日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 技術 > 海洋工学.船舶工学.兵器 > 成果物情報

造船現図指導書(原寸型・定規)

 事業名 小型造船技術講習
 団体名 日本中小型造船工業会 注目度注目度5


4. 定規
 定規は、一次元[線]実寸法の指示表現に用いるのに便利であり、精度が高い。
 また「一部型」を援用したり、マーキン手順の約束事:曲り外板の基線展開・形鋼肋骨の逆直線曲げ・幅/長さ兼用・平行二本基線による内構の「当り位置」設定・・・などを確立すれば、複雑な形状も与えることができる。したがって型と重なる役割を持つ。
 定規そのものは一般に型に比べ、作成や取扱いが簡単であるが、マーキンには一見判り難いのは確かで、単純な形状や長尺・大型のものに適する。
 
 次ページ見開きの[図4.0 平行二本基線によるマーキン]は、その実例で、長さ7m余×幅約1.4mの曲り外板付きトランス・ウェブが、[表4.0 二本基線寸法表]を押さえることで、その形状を正確に表現できる。このような大きさでは、木型・紙型にしろ、型マーキンは誤差が出やすい。
 つまりNCマーキン切断機がなくても、プロッターとラインプリンターの出力で、高精度の数値現図が適用できたのである。
 
 定規作成の作業は、定規を机高さの架台(定規定盤ともいう)に載せて、椅子掛けの姿勢で、記入用具だけでできる。椅子には、横移動と回転できる機能が好ましい。
 
(拡大画面:67KB)
図4.0 平行二本基線によるマーキン
 
(拡大画面:130KB)
表4.0 二本基線寸法表
 
4.1 角定木、平定木、テープ
 この呼称は、定規の素材形態の区分である。
 定規書き込みの事例を[写真4.1.1 スティール・テープ]に示す。
 
写真4.1.1スティール・テープ
 
 直線上の距離寸法は、帯状のものならいずれでもよく、同じマーキンとなるが、曲線の表現では、厳密には異なる。
 すなわち、バッテンとして撓む定木は、カーブ形状とガース長を同時に与えることができるが、巻き取れるように軟らかいテープでは、曲線近似の折線を点列として「当り」が付けられるだけで、あと別途「当り」を連ねるカーブを付加することになる。もっとも点列のトレランスが小さければ差異は無視できる。
 
 また定木でのガース寸法拾いは、[図4.1 定木による採寸]のように、凹面で当りを付けるのが、マナーとされてきた。
 拾った時より定木の撓みが減ると、ガースは若干長くなる。この現象は板厚中性軸や加工収縮を考え合わせると都合がよい。ちなみに定木厚を8ミリで、この要領でガース長を拾うと、10ミリ厚鋼板のプレス曲中性軸を求めたことになる。(NA:中性軸については、別冊『現図展開』参照)
 
図4.1 定木による採寸
 
 平定木は素材上から長さが限られるが、幅がテープより広く書き込みがしやすい。
 
4.2 金取、仕上
 こちらは定規表現の目的区分である。
 
 一般には部品仕上がり形状を与えるのであるが、曲加工後やブロック板継後に再マーキンする場合を「仕上げ」、最初の取材マーキン用を「金取」、と冠して区別している。
 仕上げ定規を金取に兼用してもよく、その場合は色を変えた記述にすると判りやすい。
 
 組立工程でのマーキン用を、「アセンブリ定規」と称することもある。
 展開や加工ならびに組立収縮の精度を高めて、この二重手間は減らしていきたい。







サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら

日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
93位
(35,650成果物中)

成果物アクセス数
153,427

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2023年3月18日

関連する他の成果物

1.アルミニウム合金船の設計・建造の要点
2.平成14年度通信教育造船科講座受講者募集のご案内
3.平成14年度通信教育造船科講座のしおり
4.平成14年度通信教育造船科講座スクーリング(面接指導)実施要領
5.船殻設計
6.船殻設計(学習指導書)
7.平成14年度通信教育造船科講座添削問題
8.平成14年度通信教育造船科講座スクーリング試験問題
9.通信教育造船科講座正解集(平成14年度)
10.船殻ブロックのデジタル生産技術の基礎研究 成果報告書
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から