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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


毎日新聞朝刊 2002年9月10日
進むか日朝 会談を首相に決断させた、田中均・外務省局長 
 
 ◇極秘折衝得意な「戦略家」
 小泉純一郎首相と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キムジョンイル)総書記が17日に会談するニュースは日本はもちろん、世界を驚かせた。日朝関係打開にはトップの政治判断が必要として北朝鮮側と折衝し、首相の歴史的決断を促した中心人物が外務省の田中均(ひとし)アジア大洋州局長(55)。「外務省一の切れ者」との評価がある一方、リスクを承知で物事を進める一面を危惧(きぐ)する声も少なくない異色の外務官僚だ。【三岡昭博】
 「キン(均)ちゃんは悪知恵が働く男と呼ばれていてね。そう、寝業師ですよ」――。
 ワシントン勤務をともにした外務省OBのセリフだ。仕事はできるがクセがある、というニュアンス。外務省の共通した田中評である。
 京大法学部卒。しゃれたシャツを着こなし優男の雰囲気だが、時折人を食ったような言動も。瀋陽日本総領事館内連行事件で外務省批判が高まる中、自民党外交部会で悠然とたばこをくゆらせ出席者を激怒させた。そりが合わない議員は多く、辞任要求論が強まった。
 だが、首相や福田康夫官房長官の信任は厚く、首相官邸は更迭要求に首を縦に振らなかった。年内には省内ナンバー2ポストである外務審議官(政治担当)に昇格が内定、次の事務次官も視野に入ってきた。
 米国通だが、朝鮮半島問題を担当する北東アジア課長時代の89年3月には、北朝鮮政策に関する竹下登首相(当時)の国会答弁を書いた。「朝鮮民主主義人民共和国と前提条件なしに話し合いたい」。日本の首相として初めて対話を呼び掛けたメッセージだ。これが90年の金丸訪朝団、91年の日朝国交正常化交渉開始につながった。
 首相官邸と連携した極秘折衝は田中氏の得意ワザ。96年に北米局審議官として普天間飛行場返還合意を実現させた際も、当時の橋本龍太郎首相の意向を受け、ごく一部の外務官僚にしか知らせず米側と折衝した。
 8月末、田中氏は連日のように首相官邸に通った。狙いの一端を周辺にこう漏らした。
 「彼ら(北朝鮮)は日本の新聞を見てる。この人は首相の直接指示の下にやってるというのが一目瞭然(りょうぜん)となる」
 日朝トップ交渉は田中氏の手腕なしに実現しなかったとされる。だが、確実な成算あっての決断なのかを疑問視する人たちもいる。普天間返還合意は6年たった今、宙に浮いたままだ。
 「ヒットできるか、ファウルになるのか、それともデッドボールで傷つくか」。先のOBは、首脳会談への期待と不安を口にする。「リスクはあるが、賭けではない」。田中氏はそう自信を見せるのだが――。
□写真説明 田中均アジア大洋州局長
 
 
 
 
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