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6. 各構造基準の部材設計に関する一般規定事項
 部材強度の決定においては、高速船構造基準とアルミニウム合金製漁船構造基準(案)は弾性設計ベースであるが、軽構造船暫定基準のみは塑性設計ベースである。
 
 各基準は次の用に略記する。
 
基1
軽構造船暫定基準
基2
高速船構造基準
基3 
アルミニウム合金製漁船構造基準(案)
 
(拡大画面:55KB)
 
(注)軽構造船構造基準(案)船底肋板の深さ≧切欠深さ×2.5
(参考)軽構造船構造基準(案)
 
船底肋板の深さ 船底縦肋骨の深さ×2
切欠深さ×2.5
船側横肋骨の深さ 船側縦肋骨の深さ×2
甲板横置梁の深さ 甲板縦通材の深さ×2
隔壁水平桁の深さ 竪防撓材の深さ×2
 
5)肘板の寸法
(拡大画面:19KB)
 
6)フランジ部
 
7)プロペラ直上の外板の増厚
 
基1
プロペラ近傍の外板は水圧変動により強制振動を生じるので、厚さを増すかまたは適当な補強を行う。
基2
−−−−−
基3 
その箇所の船底外板の厚さの25%増しとし、範囲はプロペラ中心より前後左右へそれぞれプロペラ直径以上とする。必要に応じ防撓材を増設して補強しなければならない。
 
8)加工硬化材の溶接継手の耐力
 
基1
溶接構造船で、溶接による耐力の低下がある材料を使用する場合には、この低下した値を材料の耐力とする。
基2
溶接により接合された材料の耐力が熱影響によって低下する場合には、この低下した耐力を用いる。ただし溶接後の当該材料の引張り強さの70%を超えてはならない。なお、低下した耐力の値が確認できない場合には、当該材料の焼き鈍し材の耐力の最小値を用いること。
 
 耐力についてこれ以外の取扱いをする場合は、資料を添えて主席検査官に伺い出ること。
基3 
溶接構造に加工硬化材等を使用するとき、溶接部が最大曲げ応力位置となる場合は、焼き鈍し材の耐力を材料の耐力とする。
 
9)その他の規定(基3)
 
9−1)各部材は著しい不連続を生じないように、その周囲に配置される部材と調和のとれたものとすること。
 
9−2)各部材は工事が十分できるように配置すること。
 
9−3)主要部材は極力船首尾まで連続させること。
 
9−4)船底及び船側外板の波浪衝撃或いはプロペラ変動圧力により振動を生じる箇所では、倒れ止め肘板の端部、中間補強材の端部及び二重張りコーナー等がハードスポットとならないように十分注意すること。
 
9−5)船底及び船側に取り付ける倒れ止め肘板、中間補強材の端部は隣接部材まで達するようにし、二重張りコーナーには十分な丸みを付けなければならない。
 
9−6)船首尾部の肋骨のように外板に直角に取り付けられない部材には、倒れ止めを設けなければならない。その端部は縦肋骨又はパネルブリーカー等に固着しなければならない。
 
9−7)桁材を骨材が貫通する箇所に切り欠きを設ける時は、切り欠きの深さはその箇所の桁の深さの50%を超えてはならない(差込み、全周溶接方式を除く)。
 
9−8)切り欠きの深さのその箇所における桁の深さに対する割合が深水タンク内で40%を超える場合には、桁の寸法を増すか、又は塞ぎ板を取り付けなければならない。
 
9−9)桁、骨材等に孔、切り欠き等を設けるときは、その大きさ、位置に応じて適当に補強しなければならない。
 
9−10)切り欠きの隅部には十分な丸みを設けること。
 
9−11)甲板開口の隅部には十分な丸みを付けること。船の中央部0.4L間の上甲板及び船楼甲板の隅部では厚さを増す等、適当な方法で補強しなければならない。
 
9−12)上構端部、船楼端部等は適当に補強しなければならない。
 
9−13)軽目孔
 
(1)ピラー下部、肘板トゥーの下部等強度上注意すべき箇所には設けてはならない。
 
(2)肘板には、特に深さが深い場合を除き設けてはならない。
 
(3)軽目孔の周辺からその箇所の部材の縁に至る距離は、軽目孔の径以上としなければならない。
 
9−14)主機関台頂板等の寸法
 
(1)頂板の厚さ
(注)
1)
頂板にライナを設ける方式とする。
 
2)
据え付けボルトの引張り強さは50kgf/mm2(490N/mm2)とする。
 
(2)ボルト孔と頂板端部との距離はボルト径の1.7倍以上を標準とする。
 
(3)ボルトのピッチはボルトの径の3倍以上を標準とする。ピッチがボルト径の3倍に満たないときは、頂板の板厚を適当に増まさなければならない。
 
(4)頂板下部の桁板及び肘板の厚さは頂板の厚さの65%以上としなければならない。







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