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3S級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


3.7 始動装置
 船外機の始動に係わる一連の装置で次のような方式がある。
 
 
1)手始動
(1)リコイルスタータ
 手動機種はリコイルスタータによってエンジンを始動する。2・338図に示すスタータハンドルを少し引くとドライブパウルが外側に開いてスタータプーリに噛合う。この噛合いを確認してから、スタータハンドルを強く引っ張ってエンジンを回転させる。エンジン始動後、直ちにスタータハンドルを戻すとスタータロープはスプリングによって自動的に巻き戻される。
 
(拡大画面:43KB)
2・338図 リコイルスタータ
 
 リコイルスタータはシフトハンドルと連動して作動する。シフトハンドルが中立の位置にあると、ストッププランジャが引き込まれているためリコイルスタータを引くことができる。しかし、前進または後進の位置にあると、ストッププランジャが突き出てスタータプーリを固定するためリコイルスタータを引くことができない。これは前進または後進にシフトした状態でエンジンを始動すると、ボートが急発進して運転者が落水する危険を防止する安全装置である。
(2)自動デコンプ付きスタータ機構
 リコイルスタータ付きのエンジンは2・339図に示すようにカムシャフト(C)(タイミングギヤ一体)に取り付けたウエイト(錘)(W)の遠心力を利用したデコンプ装置を設けている。エンジン始動時には、デコンプ装置が自動的に作動して排気弁を開放することによってシリンダ内の圧縮力を低減している。そしてエンジンスピード(回転速度)が一定の速さ以上になったときに自動的に解除される。また、エンジンが停止すれば、自動的にデコンプ装置がリセットされる。これによって、エンジン始動時のクランキング操作(スタータを引くこと)が容易にできる。
 
2・339図 自動デコンブ付スタータ機構
 
2)電気始動
(1)始動回路
 始動回路は2・340図に示すように、スタータモータ(ベンディックス型スタータ)を作動させるには大電流(100〜300A)が必要である。この大電流を通す太いバッテリケーブル(1)はバッテリ(+)極からスタータリレーを介してスタータモータの(+)端子へ接続され、バッテリケーブル(−)はスタータモータの(−)端子からバッテリ(−)極に接続されている。遠く(5〜10m)離れた計器盤に取り付けられているスタータスイッチはスタータリレーを作動させるためのもので、この回路には大電流は流れなく、最大でも10A程度である。
 スタータスイッチをひねる(ONにする)と、スタータリレー内のソレノイド(電磁石)が作動して中央端子を引き下げるので両側端子が接続される。これにより両側端子に連結されているバッテリケーブル(+)が接続されて、バッテリから大電流がスタータモータに供給され、スタータモータが回転する。
 
2・340図 始動系統
 
(2)ベンディックス型スタータ
 船外機には慣性摺動式(ベンディックスタイプ)のスタータモータが使用されている。2・341図に示すようにピニオンの内側の角ねじとシャフトの角ねじが嵌合しており、モータが回転するとピニオンは慣性によってリングギヤの方向に移動して、リングギヤと噛み合ってエンジンを回転させる。エンジンが始動してモータよりもエンジンの回転速度が高くなると、逆にピニオンは押し戻されて元の位置に戻る。オーバランニングクラッチはアマチュアがエンジン側から駆動されて損傷することを防ぐためのものである。
 
2・341図 ベンディックス型スタータ
 
2・342図 スタータリレー







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