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(7)問題点について
 高齢者による家族経営が多いせいか、体力面、資金面において問題を抱えているところが多い。
 
図表3−46 経営上の問題点
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(8)施設設備について
 民宿が多いため、トイレや浴室付きの部屋はほとんどなく、設備や施設はシンプルである。家族経営で維持できる程度の規模で、部屋数や収容人数も少ないが、多くの施設で、団体客に対応する意志はあるようだ。
 
(9)意見等自由記述
・広報、宣伝などについて、行政への要望がいくつかみられる。自然と椎葉らしい生活を活かし、村民の心を大事にすることの重要性を指摘している人もいる。
・まだ、行政より椎葉の宣伝が欲しい。
・椎葉は昔に比べれば文明開化している。今の日本の状況をみると、どこで幸せ、満足度を感じるかは?である。人間の本質をみるとき海か山であると思うので、半端でない椎葉を生かすのはそういう心のやり所のない人々を、どうすればきてもらうかを考えるべきである。山の中に人を呼ぶには本来の椎葉人の心を取り戻すことにあると思う。その場しのぎでは、いつかは見放されてしまう様な気がする。焼畑も行政では賛否両論あるかもしれないが、この事で人が来る事はその人たちの為にも大切にしていく必要がある。このようなアンケートは素晴らしい事ですが、本来なら、足を運んでもらいたい。そうしないと本当の思いは分からない。仕事抜きで私事をすることが、いつか夏の椎葉が返ってくるかもしれません。私も生きる以上必死にやりますが、皆様方の双肩に期待しています(とにかく一人でも椎葉に足を踏み入れる様に努力したいですね。)
・椎葉祭りがありますが、今年もまた私のところだけ、宿泊客を貰えない。福岡の人が役場に電話をしたところ、「清流」はやめたといったとのこと。大変腹がたっています。
・多くの観光先進地をみるに、やはり自然などをうまく利用したパークがあり、それは長時間滞留でき癒しの場となる。観光の発展を考えればこのような癒しの場地域は絶対必要だと思う。
・民家のような家で営業しているようなもので、このようなアンケートに答えられませんことをお許しください。
・椎葉の郷土料理を教えてください。
・各所に看板がほしい。国道にトイレがほしい。地元の食材が身近にほしい。村と組合でタイアップして、県内外にもっとアピールしたい!
  
 
3 アンケート調査(来村者、宿泊施設)のまとめ
(1)提供サービスと潜在的ニーズのギャップ
 来村者の活動実態は従来型の“みる”観光が主体となっているが、活動要望としては自然の中での登山や釣りに加え、キノコ狩りや散策などの“する”観光があげられており、リピート客も多いことから、潜在的なニーズのある活動への展開が求められる。
 
(2)少ない滞留時間や観光消費額
 現状では、村内における立ち寄り施設が中心部に限定され、滞在時間も少なく、したがって消費額も少ないため、活動メニューや立ち寄り場所、施設の拡充が必要となっている。
 
(3)不足している観光基盤施設
 村内の道路整備や、案内地図、道路標識の整備に対する要望が多く、村内を安心して移動できる条件整備が必要となっている。
 
(4)宣伝など情報提供の工夫不足
 来村者は九州(9割、内半分が県内と福岡県)の高齢者の小グループが口コミによって来るような特性があり、家族連れや若年層は少ない。
 一方、宿泊施設ではインターネットでの情報提供はなされておるが、予約については電話など従来型のメディアによっているなど、情報提供については工夫が求められる。
 
(5)特色ある宿泊施設とサービスの提供
 施設規模や収容人数の少ない中で、工夫をしている宿泊施設もあるが、経営の継続が厳しい施設もあり、そうした施設の支援も必要となっている。また、今後、家族連れなど来村者の層を拡げていくためには、その特性に沿ったサービス内容の拡充が必要となる。







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