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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2003年1月25日
核で進展なく残念だ 南北会談(社説)
 
 北朝鮮が核施設の再稼働を宣言してから初めての韓国と北朝鮮の南北閣僚級会談は、核問題で進展がなかった。
 韓国側は、北朝鮮に核不拡散条約(NPT)脱退宣言の撤回や核開発計画の放棄、91年に南北間で合意した朝鮮半島の非核化宣言の順守を強く求めた。国際社会の憂慮を背にした当然の要求である。
 しかし、北朝鮮側は「核兵器をつくる意思はない」と改めて表明したものの、核問題は「米国と協議すべき問題だ」との主張を繰り返した。
 会談終了後発表された共同報道文も、双方の立場を十分に踏まえて「平和的に解決するために積極的に協力する」と述べるにとどまった。予想されたこととはいえ、きわめて残念である。
 核問題は米国と協議し、韓国には経済支援を続けさせる。そんな北朝鮮の姿勢が、今回の会談でより鮮明になった。
 韓国側首席代表の丁世鉉(チョンセヒョン)統一相が会談の後、「十分に満足できる結果を出せなかった」と語ったのに対して、北朝鮮首席代表の金リョウ星^(キムリョンソン)内閣責任参事は「良い成果をあげ、疲れが吹き飛んだようだ」と述べた。
 対照的な評価は、北朝鮮側が核問題で具体的な回答を示さずに、「現在進められている交流・協力事業を続けて推進する」(報道文)との実利を得たという今回の会議の雰囲気をよく表している。
 ただ、4月に次回の会談を開くことで合意したことは、北朝鮮が来月に就任する盧武鉉(ノムヒョン)大統領の政権でも、南北対話を続けていく意思を示したといえる。
 一方、韓国政府は閣僚級会談の終了後、林東源(イムドンウォン)大統領特別補佐役を27日に特使として平壌に派遣し、核問題などについて北朝鮮指導部と話し合うと発表した。大統領の親書を携えて訪朝する見通しで、金正日総書記との会談も考えられる。
 北朝鮮は10日にNPT脱退を宣言した後は、少なくとも表面的には核開発をエスカレートさせていない。アーミテージ米国務副長官が、北朝鮮を攻撃しないことを書簡や公式声明などの形で表明する用意があると述べた後、ニューヨークを舞台に水面下の米朝接触は続いている。
 北朝鮮は、米国がイラク問題に専念するタイミングを計算しながら、米国との対話再開の道を探っているのだろう。
 ロシアなどの仲介外交の行方や、国際原子力機関(IAEA)による北朝鮮核問題を国連安全保障理事会へ付託する動きなども注視しているに違いない。
 しかし、米国との対話を真剣に望むのであれば、今回の南北閣僚級会談で、明確な核開発放棄の意思と核開発凍結への復帰の手順を表明するべきだった。
 韓国の特使派遣を機に、北朝鮮が誠実な平和的メッセージを出すよう望む。核問題が解決に向かわないと、韓国新政権にとっても経済支援の継続が難しくなる。
 
 
 
 
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