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ISO/TC8船舶及び海洋技術専門委員会
『ビジネスプラン』のご紹介について
(財)日本船舶標準協会
 
まえがき
 ISO(International Organization for Standardization)は、製品やサービスの国際交流を容易にし、知的、科学的、技術的及び経済的活動分野における国際間の協力を助長するために世界的な標準化及びその関連活動の発展促進を目指している団体で、最近ではISO9000(品質マネジメント)シリーズやISO14000(環境マネジメントシステム)シリーズの国際規格に基づく、企業や団体等の審査・登録で有名なことはご承知のとおりである。
 
 ISOでの国際規格作りは、技術のあらゆる分野に及び、それぞれの分野に対応したTC(Technical committee)がその責任を担っている。現在までに、活動しているTCの数は191で、制定されている国際規格は、1999年末で約12524規格となっており、運輸・物流関係は、審議中(DIS、FDIS)及び制定済みを含めると1329規格となり、急ピッチで増加している。
 
 国際規格がなぜ最近重要になりつつあるかについては、旧ソ連崩壊後、世界の市場は単一市場に集約されるようになってきたこと、単一市場には単一規格が存在することが、経済合理性の観点から望まれること、WTO/TBT(国際貿易機関/貿易に関する技術的障害に関する協定)協定発効後、その運用と実施について、国際規格の果たす役割の重要性(透明性、開放性、公平性等)が認識されてきたこと、欧米中心に国際規格を利用したビジネス展開が盛んとなりつつある等があげられる。
 
 これらの国際規格をとりまく環境の変化を受けて、ISOでは傘下のTCの活動をより有効かつ合理的に展開し、市場の要求に応えるため、昨年から各TCに対して『ビジネスプラン』の策定を義務づけている。
 
 ISO/TC8船舶及び海洋技術専門委員会作成の『ビジネスプラン』は、ISO/TMB(技術管理評議会)の決定に基づいて、2000年度からTC8内にワーキンググループを設置し、検討してきたものである。
 この『ビジネスプラン』の主な目的は、
 
1.  市場環境の理解及び予想される市場の将来展望を明記することにより、ISO/TCで行われる作業計画から、その結果として期待される特定の利益を明示すること。
 このねらいは、国際規格の市場適合性の拡大をはかることである。
 例えば、経済的(コスト削減、市場での時間の節約、市場への簡易なアクセス販売価格の提言等)観点、社会的(作業者の安全確保、事故の減少等)観点あるいは環境問題への対応等を含む。

2.  市場のニーズに合致した国際規格を、体系的に、タイミングよく作り出すために、TCの規格プロジェクトの優先順位化をすすめる。
 このねらいは、TC内の規格開発に関する経営管理の改善・向上に資するとともに、規格開発に必要なリソースが確実に利用できるようにすることである。
 例えば、各プロジェクトの審議のための‘目標期日の設定’やリソース(人材、分担、資金等)の計画、既存規格の見直し・改正・廃止等に資することである。

 別の言葉で言えば、技術は発展し、市場はどんどん進むので、国際規格も時代とともに進化しなければならないということである。

3.  市場の展開及び市場占有率に関連し、市場関係者間での透明性を増加することである。
 
等であり、これらの目的達成のためのビジネスプラン作成のツールとして、‘ガイドライン’や‘テンプレート’が『ビジネスプラン』作成用に作られている。
 
 今回作成された『TC8ビジネスプラン』は、‘ガイドライン’や‘テンプレート’に基づきつつ、船舶及び海洋技術に関する市場ニーズ、主たる連携国際機関、TC8で開発された国際規格のもたらすであろう利益、今後の方向等が明示されているので、この機会に関係者にご紹介し、各位のビジネスフィールドで参考にしていただければ幸いである。
 
 なお、この資料は仮訳版であり、詳細をご覧になりたい方は、ISO TCサーバーにアクセスしていただき、原文(英語版)をご覧いただきたく、参考にアドレスを記載いたします。
 
 ISO TCサーバーアドレス:http://isotc.iso.ch/livelink/livelink







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