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Step 3
 もし72時間以内に腸の動きがない場合、直腸診をおこない詰まっていないかを明らかにする。次のうち一つを試す。
Bisacodyl(Dulcolax)10mg RS
Magnesium citrate 80z PO
Mineral oil 30−60 ml PO
Fleet enema or warm saline enema
 
Step 4
 もしも、糞便が詰まっている場合、次のことを実施する。
・ 便が軟らかければ、摘便を行う。(実施の前に痛み止め、鎮静剤を使う)。
・ グリセリン座薬、ミネラルオイル、オリーブオイルでの浣腸をおこない、便を軟らかくしてから摘便を行う。
・ 排便がスムースになるまで、水や、石けん浣腸などでフォローアップをおこない、その後毎日の腸プログラムの強度を増す。もし直腸の痛みや不快感があれば、痔への軟膏や、座薬と座浴を行う。(Preparation H, Anusol HC, Benzocaine (Hurricaine) Suppositories etc.) Also, consider use of rectal wipes (Tucks).
 
また、この文献は、非薬理的介入として、
・食物繊維を増やす( 果物、果物のペースト、野菜、サラダ)
・可能なら、自動的、他動的、間接可動域の運動を行う。
・飲水量を増やす。
・朝いっぱいのコーヒーなど刺激剤も考える。などをあげている。
 
 ナースは、このようなガイドブックに基づき、各自の患者に沿ったコントロールをしていた。しかしながら、ナースは、繊維質のものの摂取は、気をつけて行わなければいけないと述べていた。この理由は、繊維は水を吸収して便をやわらかくするので、水分摂取が伴わないと働かないからである。水分の摂取の必要性は、患者自身も理解しており、それぞれの患者は訪問中も飲み物をよくとっていた。
 
 同行したナースの患者によく使われている薬は
 Docusate sodium( Colace、 DSS)Surfactants stool softener
 表面張力を弱くして便からの水分の吸収を促す。使ってから1−3日して効く。
 
 Senna(senokot): 腸壁に働きかけ、腸への水分と電解質の分泌を促す。
 Cascara sagrada と似ている効果だがそれよりも強力。 
 薬は、尿を黄色がかった茶色、赤茶色にかえる。Senna は普通就寝前に使われる。(Nursing Drug 2002).
 
 Dulcolax(bisocodyl)contact laxatives腸壁に働きかけ、腸への水分と電解質の分泌を促す。6−8時間で作用。座薬の形。
 
 Milk of Magnesia(magnesium hydroxide)
 MOM は、マグネシウムヒドロキサイドの水様懸液で、即効性と長期作用の中和作用がある。酸性のリバウンドがあるかもしれない。 少ない服用で抗酸作用、大量服用で弱い食塩水緩下剤として作用する。副作用として、脆弱、嘔気、嘔吐、気分の落ち込み、低血圧、徐脈、などがあげられている。
 用量: Adult. PO 2.4−4.8g(30−60ml)/d in 1 or more divided doses.
などであった。
 
例1:79歳 女性 多発性骨髄腫
 Senna、Colace、Fleets enema rectal
 その他に飲んでいる薬は、Ibuprofen 200 mg 2 tid and prn、Prednisone 10 mg/2 days
 bactrim DS 800/160 1/2 tab bid PO、Detrol、Timophcopthsoln 0.5%、Thyroid、Ativan、Vicodin Ms contin、(60 mg BID)、Synthroid septra、os−cal、Lovenox、lopressor、aspirin、Zoloft 痛みでモルフィン、NSAIDsなどをのんでいる。
 
例2: 大腸がんの男性。57歳。コロストミーがある。
 BMの薬:Senexon、senokot、8.6mg 1−2 qd po、
 B&O 1 q4h prn rectal(berradonnna and opioid)for painful spasm prn
 Charcocaps 1−3 TID po(charcoal、activated liquid antidote)general purpose emergency antidote in the treatment of poisonings by most drugs and chemicals.
 その他oramorph SR 15mg 1−2 TID po、OMS 20gm/ml 0.5ml q2hrs PO
Anti emetic coctail 5ml で痛みのコントロールをつけていたが、その後嘔気嘔吐が現れた。
 
例3:大腸がんの女性。69 歳。コロストミーはない。
 BMの薬: Milk of Magnesia 患者はvicodin (コデインとNSAID)を飲むときにmilk of Magnesia をつかう。DSS、 250mg 1 BID
 Megace 40 mg、2 bid、prn、(食欲増進のため)Ativan、Compazine、Restoril、Vicodin、AEC、Naprosyn、Provera、Aciphex、OMS、Ibuprofen、Neurontin(神経の痛み)Predonisone 4mg.(脊髄圧迫の疑いのため)
 患者はマイクロバイオティックという繊維の多い食事を使っている。
 この患者は、夜間転倒し、脊髄圧迫の疑いでナースは薬を処方したが、その後症状が回復した。患者本人は、ミルクオブマグネシウムを飲んで足がふらついたのでこれからはこれをのむのではなく、ストールソフトナーを使うと言っていた。このように、患者本人が薬と自分の症状の評価を行い、ナースとともに症状コントロールを行っていた。
 
 このようによく使う緩下剤はスツールソフトナーから、セナコット、ミルクオブマグネシア、座薬のBiscodyl(Ducolax)などが使われていた。症状マネジメントの本にもあるように、ステップの初期の段階でコントロールがついている。ステップ4 の段階に達する例は、ホスピスプログラム紹介になってすぐの患者が以前に排便のコントロールがついていなかったときなどであるそうだ。それぞれのナースが、摘便は、もっとも痛いものであるし、できれば行いたくない処置の一つであるので、そこまでに至る前に薬剤でコントロールをつけるということである。
3)ナースによる全人的ケア
 ホスピスケアを学ぶにあたり、文献などで言われている、全人的ケア、ということがよく理解できた。この研修を始める前に、まず、患者の症状マネジメント、身体的ケアができなければ、ナースとしてホスピスケアを行っているといえないのではないか、それから患者の話をきいたり、サポートができていくのではないかと考えた。しかしながら、実際には、ナースは、症状マネジメントだけでなく、全人的な関わりを同時に行っていた。
 ホスピスオブマリンでは、ナースはまさに症状マネジメントをタイムリーに的確に行っていた。またそれだけではなく、明らかな症状がない時点でも話をきいたり、趣味の話をしたりすることで患者とのラポートを作る努力をしていた。患者との一対一の人間関係をもつということで、患者のパーソナリティーをつかみ、患者のストレスコーピングのパターンをつかみ、症状がいよいよ悪くなるときに、患者の不安が最小限であるようにと身体的コントロールとあわせて行っていた。同行したケースでのメインの症状マネジメントは痛みのコントロールを始めとして呼吸困難、便秘などであったが、精神症状や、嘔吐嘔気などもあった。ホスピスの患者は状況の展開がはやいため、患者や家族の症状の報告、医師との処方の連絡などをファックスや電話でやり取りをしていた。
 
 ナースの患者へのアプローチは緩和ケアとともに、その人の特徴を考慮にいれて行われていた。患者の状態をみながら安楽や、QOLを目標としていた。ホスピスプログラムを続けるかどうかも行っているケアが患者の安楽をもたらしているのかがポイントになる。たとえば子宮頚がんでコロストミーを作った患者だが、腫瘍の増殖を防ぎ腹腔臓器の圧迫を防ぐという症状コントロールの目的で化学療法を行っていた。貧血が発見されたこの患者は、毎日を楽に送ることを目的に輸血も行われていた。この患者は、自費で、様々な代外療法をおこなっていたが、それを否定することなく、患者のできる範囲でのサポートを与えていた。また、不安が強いがんの患者が、大腿骨骨折手術快復後に下肢の浮腫が強くなったときに、患者は不安をもつ傾向があるため、ナースは薬を処方するだけでなく、主治医とのアポイントメントをとり、医師からの働きかけも考えに入れた。
 また、自立して生活していた患者が、夜間転倒したことから新しくホスピタルベッドや車いすの導入を勧めていくに当たっても、患者に選択肢をあたえ、患者の自立を少しでも保てるようにと配慮していた。
 症状マネジメントにおいては、身体アセスメントはベースになっていて、視診、触診、聴診、ビジュアルアナログスケールによる痛みの程度など綿密なアセスメントがなされていた。このように、看護は判断を下していく大切な役割があった。







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