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第10回 地域伝統芸能全国フェスティバル 富山
資料編
地域伝統芸能大賞について
『地域伝統芸能大賞』は多年にわたり、地域伝統芸能等の活用を通じ観光の振興又は地域の商工業に顕著な貢献をしたと認められる個人又は団体を表彰することにより、国民の地域伝統芸能の活用に対する認識を高めることを目的に、財団法人 地域伝統芸能活用センター(会長 瀬島龍三)が、平成5年に設けたものです。
 
平成14年度 地域伝統芸能大賞受賞者
 
第1類(地域伝統芸能の実演に係わる団体又は個人)
壬生(みぶ)の花田植(はなだうえ)保存会
 広島県千代田町は町の東南部で中国、浜田の両高速自動車道が合流する交通の要所であり、中世から高峰城とともに山県郡の中心として栄えてきた。
 この地方には田の神を祭って稲作の無事と豊穣を願う農耕儀礼である、囃し田という行事が古くからあった。その後これに参加する牛には豪華な花鞍を付け、早乙女は衣裳を着飾ったので、「花田植」とも呼ばれて江戸時代には盛んに行われていた。明治中期に一端途絶えたこの祭りは昭和初期に復活、毎年6月第一日曜日に壬生に伝わる神楽と本地の花笠踊りとともに開催される。
 壬生の花田植保存会は、祭り全体を取り纏め運営する商工会と、花田植を公開し、保存、伝承を担う壬生・川東の両田植団、約100人で構成されている。祭りには県内はもちろん、関西、九州方面から観客が訪れる他、年5〜6回は全国各地での公演、海外公演も行なう。
 また、後継者の育成を始め、継承されていない田植唄の復元等、地道な努力を統けている。
 
住所:広島県千代田町/代表者:岡野 勲雄
 
〔壬生の花田植:国重要無形民俗文化財〕
 
第2類(地域伝統芸能を活用した行事の実施主体)
唐津曳山(からつひきやま)取締会
 佐賀県唐津市では毎年11月2日〜4日の3日間、唐津神社の秋季例大祭に「唐津くんち」が開催される。この祭りは文政2年、町の木彫家が伊勢参りの帰途、京都で見た祇園山笠をヒントにして仲間と「赤獅子」を作り、奉納したのが曳山行事の始まりとされている。
 3日は祭りのハイライト、「御旅所神幸」で、当日は現存する14台の曳山(県重要有形文化財)が神興の前後に従い、御旅所となる西の浜明神台まで練り歩く。曳山は、極彩色の美しい獅子や、鯛、龍など。これを台車にのせて数百人の曳子が威勢よく曳き回す。御旅所に着いたところで、グランドに曳き込むため勇壮に曳き回す曳込みと、休息後の曳出しが圧巻だ。
 唐津曳山取締会では、この曳山を始め、曳山囃子、神輿、獅子舞、料理など唐津くんちの行事全体のアレンジメントと運営を長年に渡り実施、昭和26年以降は国内外へ21回の遠征を行い、唐津くんちの名を知らしめた。
 毎年この祭り時には50万人もの観光客が唐津を訪れる。
 
住所:佐賀県唐津市/代表者:宮田 一男
 
〔曳山行事:国重要無形民俗文化財〕
 
第3類(衣装、用具等の製作、人材等の確保に係わる団体又は個人)
大畑(おおばたけ)からかさ万灯(まんどう)保存会
 茨城県南部、筑波山の南麓に位置する新治村大畑は、江戸の昔より田畑の水源を降雨のみに頼っていた。鷲神社は五穀豊穣・天下泰平・村内安全の守護神として厚い信仰を受けていたが、約250年前に、各地に風俗習慣として残されていた雨乞いのための「煙火」として、「からかさ」を使用した仕掛け花火を始め、以来打ち上げ花火や雨乞い囃子と合わせて奉納されてきた。
 祭りの主役「からかさ」は綱火、八つ口、提灯、手ボタンに分かれ、傘の大きさは直径5m、高さ6mの大きいものである。
 大畑からかさ万灯保存会では、毎年8月15日の鷲神社祭礼に向けて、この「からかさ」を会員みずから制作しているが、竹、紙、火薬を使用する複雑な作業には相当の熟練が必要とされる。江戸時代から引き継がれて来た技を、実演を伴いながら伝承している功績は大きい。
 
住所:茨城県新治村/代表者:中川 章
 
〔からかさ万灯:国選択無形民俗文化財〕
 
第4類(その他特に顕著な貢献のあったもの)
島田大祭(しまだたいさい)保存振興会
 静岡県のほぼ中央、島田市は大井川と茶所として全国的に有名で、昨年は東海道の宿場の1つとして開駅四百年を迎えた。島田大祭の創始は開駅百年後の元禄8年、大井神社の祭事と言われているが、そもそも他所から嫁いだ花嫁が、晴れ着を町衆に披露するとともに、安産祈願に神社へ「帯」を奉納したことに由来し、別名を「帯まつり」と呼んでいる。
 祭りの中心は大名行列で、帯を両脇の木太刀に下げた「大奴」25人衆が主役となる。これに大鳥毛、殿様、鹿島踊り、御神輿徒御、長唄屋台踊りなどの行列が続き、さながら「元禄大絵巻」を思い起させる。
 島田大祭は、3年毎に10月中旬の3日間開催され、昨年で103回を数えた。島田大祭保存振興会は、伝統あるこの祭事を長年にわたり運営するとともに、国内外に多数の出演実績を持ち、同市の観光・商工業の振興はもとより、文化振興にも寄与してきた。盛大な島田大祭には毎年60万人前後の観光客が訪れる。
 
住所:静岡県島田市/代表者:酒井 中利
 
〔島田の帯祭:県無形民俗文化財〕
地域伝統芸能奨励賞について
 『地域伝統芸能奨励賞』は、その地域に伝わる伝統芸能を受け継ぐために、日頃、研鑽と努力を重ねている将来有望な新人等を発掘し、激励するための表彰制度として、平成14年度から新たに設けました。
平成14年度 地域伝統芸能奨励賞受賞者
木村香澄(きむらかずみ)氏(江差追分の歌唱、普及等)
 北海道江差町出身の木村香澄(28歳)は、日本民謡の代表のひとつで、最も習得が難しいと言われている江差追分を9歳の時から唄い、1984年の北海道民謡連盟大会幼年の部で優勝したのを始めに、85、86年には江差追分全国大会子供の部で2年連続で最優秀賞を獲得。さらに、平成3年には、若干17歳で江差追分全国大会に優勝するなど、天性の歌唱力を発揮した。 その後、郷土の江差町に留まって、その文化事業へ参加。アメリカ、オーストラリア、モンゴルなどへの海外公演や内外の芸術家との共演など、幅広い活動を続け、江差追分の普及に努めている。
 地元を活動の拠点とする木村は、休日には江差追分会館へ出演するなどして、観光客へのアッピールを欠かさない。また、地元FM局で番組を持ち、追分や民謡を紹介しているほか、自らバンドも結成、江差追分や地元民謡をアレンジし、若者に民謡をもっと身近なものにしてもらおうと活動中。今後ますますの活躍が期待される。
 
住所:北海道江差町
 







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