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3級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


第4章 計測検査器具の取扱い・検査方法
 
 機関の出力増が過給機によって実現され、機関の構成部品の荷重条件は苛酷となってきている。これにたいする使用材料は強度、剛性面から十分耐えられるよう配慮されていると同時にその寸法精度は、以前より数段高められ、今日ではすべての部品が1/100mm以上の精度が要求されているといって過言ではない。
 したがって、使用計測器についても後述するように真に1/100mmの精度を保障するためには最小目盛1/100mmの計測器を使用することには疑問があるといえる。これは計測器の読みと計測器の誤差からくるもので、補正乃至は一段階精度の高い計測器を使用するにこしたことはない。このことはまた最小目盛間隔の数値を個人の感覚から読みとり、これを同一寸法のものの比較値とすることは可能といえるかも知れぬが、寸法の絶対値とすることは意味のないことになる。
 また、丸軸(たとえばピストンピンなど)の外径測定にしばしば使用されるノギス、マイクロメータは、両者とも二平行面間の距離の読みであるため、測定値が何れの点でも等しいといってもそれが必ずしも真円ということを意味するものでないことを了解しておく必要がある。
 以下計測器および計測にあたっての注意事項について述べる。
 
 
1. 測定について
 
1.1 測定と検査
 測定と検査の両者には、本質的な違いはなく、ただ、その手段において異なるものである。測定とは、品物の形状、寸法をなんらかの方法によって測り、これを数値を用いて表わすことであり、検査とは、品物を測定した結果を判定基準と比較して、それぞれの品物の良、不良を決めることである。
 
1.2 測定誤差
 品物の寸法を測定するとき、品物の真の寸法と測定値との間には、多少の差が生ずる。また、同一条件でも、測定毎にそのつど結果に多少の食い違いが生ずる。これが測定誤差である。
 実際には、同じ測定をなん回もくり返すことは能率が悪いので、できれば確からしい値を早く得るようにすることが必要である。このためには誤差の原因を確かめて、できるだけ誤差を少なくするようにつとめなければならない。
 しかし、誤差によっては測定後に補正できるものと、本質的に除くことのできないものとがあり、これらの誤差を大別すると、個人誤差・計測誤差・外部条件による誤差・偶然誤差などに分けられる。
 
1)個人誤差
 目盛を読む際に、測定者のくせからおこる誤差で、人によって1目盛の間を目分量で読むとき大き目か、小さ目に読むくせがある。たとえば、目盛の中間付近を読むとき、0.4とか0.6とか一方にかたよった読み方をする場合がある。これは測定者の熟練の程度、測定に対する感覚によって起こるもので、よく注意すれば、ある程度は除くことができる。
 
2)計器誤差
 測定器の構造上からくる誤差であって、いかに精密製作された器具にも多少の誤差は避けられない。たとえば、目盛ピッチの不ぞろい、摩擦、測定圧などの変化や機械各部の調整がうまく行われていないために起こるものである。
 したがって、計測器具を使って測定するときはどのような誤差を伴うか、あらかじめよく調べ、また、各部の性能を知り、十分に調整しておかねばならない。
 
 一般に、計器誤差は検定によって補正することができる。この補正には、その測定器よりもさらに精度の高い測定器を使用する。すなわち、±0.01mmの精度の測定器を補正するには、1桁こまかい±0.001mmの精度をもつ測定器で行う。一般に、新しいダイヤルゲージやマイクロメータには補正表が必ずついているので、これを参考にすればよい。
 
3)外部条件による誤差
 室温や採光の変化が影響するために起こるものである。したがって、室温や照明方法を十分に考え、これらの条件を常に一定にして、測定値に対する影響をさけるようにしなければならない。
 
4)偶然誤差
 偶然誤差は各種の細かい条件がいくつか重なり合って起こるため、原因が判らぬことが多い。たとえば、外囲状況の微変動や測定者の心理的影響も多く含まれている。非常に注意して行えば、ある程度は誤差を少なくすることができる。この誤差は簡単に補正することが難しいので、同じ測定を何回もくり返して求めた測定値を算術平均すればかなり少なくすることもできる。
 
1.3 測定器取扱い上の一般的注意
 
1)目的に合った測定器を選ぶこと
 測定器には、それぞれ測定方法・範囲・精度というものが決まっており、要求される測定方法・範囲・精度に適したものを使用しなくてはならない。
 
2)静かに取扱うこと
 測定器は精密な構造のものが多いので、投げたり、物の下積みにしたり、落したりしないよう取扱いには注意が肝要である。
 
3)常に清浄に保つこと
 ごみやほこりをよくぬぐい、さびないように保管する。さびが生ずると、体積が増したり、もろくかけやすくなる。このため、作動が悪くなったり、目盛が読み難くなったりして誤差を生じやすい。
 
4)動いているものを測らないこと
 動いているものを測ると、被測定物や測定器をいためるばかりでなく、非常に危険である。また、振動の大きい場所での測定は、測定器の寿命を縮めるので測定場所を変えることが望ましい。
 
5)視差が生じないよう配慮すること
 斜めの位置から読むと、大きな誤差を生じる。必ず目盛の真上から読むようにする。
 
6)使用前に必ず点検すること
 特にゼロ点が合っているかどうかを調べる。
 
7)温度誤差を生じないよう配慮すること
 金属は温度の影響で伸び縮みする。たとえば、1℃の温度変化に対して長さ1mmのステンレス鋼は8.0×10-6mm、鋼は10.5×10-6mm、銅は14×10-6mm、黄銅は18.5×10-6mm変化する。つまり、1mの黄銅棒は10℃上がると約0.2mm伸びることになる。測定器は標準温度で正しい値を示すように作られており、JISでは20℃に決められている。
 
8)測定器の摩耗に注意すること。
 測定面は、摩擦によって摩耗しやすい。特にマイクロメータのアンビル、スピンドルの測定面やスケールのゼロ端面などには、注意を要する。
 
9)定期的に精度の検査を行うこと
 
10)定められた場所に保管すること
 保管場所は温度変化の小さい、比較的低湿で振動のない場所がよい。







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