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学ぶ機会
ハンセン病の回復者である私たちが
他の人たちよりも頭が悪いとか無知だとは思わないでください。
私たちは病気のために教育を受ける機会や
能力を引き伸ばす機会を奪われてしまったのです
史迎春(中国)
 
中国雲南省平〓村
 
お父さんもお母さんも障害があって働けないので、お姉ちゃんも僕も将来のことをとっても心配していました。でも奨学金のおかげで、お姉ちゃんは看護コースを終えることができました。看護婦の仕事を探しています。僕は大きくなったらエンジニアになりたいな。
J ジョン スンダー(インド)
 
 ハンセン病の患者や回復者、そしてその家族の中には、病気や後遺障害、それに伴う偏見のために教育の機会を奪われた人が多くいます。教育を受けていないために、一般社会での就職が困難となり、生産的な活動を送ることができないために貧困に陥り、そのための教育を受けられない悪循環が世界の各地で見られています。
 偏見や貧しさのために教育を受けることができなかった子供達が、教育を通して社会で経済活動に従事する可能性を手に入れ、貧困と疎外の悪循環を断ち切るための支援が行なわれています。
 
小学校に通うための奨学金を受けている。
広東省廉江の黎 観友12歳 父母と共に(中国)
 
ネパール西部ランジュアンに住む
ショヴァ タパ9歳。 父がハンセン病を患った。
小さな家に両親と弟2人と住んでいる。
将来の夢は看護婦(ネパール)
 
インド南部チェンナイから約30キロの定着村の児童たち。
村内で教育を受ける
 
 
奨学金を受けた学童は卒業した後は、学校
病院、自然保護団体、民間企業などで活躍しています
 
 
ミャンマー中部マヨンヂャン定着村内の小学校
現在は村内約6割の子供しか通学できていない
 
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奨学生 呉 星星からの感謝状(中国)
「支援してくださっている皆さん、本当にありがとう。皆さんのおかげで、なんとか学校に戻ることができました。まだ各科目の成績はわかっていませんが、総合点は悪くなかったと先生が教えてくれました。いろんな字が書けるようになったと思いませんか?頑張って勉強しています。父が亡くなって、家計はますます苦しくなりました。どうか支援を続けてください。一生懸命に勉強します」
 
一年間学校に通うには?
 
 
 
中国
小学校 4,200円
中学校 7,000円
 
インド
小学校 3,500円
中学校 9,000円
 
ネパール
小学校 400円
中学校 600円
 
ミャンマー
小学校 500円
中学校 500円
 
パルワティ オリ(ネパール)

 9歳の時にハンセン病と診断されました。最初に行った病院では、ちゃんとした治療を受けられず、何年かしてハンセン病特別センターに連れて行かれたときにはすでに障害がひどくなっていました。障害を見て、村の人たちは私の病気が何かわかってしまったようです。それからというもの、友達は誰も私に近寄ろうとせず、村の人たちも私にはまともに接してくれなくなりました。どこにいても、いつも一人ぼっちでした。
 母もハンセン病にかかっていましたが、父は母の病気を嫌い、家を出て他の女の人と結婚してしまいました。母が父を探しに家を出て行ってしまってからは、本当に一人ぼっちで、話す人もいませんでした。家畜の面倒や薪集め、水汲みなどの仕事をさせられているうちに、足の障害は酷くなっていきました。でも勉強だけは諦めなかったので、卒業することができました。看護訓練を受けた後、看護師として働くことになりました。足が悪いので働くのはとても大変ですが、自分と同じ病気に苦しむ人のために働き、自分で稼いだお金で自立した生活することができるというのは、何物にも代えがたい喜びです。







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