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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2003年4月24日
一喜一憂せず粘り強く 米朝中協議(社説)
 
 北朝鮮の核開発をめぐる米国と北朝鮮、中国による3者協議が北京で始まった。
 開幕を前に、パウエル米国務長官は「第1段階の協議では、議題に何も上らないだろう」と、過大な期待を戒めた。今回は基本的な立場を述べ合うにとどまり、話し合いは次回以降になるということだろう。
 北朝鮮をまじえた多国間協議の実現は、朝鮮半島の恒久平和を議題とした南北朝鮮と米中による4者会談が4年前に挫折して以来である。新たな枠組みがとにかくも動き出したことを歓迎する。
 ただ、目に見える成果がすぐに生まれるとは考えにくい。むしろ、米国と北朝鮮双方の出方に不透明な要素が多く、協議はきわめて困難なものになるだろう。
 兆しは、すでに見えている。
 強硬派のラムズフェルド米国防長官は先週、北朝鮮との協議について「彼らを満足させるために何を支払い、何を与えたらいいか、想像もつかない」と公言した。
 核を放棄しても見返りを与える考えはない、と読める発言だった。
 すると翌日、北朝鮮は使用済み核燃料棒の再処理に向けて「最終段階で成功裏に進められている」という談話を発表した。
 しかも、この談話の英文の表現が「再処理作業を成功裏に進めている」となっていたため、ブッシュ政権内の強硬派が3者協議の留保を主張する騒ぎになった。
 再処理が始まれば、核兵器に使えるプルトニウムが抽出される。米国にとっては「見過ごせない一線」だ。再処理の開始は実際には確認されていないが、北朝鮮への不信を募らせていることは想像がつく。
 ラムズフェルド氏の発言は、イラク戦争の余勢をかって北朝鮮を威嚇し、同時に、パウエル国務長官ら国際協調派を牽制(けんせい)したものだろう。米政権内の足並みの乱れも、今後の展開を複雑にしかねない。
 北朝鮮は韓国に閣僚級会談の開催を呼びかけ、コメと肥料の支援を打診した。日本に対しては関係改善の手を打とうとする動きは見せていない。対米交渉を前に、日米韓の連携にくさびを打ち込もうとするやり方は、いつもながらだ。
 そんななかで目立つのが、中国の存在感だ。金正日総書記は協議を前に腹心を北京に送った。中国も米朝双方と個別のすり合わせを行って協議初日に備えた。
 中国がどれだけ本腰を入れるのかも、協議の行方を左右する。
 ブッシュ政権にとって北朝鮮問題を軍事力で解決する難しさは、イラクの比ではない。一方、イラク戦争を見た北朝鮮は、核武装か、米国との妥協かの文字通り瀬戸際に身を置いているかも知れない。
 緊張を抑えつつ、協議に果実を結ばせるには、何より忍耐強い姿勢が必要だ。協議が軌道に乗れば、日韓も参加しないわけにはいかなくなる。
 
 
 
 
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