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2.2.4 ロールライン割り付け
演習題:−
 撓鉄加工のための
(1)ロールラインの位置出しと
(2)プレス押し線の割り込みは、
現図・マーキン・撓鉄、いずれの工程でやるべきか。
  
 
[解]
(1)のロールラインは、正面線図か、曲型か、いずれか、で求まる。したがって、マーキン工程では行なえない。また数値現図で自動化、NCマーキンするのであれば、現図工程で求める他ない。
(2)の割り込みピッチは、撓鉄のプラクティスによる。その要領が、前工程に明示され、適用できるようになっていなければ、前工程での割り込みは成り立たない。
 したがって個々の造船所により最適は異なる。
 
2.2.6 折り
演習題:−
 上記写真の折れ曲型の記事では、なにが、どう省略できるか?
  
 
[解]
1. 「指標(OT、UP)」は不要。どちらのR.ENDで型合せしても同じである。
2. R寸法指定「150R」は、標準押しジグ型があるのなら、丁寧に型を削る必要はなく、単なる曲型としてなら、150の数値は使われない。
3. 適用部品番号?「B123/6/9、132A」を指示するより、簡単な型名を決めて、適用部品(型定規)の方に型名を指定する方が便利では。
 
2.2.9 曲げ
演習題:−
 上記の例で、逆にウェブの取付縁辺の形状が、標準の600Rなら(むしろ設計図は、こう指定することが多い)、どのようなことになるか?
  
 
[解]
1. 構造現図は、円筒とウェブ面の相貫でなく、ウェブ面相貫線が円弧となる楕円柱相貫として求めるので、やや面倒である。
2. ウェブの取付縁辺は標準円弧となっても、倣度が発生することには変わりない。
3. Fc.PLの曲げは、楕円柱面となる。ウェブ取付線当には、標準円弧型が使える。
 
2.3.1 取付位置と板/型鋼の逃げ
演習題:−
1)上記のT.BHD.の例で説明したように、この位置だけ周りと逆のモールドにするか、同じ向きのモールドのままで仮モールドを立てるか。その利害得失は?
2)船体中心線部材は、対称振り分けとせず、左舷面スティフナーサイド、右舷に板逃と規約すると、どんな不都合が出るか?
  
 
[解]
1)T.BHD.Sideの倣い開先の適用範囲が変わる。どちらも迷わないように、方針を徹底しておく必要あり。利害相反する。
2)その船や造船所には、不都合はない。ただ暗黙不文律の伝統に反するので、船主や承認機関に事前了解を要するし、図面にも明記して修理・改造などの機会に備えておくことになろう。
 
3.1.4 曲型、箱型
演習題:−
 木型の作り方で、鎧張りは、マーキン用には困るが、曲型ならよい。なぜか?
  
 
[解] 曲型は立ててコバ(木端?)を当てて使う。マーキン型は寝せて面を写し取るので、面の凹凸は墨差しの当たり付けに不都合である。
 
5.1.1 平板ブロック:Flat Panel Block
演習題:−
 このDK.板付きで、カーリング部材:F8、F9、F10の取付度が異なるのはなぜか。
  
 
[解] 部材は傾斜して配置され、端部はクリップである。配置の傾斜が変わり、端部取合いの相互の板厚面を合わせるには、取付度を変えねばならない。
 
5.1.6 曲りブロック仕上マーキン
演習題:−
 曲りブロックの仕上マーキン定規で、定盤基準と中央フレーム基準では、どのような形態上の差違が生ずるか?
  
 
[解]
 長さ定規の差:−
 トランスフレーム線などの当たり位置は、定盤基準では一定方向に流れて広がるが、隣線と重なるほどにはならない。中央フレーム基準では両方向に狭い範囲で流れ、区分に注意を要する。所要定規長さは、定盤基準>中央フレーム基準。
 幅定規の差:−
 長さ定規の差の逆となる。
 ロンジ線などの当たり位置は、中央フレーム基準の場合には隣線と重なるほど流れ、色分けとか、基線位置も適当に流すとかの工夫をすることが必要になる。
 
5.2.4 小骨FB:Stiffener FB on web
演習題:−
 [図5.2.9 FB一品寸法図]で、上の75×9FBの2種を見ると、モノは全く同じである。分けた理由は、どう推測するか?
  
 
[解]
1. これらの船殻範囲には共通部品の方針がない。
2. 一品寸法図は、部品名区分であり、内容は同じでも兼用しない。いずれ自動作表である。
3. 部材処理の結果として、たまたま同じとなった。
4. 定規作成なら、最初から兼用となるものである。
 
あとがき
 本指導書は、小型船造船所の現図技術者を養成するため、造船現図指導講習会用として刊行いたしました。
 本指導書の作成に当たり、原案の執筆及び編集にご尽力いただきました現図指導書作成部会委員各位に対し心よりお礼申し上げます。
 
平成11年度小型造船技術講習事業現図指導書作成部会委員名簿
(順不同:敬称略)
 
委員長 
丹羽誠一
財団法人舟艇協会会長
○ 
委員
高武淳夫
高武技術士事務所所長
 
委員
奥山孝志
元 社団法人日本中型造船工業会常務理事
 
委員
平山万太郎 
元 墨田川造船株式会社取締役技術部長
 
委員
田辺靖夫
田辺技術士事務所所長
委員
小川 洋
石川島播磨重工業株式会社東京第一工場
艦船工作部内業課スタッフ
 
○印は原案執筆者







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