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ハンシンDX型・可変ピッチプロペラ−2
 
3. 可変ピッチプロペラ操船上の注意
1)プロペラは前後進に関係なく一方向に回転しています。
 従って、後進時の船尾の振りはFPPと反対になります。
 ただし、機関を左回転にしておけば、FPPと同じにすることが出来ます。
2)船速が速い時期にプロペラピッチを0°にしますと、舵にあたる水流をプロペラが切ってしまうので、舵の利きが悪くなります。
3)荒天時はピッチを小さくして回転速度を上げ、舶用負荷ラインから離れた低トルク状態で運航すると、レーシングによる負荷変動の軽減と主機関のトルクリッチ運転を避けることができます。
4)離着岸時の操船は主機関の回転速度を高くして、ピッチを小さくとるよりも、主機関の回転速度を低くして、ピッチを大きくとる方が、操船は容易です。
5)プロペラピッチ0°は船体停止位置ではありません。潮流等の影響により一概にいえませんが、船体停止は概ね後進0.5°〜1.5°近くにあります。
 
4. 近代化船へのCPPの対応
 近代化船では、操船性の向上即ち出入港時のワンマンコントロールが求められます。
 ハンシンでは、これに対応するため、ジョイスティックコントロール「KICS」を製作・販売しています。
 KICSはCPP(1軸船で可能)、バウスラスタ、及び大舵角舵の組み合わせで船体停止・前後進・左右横進、その場旋回を行うもので、その性能は実証済です。しかも、これまでのジョイスティックコントロールは2軸船か2ラダー船、また、バウ及びスタンスラスタを装備しているもの多くを占めていますが、当社のKICSは1機1軸(CPP)、バウスラスタと大舵角舵で構成されています。







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