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4.3.9 エンジンファミリーの親エンジンの選択ガイドライン
4.3.9.1  NOx計測用の親エンジンの選択方法は、主管庁による同意及び承認がなければならない。この方法の基礎をなすものは、キロワット時当りのグラム数(g/kWh)で表されるNOxの排出量が、経験から、最も高くなるエンジンの特徴及び特性を備えるエンジンを選択することである。そのためにはファミリー内のエンジンの詳細な知識が必要となる。ある状況の下では、主管庁は、ファミリーのNOx排出率の最悪のケースを、第2のエンジンを試験することにより定めることとしてもよい。この場合、主官庁は、ファミリー内で最も高いNOx排出水準を有することを示す特性に基づき、追加のエンジンを選択する。もし、ファミリー内のエンジンが、NOx排出に影響を及ぼすと考えられるその他の特性を持つならば、これらの特性についても識別し、親エンジンの選択に際し考慮しなければならない。
4.3.9.2  NOx排出規制のための親エンジンの選択には、下記の選択基準を検討するものとするが、選択の過程ではエンジン仕様の基本特性の組合せを考慮しなければならない。
1.主要選択基準
−燃料供給率が高い
2.その他の選択基準
−平均有効圧力が高い
−最大筒内圧が高い
−給気/点火圧力比が高い
−dp/dα、燃焼曲線の勾配が小さい
−給気圧が高い
−給気温度が高い
4.3.9.3  ファミリー内のエンジンが、NOx排出に影響する可能性のあるその他の特性を持つ場合、その特性についても識別し、親エンジンを選択する際に考慮しなければならない。
 
4.3.10 エンジンファミリーの認証
4.3.10.1  この認証には、同一のエンジンファミリー下の全エンジンのリスト及びその仕様、運転条件の範囲、許容可能なエンジン調整の詳細と範囲を記載するリストを含まなければならない。このリストはエンジン製造者によって作成、維持され、主管庁によって承認されなければならない。
4.3.10.2  予備証書、即ちEIAPP証書は、親エンジンが附属書VIの第13規則に明記されているNOxレベルに適合していることを認証するもので、本コードに従ってエンジンファミリーに属するエンジンに対して発給される。
4.3.10.3  エンジンファミリーの親エンジンが本コードに明記された最悪の条件下で試験/計測され、最大許容排出制限値(3.1項参照)に適合することが確認されれば、試験及びNOx計測の結果は特定の親エンジンとエンジンファミリーに属する全エンジンに対して発給されるEIAPP証書に記録されるものとする。
4.3.10.4  2つ、もしくはそれ以上の主管庁が互いのEIAPP証書を受け入れることに同意する場合、これらの主管庁のいずれか一つによって認証されたエンジンファミリー全体は、特段の取り決めがない場合は最初に認証を行った主管庁と合意している他方の主管庁によっても受け入れられなければならない。このような協定の下で発給される証書は、認証を受けたエンジンファミリーに含まれる全エンジンが特定のNOx排出要件に適合している一応の根拠として容認できるものとする。設置されたエンジンが改造されていない場合で、エンジンの調整がエンジンファミリーの認証の許容範囲内であることが確認されるならば、附属書VIの第13規則に適合することを示す別の根拠は必要ない。
4.3.10.5  エンジンファミリーの親エンジンを、本コードによって許容される以外の基準、もしくは、試験サィクルに従って証明しようとするならば、適切な試験サイクルに対する重み付けによる平均NOx排出値が、附属書VIの第13規則及び本コードに記載されている該当する制限値内にあることを、製造業者が主管庁に証明して初めて、主管庁はEIAPP証書を発給できる。
4.3.10.6  主管庁は、新しくシリーズで製造されるエンジンに対し、エンジンファミリーの承認を認める前に、製品の要件への適合を有効に管理するために適切な措置が施されていることを確認するための必要な措置を講じなければならない。この要件は、EIAPP証書が発行された後の船上でのエンジンの改造を予定しているグループには適用する必要はない。







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