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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2003年5月1日
これを好機に動かせ 北朝鮮提案(社説)
 
 北京での米朝中3者協議で北朝鮮が「新しい寛大な解決方法」として示した提案の輪郭が、明らかになってきた。
 米国に求めてきた不可侵条約の締結を「不可侵の約束」へと軟化させ、その実現を出発点とした交渉のなかで、核開発計画の放棄や査察の受け入れ、弾道ミサイルの試射凍結、ミサイルとその関連技術の輸出停止に応じる可能性にも言及したようだ。
 全容はなおはっきりしないが、経済制裁の解除や米国との外交関係の樹立にまで触れた内容との見方が有力だ。
 もしそうであるなら、94年の米朝枠組み合意をめぐる交渉以来の包括的な提案となる。内容はともかく、北朝鮮がそういう行動に出たことの意味は小さくない。
 パウエル米国務長官が「相当な見返りを期待するものだ」と批判しつつ、検討するというのもそこに注目するからだろう。
 もっとも、金正日総書記がひょっとして、米朝枠組み合意に続く2匹目のドジョウを狙っているのだとしたら、事は思惑通り簡単に運ぶはずもない。
 核施設解体の代わりに軽水炉を供与するという枠組み合意ができた後も、高濃縮ウランによる核開発に手を染め、加えて、昨年末以来、核危機をあおってきた。
 しかも、今回、「核保有」や、使用済み核燃料の再処理にも触れた。これらの発言が脅しではなく本当のことだとすれば、韓国との非核化共同宣言や日朝の平壌宣言にも背く。国際社会の対北不信は深い。
 北朝鮮にも、言い分はあろう。米国は93年の米朝共同声明で武力不使用と主権尊重を約束し、3年前の米朝共同コミュニケでは実質的な「体制認知」をうたった。
 それが、ブッシュ政権になっていきなり「悪の枢軸」とされ、米朝間で積み上げた合意文書はほご同然になった。
 そうした不信の連鎖を解きほぐし、北朝鮮に核兵器やミサイル開発を外交的な手段でいかに断念させていくか。
 それには、3者協議を通じて北朝鮮が問題解決の明確な意思を表明し、まず核不拡散体制に復帰するなどの行動で、それを誠実に裏付けることだ。
 米国には原則は原則として、柔軟な外交手段を駆使するよう望みたい。
 韓国は30日未明にまで及んだ南北閣僚級会談で、核問題を平和的に解決することの重要性をあらためて文書で確認させた。
 今月、韓国の盧武鉉大統領、小泉首相が相次いでブッシュ大統領と会談する。
 朝鮮半島の緊張をこれ以上放置できないし、戦争は避けなければならないことでは、中国を含め、足並みはそろっている。
 北朝鮮の提案には、イラク戦争や中国の圧力があってのこととはいえ、いまのまま孤立を深めれば、それこそ体制の危機につながるという切迫感もうかがわれる。
 いまを好機と見て、北朝鮮の変化を促すために大胆に知恵を絞りたい。
 
 
 
 
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