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生活交通の新たな構築に関する研究

 事業名 生活交通の新たな構築に関する研究
 団体名 地方自治研究機構 注目度注目度5


5. バス交通の課題のまとめ
(1)社会背景などからの課題
 
(1)バス離れの進行
 以前は、近距離移動の手段は専らバスに依存していた。しかし、自家用車等の増加に伴い、都市部では道路混雑の激化など交通環境が悪化し、バスの定時性の確保が難しくなってきた。また、地方においては都市部より自家用車の利便性が高く、また人口の減少が進んだこともあり、今日では全国的にバス離れが進んでいる。バスの輸送人員は昭和42(1962)年頃を境に年々減少の一途を辿っている。ピーク時の輸送人員は100億人を超えていたが、平成11(1999)年には50億人を切る程度と、半分以下にまで落ち込んできている状況である。一旦離れた利用者を再び呼び戻すことはたいそう難しいと考えられる。
 
(2)需給調整規制の撤廃
 従来、乗合バスなど公共交通の分野においては、需給バランスの観点から新規事業者の参入を制限する需給調整規制が行われてきた。ところがこの規制は、利用者ニーズに対応した多様なサービス提供や事業運営努力を阻害するとの理由で、安全確保、利用者保護などに関する必要最小限のものを除いて撤廃されることとなった。
 乗合バス事業については、平成13(2001)年度の需給調整規制の廃止(届制への移行)に伴い、参入・退出が原則自由になったが、乗合バス事業は都市部でも利用状況が思わしくなく、民間事業者にとって魅力ある市場ではないのが実情である。制度改革の下で、自由退出の企業行動を採用する事態になれば、旅客需要が少ない不採算路線の休止やサービス低下すら予想される。
 
(3)環境負荷の軽減・エネルギー問題
 バス交通に関わる全般的な課題として、社会や時代背景から求められる、環境、エネルギーに関する課題があげられる。
 大量生産、消費の時代は終焉を迎え、新たな価値観、制度、仕組みなどが求められる21世紀に入り、特に、環境、エネルギー、自然との共生などの観点が重要になっている。特にバス交通の間題の前提として、自動車交通の適正利用、または抑制、マストランジット(鉄道、バスなどの公共交通)の利用促進、化石燃料の使用の削減による環境の維持・保全、エネルギー消費の軽減などへの取り組みが重要である。
 またこの課題は、公共側ばかりでなく住民側にも大きく求められる課題である。
 
(2)まちづくりに関わる課題
 上位計画、総合計画、都市マスタープラン、各分野の計画などでインフラ、施設、コミュニティの形成などについての方向性が示されているが、それらの中でバス交通の利用促進がなされるよう方向性を具体化し、施策として展開されるよう図っていくことが課題であり重要である。
 
(3)バス交通の問題・課題カルテからの課題
 バス交通の問題・課題カルテからは、即地的な課題を以下のごとくまとめた。
 
(1)路線バスのネット
 路線バスのネットは、基本的にはバス利用人口の多い居住地を狙いとし、道路事情をベースに路線が設定されている。各地区から都心、または中心市街地へのアクセスができるようなネット、福岡市、周辺都市へのアクセスを図るため、鉄道駅へ結節するネット、市域内の流動、市域外への流動に対し、利便性の高いバスネットになるよう駅間のバスネットも設定されている。また、これらのネットは、より多くのバス利用者を確保し、バス事業の採算性を維持する観点から設定されているものであるといえる。
 よって、基本的にはバスネットの体系としては大きな問題はないが、バスが走れる道路条件や採算ベースが前提にあるため、カルテで把握したようなバス不便地区がみられるのが現状である。
 
(2)福祉バスのネット
 ネットの設定は路線バスと同様、福祉バス利用者(つまり人口)の多い居住地をより広い範囲をカバスーする狙いで、毎日、週1回コースのネットおよび運行回数が設定されている。
 制約されたバス車両と利用需要量をベースにネット、運行回数が設定されているため、路線バスと同様、カルテで示されるような不便地区が見られ、特に、路線バスにあっても不便地区で課題となっている、郊外部の地区での福祉的交通の利便性の向上が大きな課題となっていると考えられる。
 
(3)路線、福祉バスの不便地区の解消
・バス停より半径300m以上離れる路線、福祉バス利用の不便な居住地の解消
全地区
・郊外部の市街化調整区域、農地、山間部の集落および市街化区域のフリンジ部の居住地のバス利用不便地区の解消に際し、高齢者、一人暮らし世帯に対するシビルミニマムとしての生活交通の確保。
郊外部の西南地区、北東地区、東地区
 
(4)路線、福祉バスの利便性の向上
・路線バスにあっては、運行回数の増設による利便性の向上、
郊外部の西南地区、北東地区、東地区
・福祉バスの場合は、系統数、運行本数の増設、バス停へのアクセス性などの向上による利便性の向上。
全地区
 
(5)公共公益施設へのアクセス向上
・公共公益施設とバス停(路線バス)との距離が300m以上離れ利用が不便になっていると考えられる公共公益施設へのアクセス性の向上。
 
郊外部西南地区:高校、大学などの文教施設、出張所(コミュニティーセンター)
北東地区:高校、大学などの文教施設、出張所(コミュニティーセンター)
東地区:特老、老健、デイサービス、病院などの福祉・医療施設
南地区:特老、老健、デイサービスなどの福祉施設
中心市街地およびその周辺地区:高校、大学などの文教施設、総合保健福祉施設







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更新日: 2020年7月4日

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