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第3節 第3回委員会議事概要
1 開催日時及び場所
日時 平成15年1月9日1400〜1600
場所 日本財団ビル二階第3・4会議室
 
2 議題
(1)第二回委員会議事概要(案)の承認
(2)MSC76・SOLAS条約改正締約国会議出席報告
イ 概要
ロ PRESTIGE号事故の反響
ハ 海上セキュリティ(LIMBURG爆破事件に焦点を当てて)
(3)COMSAR7の対処方針(案)の検討
(4)第二回調査結果報告
「EUの海上安全・海洋環境保護政策について」
(5)第三回調査結果報告
「表面効果翼艇(WIG)に関する調査」
(6)その他
 
3 出席者(敬称略、括弧書きは代理)
(1)委員
今津 隼馬(委員長)、佐藤 修臣、柳川 三郎、松本 宏之、
湯本 宏(芋生 秀作)、岡田 卓三、宮永 正二郎、小坂 智規
(2)関係官庁等
山根 隆行(斎藤 知千)、葛西 、川西 篤史、
黒田 晃敏(福谷 幸資)、東原 健(辰巳 伸五)、森 吉高(下野 浩司)、
佐々木 稔(淵之上 清二)、小山 亮一(三宅 真二)、
山根 祥生(松野 浩一郎)、溝部 隆一
(3)事務局
津田 眞吾、松永 敬典、若林 邦芳、笠間 貴弘、山地ロンドン所長
 
4 配付資料
  IR(02)3−1 第二回委員会議事概要(案)
  IR(02)3−2 MSC76の審議概要(救難・航行安全分)
  IR(02)3−3 SOLAS条約改正締約国会議審議概要
  IR(02)3−4 PRESTIGE号事故の反響
  IR(02)3−5 海上セキュリティ(LIMBURG爆破事件に焦点を当てて)
  IR(02)3−6 COMSAR7の対処方針(案)
  IR(02)3−7 平成14年度第二回調査研究結果報告 
「EUの海上安全・海洋環境保護政策について」
  IR(02)3−8 平成14年度第三回調査研究結果報告 
「表面効果翼艇(WIG)に関する調査」
5 議事概要(◎委員長、○委員、△関係官庁等、□事務局)
(1)第二回委員会議事概要(案)の承認
 事務局から、本(案)は第二回委員会終了後、各委員に照会し、指摘があった部分を修正したものである旨説明、特段の意見はなく承認された。
(2)MSC76・SOLAS条約改正締約国会議出席報告
 事務局から関係の資料に基づき、PRESTIGE号事故の反響及び海上セキュリティについてはLIMBURG爆破事件に焦点を当ててそれぞれ報告を行なった。
 その後、以下のとおり質疑応答があった。
 IMOでの審議において、アラブ諸国と西側諸国との対立が伺えたということか。
 イエメンとしては、L号事件のIMOでの取り上げ方に不公平感があると主張しており、右はアラブ対西側といった構図ではない。出席者の中には、IMO事務局自体が非常に政治的な意思で動いているとの指摘もある。つまり、L号事件についてイエメン関係者の関与が一部から指摘されていることもあり、またイエメンのIMOへの拠出額を考えればその貢献も評価としては低く、このような背景から、今回のようなIMO事務局の取り扱いになったことされる。IMO事務局長についていえば、P号についてはスペインを賞賛しL号には一切コメントなしというのは事実で、会議内でもイエメンは孤立した感があった。
 P号事故で明らかになった問題点が4つあるが、これは将来、どのような形で解決されていくのか。
 今回、P号事故を取り巻くIMOでの議論を取りまとめ、将来的に問題となるであろう4点を掲げてみた。避難水域については、5月のMSC、6月のNAV49を経て今年11月の総会でガイドラインを取りまとめることとなる。シングルハルタンカーの取り扱いについては、EU側と船会社、INTERTANKOなど関連の機関との間で、今後様々な場において議論がされていくと考えられ、純粋に技術的な検討はIMOで行われる。補償制度の充実についても、今回その必要性が認識されたことから、今後、LEGにいても更に検討が、また、旗国監督スキームについても、現在LEGで検討中であり、その動きが加速されると考える。
(3)OMSAR7の対処方針(案)の検討
 関係官庁からIR(02)3−6に基づき対処方針(案)の説明があり、以下の質疑応答があった。
 避難水域のガイドライン案はどこが策定するのか。
 ガイドラインについては、2001年のカスター号事件を教訓として、IMOにおいて当初から本年11月の総会で採択すべく作業が進められており、仏がガイドライン案を作成し昨年NAV48においても検討された。本ガイドラインを検討している最中にP号事故が発生し、結局カスター号と同様にP号の受け入れがスムーズにいかずに被害を拡大したとの指摘がある。場外で仏担当と話した時、ガイドラインの根本的な見直しを必要とするため、予定されている11月総会での採択は個人的には難しいのではないかとの感触を持っていると述べたもの。
 欧州は、ロングレンジ・トラッキングのシステム構成からガリレオを外したくないとの意見があると聞くが如何。
 提出ペーパーにはガリレオについての記述があり、その点についても何らかの検討がなされると思う。
(4)第二回調査結果報告
 「EUの海上安全・海洋環境保護政策について」
 ロンドン事務所長から別添のプレゼンテーション資料を使って説明があった。
 その後、次のような質疑応答があった。
 EUが検査機関の評価を行うということだが、その対象は船級協会のようなものか、JGのような国家機関も対象とするのか。
 船級協会のような機関を対象とする。
 評価の結果、欠陥が認められた場合には、EUとして改善勧告のような形で改善を促すということを考えているのか。
 ご理解のとおり。場合によっては「取り消し」も含まれていたと思う。
 EUと加盟国との関係で、ある国が適当と認めている船級協会でも、EUとして取り消すことができるのか。その種取り決めがあるのか。
 EUから各国へは船舶検査機関に関する指令で通達されている事項であり、各国は国内法化を義務付けられている。
 EUとして条約を取り込む場合、EUのregulationとして取り込むのかそれともDirectionとして取り組むのか。
 どのような基準で右を行うか承知していない。
 ガリレオの作業計画は予定通り進んでいるのか。
 昨年の春の段階では予算の目処がついていないとのことであったが、予算はクリアーとなったとして2008年商業ベースの運用で計画は進んでいるものと承知。
(5)第三回調査結果報告「表面効果翼艇(WIG)に関する調査」
 ロンドン事務所長から別添のプレゼンテーション資料を使って説明があった。
 その後、次のような質疑応答があった。
 推進力はオートバイ程度で十分とのことだが、推進力はプロペラかジェットか。また浮力を得るために空気を海面に叩きつけるような構造か。
 最初の浮き上がりは、ホバークラフトのように、スカート部にエアーをためて船体を浮揚させ、グランドエフェクトが得られれば、プロペラを推進力として飛行する。一旦飛行を始めれば、浮かすための海面への噴出しは必要としない。(詳細をピデオで紹介)
 WIGは貨物や旅客用として使えるのか。
 現在のプロトタイプのもので20名乗り。計画では120名乗りも考えている由。米軍がボーイングと共同でWIGに相当する機体を「ペリカン」との名称で開発中。右は飛行機としての機能にWIGの機能を持たせたものとの扱い。
 不審船の追尾には効果的か。日本海などの荒海では飛行は難しいか。
 設計上は、WIGの主翼スパンの10パーセントまでの波であれば飛行は可能とのこと。
 ロシアでも開発し形だけ出来上がったもので300人乗りのものがある。WIGの開発には歴史があって、ヒットラーの時代に高速船を作った技術者が二手に分かれて、一つがソ連で研究を行い作り上げたのがこのWIGで、もう片方はイタリアのシチリア島に逃げて他の高速船を作ったというもの。それらの技術者は今でも現場第一線で活躍していると聞いている。
(6)その他
イ 海上衝突予防法の改正
 第22回IMO総会で一部改正された「1972年の海上における衝突の予防のための国際規則(COLREG規則)」の発効にあわせた関係法の改正作業について、海上保安庁警備救難部航行安全課から説明があった。
これに対し、次のとおり質疑応答があった。
 紅色の閃光灯について、他の法令との関係で問題はないか。
 現在WIG自体が運航されていないことから、将来的に、運航の用に供されることがわかった時点で、海上交通安全法の改正で手当てすることとしている。
 WIGに使われる紅色は現在の緊急用務船に使われているものと同じ物を使う予定か。
 ご理解のとおり。
 IMOにおいて、WIGに関し船舶の構造、設備規則上の改正の見通しはないということか。
 DEにおける審議は終了し、次はSTWについて取り組むと承知している。
 「高速船」、「特殊な」などの定義は、現実にWIGが出てきた時点で検討ということか。
 了解のとおり。
 旅客船で「高速船」いえば、例えば速力が23ノット以上を言うという例がある。STWでいえば、船員法第118条の3で高速船の乗組員の規定がある。現在これに該当する船は日本ではないとのこと。
ロ 次回委員会開催日時
 事務局から、第4回委員会を平成15年2月24日(月)1330から開催したい旨提案があり了承された。







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