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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2003年3月17日
平壌宣言、薄れる効力 北朝鮮の自制に期待 日朝首脳会談から半年
 
 昨年9月17日の電撃的な日朝首脳会談から半年。当初は、拉致被害者5人の帰国が実現するなど、国交正常化への踏み台になると見られた「日朝平壌宣言」が、北朝鮮の核開発問題やミサイル問題で次第に効力を疑問視される事態となっている。日朝双方とも、宣言が今後も日朝交渉のテコになるとの見方を変えていないとみられるが、展開次第では完全に壊れてしまう危うさはぬぐえない。
 平壌宣言の効力をめぐる認識は、立場によって様々だ。
 菅民主党代表 平壌宣言は空洞化しているのではないか。
 小泉首相 北朝鮮が守るように働きかけていく。北朝鮮も宣言の重要性は認めている。
 13日の党首会談でも、与野党間の考え方の違いが浮かび上がった。
 政府内にも「NPT(核不拡散条約)脱退宣言などは平壌宣言に反する」(石破防衛庁長官)との意見がある一方で、首相や川口外相らは、北朝鮮を非難しても、「宣言違反」と明言することを慎重に避けている。
 一方、北朝鮮側にも、「両国人民が必ず実行しなければならない歴史的宣言」との位置づけを変えた兆候はみられない。ラヂオプレスによると、朝鮮中央放送は2月15日、金正日総書記の誕生日を祝う「慶祝中央報告大会」で、金総書記の業績の一つに日朝平壌宣言が挙げられた、と伝えた。
 北朝鮮は逆に、万景峰号の入港停止を検討する日本国内の動きなどを「平壌宣言に背く行為だ」として、日本側の「宣言違反」を批判しているのが現状だ。
 そうしたなかで、宣言が目立った役割を果たしていないことだけは確かだ。拉致問題も、被害者5人の帰国後は進展がみられない。13日、首相官邸を訪れた蓮池薫さんは「子どもたちを帰す方策を考えてほしい」と安倍晋三官房副長官に訴えた。
 ただ、宣言を切り捨てて展望が開けるわけでもない。外務省幹部は「宣言で日本が譲歩したことは何もない。『違反だ』と言っても日本には何の得もない」と話す。「過去の清算」を経済協力方式で合意するなど、日本側に有利な内容をあえてほごにすることはない、との判断だ。
 拉致問題についても「平壌宣言に署名したからこそ5人が帰ってきた」(安倍氏)と見る。残る被害者や5人の家族の帰国を実現させるにも平壌宣言をテコにするしかない、というわけだ。
 政府が懸念するのは、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験や核燃料再処理施設の再稼働に踏み切るかだ。外務省首脳は「宣言は少なくとも、事態をこれ以上悪くしない役割は果たしている」と語り、経済協力を得たい北朝鮮が自制するはずだとの期待感を示している。
 しかし、もし北朝鮮が自制しなければ、宣言の意義が根底から問われ、「もはや無効だ」との声が国内で高まることは必至だ。宣言の「立役者」だった田中均外務審議官も13日の講演で、北朝鮮が弾道ミサイルの発射などに踏み切れば「質的に違う局面になる」と警告している。
 
 <日朝平壌宣言>(骨子)
 ・02年10月中に国交正常化交渉を再開
 ・日本は植民地支配で朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたことに、痛切な反省と心からのおわびを表明
 ・国交正常化後、経済協力を実施
 ・双方は戦前の財産・請求権を放棄
 ・日本国民の生命と安全にかかわる懸案が今後生じることがないよう、北朝鮮は適切に措置
 ・朝鮮半島の核問題の解決のため、国際的合意を順守
 ・北朝鮮はミサイル発射のモラトリアム(凍結)を03年以降も延長
 
 平壌宣言に関する日朝双方の最近の主張
 
 【日本】(いずれも国会答弁から)
 2月27日 「文言の一つ一つについてこれに反しているとか反していないとか問題にするのではなく、必要なのはどうやって北朝鮮に守らせるか、諸問題を解決して拉致の家族にも帰ってきていただいて、国交正常化をするかだ」(川口外相)
 3月 3日 「日本側が考えるようにきちんと守っていると言えない面もあるが、独特の瀬戸際外交だ。あまり挑発に乗らないで冷静に対処する必要があると思う」(小泉首相)
    5日 「性急に、今守っていないからこれはご破算だという態度はとりたくない。水面下の交渉をみても、合意は尊重したいという意図は読みとれる面はある。それを期待しながら対応していきたい」(首相)
 
 【北朝鮮】(ラヂオプレスから)
 1月16日 「小泉首相の靖国神社参拝は、日本が過去に朝鮮人民にもたらした不幸と苦痛について反省して謝罪した平壌宣言の精神に甚だしく反する」(朝鮮中央放送など)
 2月15日 「敵対国である日本がついに、歴史的に我が民族にはたらいた罪悪を謝罪、補償し、関係改善の方向に進むことを公約した平壌宣言に署名せざるを得なくなったという劇的な変化は(中略)偉大な将軍の軍事優先外交知略の無限大の威力の明白な誇示である」(同)
 3月 7日 「川口外相は最近、拉致と核問題の解決が関係正常化の前提にでもなるかのように言った。平壌宣言の精神に反する穏当でない言動だ」(同)
 
 
 
 
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