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表1 調査対象者
  性別 死別時の年齢 調査時の年齢 関係性 親の病名(親の年齢) きょうだい
A 高校1年 大学2年 多発性骨髄腫(50歳) 姉妹
B 小学6年 大学3年 膵臓がん(40後半) 兄2人
C 小学5年 大学3年 肺がん(40半ば)
D 中学2年 高校2年 乳がん(50歳)
E 中学2年 高校2年 肝臓がん(49歳) 姉2人
F 大学1年 大学院1年 膵臓がん(52歳)  
G 高校2年 大学1年 悪性リンパ腫(46歳)
H 中学1年 大学2年 多発性骨髄腫(42歳)
I 高校2年 大学3年 肺がん(47歳)
J 高校3年 大学2年 膵臓がん(53歳)
K 高校1年 大学2年 肝臓がん(50歳)
L 高校2年 大学2年 難病(52歳) 姉 兄
 
表2 子どものニーズ
第三コード 第二コード 第一コード
(親を)苦しませないでほしい    精一杯医療をしてほしい 「(病状が)悪いと言わないでほしい」「精一杯医療をしてほしい」
(医療者は)あきらめの言葉を言わないでほしい 「親のよろこぶことをしてほしい」「治療をあきらめないでほしい」「もうだめ、と言ってほしくない」
安らかであってほしい
苦しまないでほしい
(親の死が)安らかだった、という言葉はそう思ったほうが(残された家族が)楽だから」「父さん笑ってよ」「見ていられない。見るのがつらい」 
(親の状況の)本当のことが知りたい 怖いけど本当のことが知りたい 「どんな様子か知りたかった」「親の様子を教えてほしい」「悪いということをなぜ教えてくれなかったんだ」
(不安な自分を)わかってほしい (不安な自分を)わかってほしい 「お父さんが死んだらこれからどうなっていくんだろう」「目の前に大きな壁を感じた」「1日1日という感じで余裕がなくなっていった」「がんということばがぐっときた。ズシッという感じだった」「(病人と二人きりになると)何をしてよいかわからなかった」
置き去りにしないで 置き去りにしないで 「心がとまっていた。自分だけ置き去り。まわりが勝手に動いていた」
(親の病気は)ふれられたくない
  
ふれられたくない可哀想にと思われたくない 「そっとしておいてほしい」「自分のことでいっぱいいっぱいだった」
「友達に気を使われるのがいや」
親の病気のことは人に話したくない 「病気が悪いことを話すとそれが現実になるようで話したくなかった」「誰にも(親のことは)いわなかった」「口に出すと何かちがった感じになるから言いたくはない−自分にとって大事な問題だから軽くあつかわれたくない」「話したら(友達は)暗い気持ちになって、退いていっちゃう気がした」
ふつうになんでもなく過ごしたい  なんでもなく過ごしていたい 「ふつうになんでもなく過ごしていたかった」「自分だけが違っているのがいやだった」「(まわりの人が)とりみだすのをみていたくない」
(親の病気)忘れていたい 「何でもないように暮らしたかった」「ゲームばかりをしていた自分がいた。ゲームなんかたいした魅力はないのに、へんだなと思いつつ、ゲームし続けることにこだわった」「学校にいると、病気のこととか、家のことを忘れられた」
(親の)役に立ちたい。頼りにされたい   役にたちたい
頼りにされたい
「(親の言葉を聞いて)重いなって感じた」「もっともっと自分に話してほしかった。頼りにしてほしかった」 
何か世話をしたい 「(病人と二人きりになると)何をしてよいかわからない」「(病室に)いても何もできない」「(移動を手伝って)私にもできるんだ〜。やれる自分がうれしかった」「自分が何もできないのがくやしかった」
ごめんねと謝りたい  ごめんねと謝りたい  「微妙な罪悪感」ふつうに暮らせる自分
「(高2より)パパの存在避けていた。私どうしたらいいんだろう」「けむたい父(に感じてしまった)」「(親に)無理をさせてしまった。自分たちがいなければ、もっと楽ができただろうに。ごめんね」「今更思い出もつくれないし」
(大人に)甘えたい。 甘えたい 「甘える人がほしかった」「そばにいたい。甘えたい」
家族が1つになりたい 自分たち家族が1つになりたい 「もう家族4人だけの時間をください」「(父が亡くなるのだから)今バラバラじゃあだめ」







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