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2級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


7.2 構造と機能
1)クラッチ機構
 従来のコーン方式、電磁クラッチ方式、ドッグ方式に加え油圧多板クラッチ内蔵方式も開発され、搭載艇種、用途に応じて使用されている。いずれも船内よりリモートコントロールによる操作が可能となっている。
 また上部ギヤハウジング内蔵形、下部ギヤハウジング内蔵形、船内別置形の種類がある。
 
2)チルトトリム機構
 ドライブユニットの取付角度を変える事により船の航行姿勢を変えたり、微速での浅瀬航行を可能にする機構であり、角度変化に対応するため、入力軸にはユニバーサルジョイントが使用されている。
(a)チルトピン式
 チルトピン段数(取付位置)を変える事によりドライブユニットの取付角度を変える事が出来る。
(b)パワーチルト式
 電動または油圧にてドライブユニットを上下させる(チルトアップ・チルトダウン)方式であり微速であればチルトアップした状態で航行出来る。通常走行中にパワーチルトの作動をすると作動部に損傷を与えるので使用してはならない。
(c)パワートリム&チルト方式
 パワートリム機構は通常の航走中にドライブユニットのトリム角(取付角度)を変える事を可能にしたものであり、これによりプロペラスラストの方向を変え、船の姿勢を最適な角度に保ち積荷の状態、波の状況に応じ最高の航走性能を発揮させる事ができる。
(1)適切な航行姿勢
 プレーニング後における艇体の走行姿勢はやや船首を上げていることが必要である。
 
3・85図 適切な航行姿勢
 
(2)船首の沈みすぎ
 船首が沈みすぎているとエンジンに大きな負担がかかり、速度が遅くなり燃費も悪くなるのでドライブを上げる事が必要である。
 
3・86図 船首の沈みすぎ
 
(3)船首の上がりすぎ
ブローチングなどを発生し操縦性が悪くなります。ドライブを下げてバウを沈める事が必要である。
 
3・87図 船首の上がりすぎ
 
 
3・88図 パワートリムの構成部品例
(拡大画面:69KB)
 
3)衝突時破損防止機構
 航走中にドライブユニットが水中障害物に衝突するとチルトロックプレートの開放又はリリーフバルブによる油圧の開放によりドライブが上がり、衝撃が緩和される。水中障害物を乗り越えると、ドライブユニットはプロペラの前進スラスト反力によって元の位置に戻る。
 
4)後進時はね上り防止機構
 シフトを後進に入れるとシフト機構と連動してチルトロックプレートがチルトピンに噛合う(チルトピン式)か油圧バルブが閉じ(パワー式)、プロペラの後進スラスト反力によるドライブユニットのはね上りを防止している。
 
5)2重反転プロペラ機構
 魚雷に採用されていた反転2枚プロペラ式をスターンドライブに応用したもので、前側に左回転ペラ、後側に右回転ペラを取付けこれらを反転させる方式でプロペラ伝達効率の向上を狙っている。ピニオンの前後に2枚のギアが配置されプロペラシャフトは2重構造となっている。
 同一エンジンと組合せた1枚ペラと2枚ペラドライブを比較すると、最高速度と加速性は2枚ペラの方が優り結果として航走燃費も良い。
 さらに前後のプロペラが逆転するため、プロペラ反力が相殺され船の傾きは生じないので自然偏向もなくなり直進性を保つことが出来る。
 
3・89図 2重反転プロペラ機構
 
6)エンジン冷却機構
 船体側のキングストンバルブより、冷却水を取り入れる方式もあるが、ここではドライブユニットより吸水する方式について述べる。
(a)エンジンを冷却する海水の取入口をロアギヤケースに持ち、エンジン側の海水ポンプで吸水する方式。
 
3・90図 冷却系統例
(拡大画面:62KB)
 
(b)ドライブユニット内部にドライブシャフトで駆動される海水ポンプを持ちロアギヤケースの海水取入口より吸水しエンジン側に送る方式。
 
3・91図 海水ポンプ・ドライブ内蔵形冷却方式例
(拡大画面:31KB)
 
7)排気機構
 アウトドライブ方式を採用しているエンジンの排気方式としては次の3つの方式が
ある。
(a)空中排気(冷却水と排気を別々に排出する)
(b)空中排気(排気管のミキシングエルボで冷却水と排気を混合し排出する)
(c)水中排気(混合した排気と冷却水をアウトドライブユニットを通じて排出する。その排気系統を3・92図にしめす。)
 また水中排気についてもドライブユニットのケーシング内を通り、キャビテーションプレート部より排出される方式とプロペラのボス部を通って排出される2方式に分かれる。その方式を3・93図に示す。
 
3・92図 水中排気系統
(拡大画面:30KB)
 
 
3・93図 水中排気方式







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