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平成14年度
「認定事業場の品質管理向上のための調査指導及び講習・研修」
事業報告書
(社)日本船舶品質管理協会
事業目標の達成状況
(1)認定事業場等の調査指導
a 製造認定事業場の継続調査指導
 舶用機器等の製造認定事業場33事業場の継続指導を計画し、全事業場の指導を実施した。そのうち、19事業場については、製造に必要な施設や関係書類の継続指導に加え、当該事業場が認定を受けてから5年目に該当したため、更新申請のための指導、助言並びに関係書類の確認を行なった。これらのことから、認定事業場制度に基づく当該事業者の品質管理体制の維持、向上を図ることができた。
b 整備認定事業場等の巡回調査指導
 膨脹式救命いかだ整備事業場21事業場、GMDSS救命設備整備事業場18事業場の巡回指導を計画し、予定どおり実施した。この中で、整備に必要な施設、関係書類等について厳正な維持、管理に努めるよう指導した。併せて、GMDSS救命設備の整備に必要なシールドルームの電波漏洩状況を測定調査し、不具合個所については是正させ、電波の遮蔽状況が規定値内にあることを確認した。
c 内燃機関整備事業場調査指導
 整備認定事業場取得を要望している内燃機関整備事業者のうち、その事業規模と必要度を勘案して、3事業場の指導を計画し、このうち2事業場に対し実態調査を実施すると共に、整備認定事業場として必要な設備、技術・技量レベルの確保及び品質システム管理体制の構築等について指導した。現状においては、今後も引き続き指導する必要がある。
 なお、1事業場については、調査受入態勢の遅れにより実施できなかった。
d 防火用材製造事業場調査指導
 新たに製造認定物件となった防火用材について、認定事業場へ移行する可能性のある5事業場の調査指導を計画し、3事業場の調査指導を行なった。この中で、製造に必要な施設及び関係書類の管理の現状等を調査し、必要な指導を行った。現状においては、小規模事業者が多いため、今後とも調査指導を行なう必要がある。
 
(2)認定事業場等に対する品質管理講習・研修
a 舶用機器製造工事管理者講習
 当初の目標45名に対し受講者数は34名であった。そのうち、33名が受講後の試験に合格し、合格率97%を達成した。この結果、合格者には「製造工事管理者」の資格が協会から付与され、当該事業場の管理者(侯補者)として品質管理の実務に従事することになった。
b 舶用機器製造工事管理者研修
 対象となる舶用機器製造工事管理者に対し、参加を要請し、当初の目標60名に対し受講者数は44名であった。研修は2回に分け実施し、製造工事管理者に相応しい知識の維持、向上が図られた。
c 舶用機器修繕関係品質管理研修
 舶用機器修繕工事管理者に対し、アンケートによる研修希望の打診や関係委員の協力を得て積極的に参加を募ったが、参加者は当初目標とした50名に対し26名であった。その原因は、対象者の老齢化や市況低迷による離退職によるものと考えられるが、かかる状況下であっても参加者全員が管理者更新試験に合格し、品質管理技術の維持・向上を図ることができた。
d 整備関係
(a)膨脹式救命いかだ整備技術研修会
 当初目標の3地区106名に対し、4地区(小樽、尾道、下関、東京)受講者数は98名となった。
 今年度から、教材としてRFD社の96SOLAS適合膨脹式救命いかだ2型式を追加し、83SOLAS適合いかだ2型式及び96SOLAS適合いかだ6型式の計8型式を使用し、研修期間も1日延長し2日間とした。この中で、RFD社のいかだ整備も近々実施されることを考慮し、点検整備要領のビデオを参加者に視聴させるとともに実技指導も行なった。新旧型式の教材を使用したことにより、整備技量の維持、向上はもとより、我が国における膨脹式救命いかだの整備体制を維持、強化を図ることができた。
(b)降下式乗込装置整備技術研修会
 全事業場の28名の技術者を対象に、メーカー2社3型式(74SOLAS、83SOLAS及び96SOLAS適合)の乗込装置のうち、96SOLAS適合品を教材にして、2日間にわたり点検、整備に関する技術指導を行った。当会の主催として、本研修会ははじめてのものであったが、質疑・応答も活発に行われる等整備技量の維持、向上に大きく貢献することができた。
(c)無線工学の基礎講習会
 全事業場を対象に参加を呼びかけ、当初の目標の50名に対し、講習会受講者29名、基礎試験のみの受験者を含めた受験者は31名であった。この内、29名が基礎試験に合格し、GMDSS講習会に参加する資格を得た。
(d)GMDSS救命設備整備技術講習会
 無線工学の基礎試験合格者29名を対象に講習会(試験を含め5日間)を計画し、28名が参加した。この内、EPIRBに28名、SARTに27名及び双方向無線電話に28名が合格し、整備技術者の資格を取得した。なお、今回の資格取得者には、新規にS/Sの開設を希望する事業場の受験者も含まれている。
(e)GMDSS救命設備整備技術研修会
当初の目標2地区80名に対し、受講者数は2地区91名であった。研修参加者に対しては、整備にあたっての留意点、電波の誤発射防止に係る船舶乗組員に対する啓発事項並びに関連法規を周知するとともに、実機による指導を実施して整備技量の維持、向上を図ることができた。
 
事業成果物
 講習会等の実施手段として次の図書を作成した。
舶用機器製造工事管理者研修テキスト(A4版 50ぺージ) 120部
グループ討論のまとめ(A4版 32ページ) 100部
 
品質管理指導書
第一分冊 品質管理編(A4版 124ページ) 75部
第二分冊 法令編(A4版 189ぺ一ジ) 75部
 
舶用機器修繕工事管理者指導書
第1章 修繕事業場における品質管理(A4版 73ぺージ) 90部
第2章 修繕事業場における環境管理(A4版 82ページ) 90部
第3章 修繕に関する安全法規(A3〜4版 90ぺージ) 90部
テキスト収録用ファイル(A4版) 70部
 
GMDSS救命設備整備技術指導書 第1部(A4版 212ぺージ) 90部
同 第2部(A4版 322ページ) 90部
無線工学の基礎テキスト(A4版 207ぺージ) 90部
 
各講習会、研修会記録写真







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