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2. 小型装置の設計・製作
 処理能力100トン/時間レベルの小型装置の設計・製作は、平成13年度調査研究事業である「船舶運航に伴うバラスト水による海洋生態系への影響低減に関する調査」の研究成果を用いて行った。
 写真II.2-1には小型装置の全景、図II.2-1には全体構造図と基本構造の模式、図II.2-2には各パーツと閉塞対策の構造模式を示した。
 小型装置は、内径100mmのパイプ内に固定スリット板、可動スリット板、固定衝突板及び可動衝突板を装着した単純な構造で、水生生物に損傷を与える剪断応力とキャビテーションの崩壊を効率良く取得可能な構造にしている。通常は、固定スリット板と可動スリット板、固定衝突板と可動衝突板は、密着して板厚6mmの1つのスリット板(スリット間隔0.5mm)と1つの衝突板(衝突板すき間1.5mm)を形成している。なお、このときのスリット板と衝突板の間の距離は5mmである。
 この基本構造に、大量な海水の通水によるスリット部及び衝突板部での目詰まり対策(閉塞対策)として、可動スリット板を流れの上流方向、可動衝突板は流れの下流方向に移動させ、それぞれの通水部の幅を広げて閉塞原因となっている粒子を押し流す方式を組み入れた。ハンドルやロッドは、可動スリット板と衝突板の移動用である。
 
写真II.2-1 小型装置の全景と本体
 
図II.2-1 小型装置の全体構造と基本構造模式
(拡大画面:82KB)
全体構造図
基本構造の模式
 
図II.2-2 各パーツと閉塞対策の構造模式
(拡大画面:100KB)
通常時のスリット板と衝突板の構造模式
 閉塞(解消)対策時のスリット板と衝突板の構造模式







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