業主ごとに認定を受けた日から2年間(支給限度日数200日)
※受給できる事業主の(2)のヘ、ト、チ、リ、ヌに該当する事業主が休業又は教育訓練を行う場合は業種ごと等に既に指定されている指定期間(支給限度日数200日)
 
4. 受給のための手続(公共職業安定所)
(1)休業等(休業及び教育訓練)の場合
イ. 受給しようとする事業主は、事業主の選択により、一の判定基礎期間(歴月又は賃金締切日が定められている場合は賃金締切日期間)又は連続判定期間ごとに休業等(休業及び教育訓練)を開始する日の前日までに休業等(休業及び教育訓練)協定をした書面(写)及び教育訓練を行う場合は通常実施している教育訓練の状況を示す就業規則等の書類(写)を添えて、休業等(休業及び教育訓練)実施計画(変更)届を公共職業安定所に提出してください。ただし、平成14年6月1日から2週間以内に特例短時間休業を開始する場合には、この期間内に提出してください。
ロ. 対象期間について最初に休業等(休業及び教育訓練)実施計画(変更)届を提出する場合は、雇用調整の初日の2週間前までに提出してください。
ハ. 次に、上記イで当該事業主が選択した判定基礎期間又は連続判定基礎期間ごとにその末日の翌日から1か月以内に休業等(休業及び教育訓練)が協定に定めるところによって行われたものであることについての労働組合等の確認を経て、雇用調整助成金(休業等)支給申請書を公共職業安定所に提出してください。
(2)出向の場合(略)







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