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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2003年1月3日
米韓の調整を急げ 北朝鮮の核(社説)
 
 北朝鮮が核開発をてことした瀬戸際外交を、いっきに加速させている。
 昨年末には核関連施設の稼働を宣言し、施設を監視していた国際原子力機関(IAEA)の査察官を国外に退去させた。
 国際的な監視の目の届かないところで核をもてあそぶ。そんな危ない状態を演出して危機感をあおり、代償を得ようとするのが北朝鮮の常套(じょうとう)手段である。
 こんなやり方がいつまでも通用しないことを、北朝鮮に対してはっきりと伝えなければならない。重要なのは関係国間の結束と連携である。
 朝鮮半島の非核化をめざすことで、日米韓や中ロの立場は共通している。
 問題は、その方法をめぐり、米国と他の国々、とくに韓国との間で、足並みの乱れが目立っていることだ。
 米国は核開発の脅しによる交渉を拒んでいる。政府内では経済制裁の強化や北朝鮮船舶に対する臨検などの厳しい封じ込め策も検討されている。
 ブッシュ大統領は平和解決は可能としているが、当面イラク問題の優先度が高いことを考慮してのことでもあろう。
 一方、韓国では、金大中政権の太陽政策を引き継ぐ盧武鉉(ノムヒョン)次期大統領が、北朝鮮封じ込めに疑問を呈した。
 もともとブッシュ政権の北朝鮮政策と太陽政策とは相いれないところがある。韓国内には、在韓米軍兵士による女子中学生の事故死で反米機運が広がってもいる。
 それを見て、北朝鮮は「対決構図は、北と南の朝鮮民族対米国だ」と米韓の離反をあおる。
 瀬戸際外交が怖いのは、93、94年の朝鮮半島危機が危機一髪だったように、ひとつ間違えば北朝鮮の暴発や大規模な軍事衝突に発展しかねないことだ。
 そうなった場合、最大の被害をこうむるのは韓国である。
 だからこそ、韓国はブッシュ政権の強硬姿勢に距離を置き、対北対話の継続を訴える。日本も朝鮮半島で戦争が起きれば甚大な影響を受けるだろう。中国やロシアも似た事情をかかえる。
 肝心なのは、まず米国と韓国が北朝鮮政策をめぐって調整を急ぐこと、可能なら日本政府がそれを手助けすることだ。
 北朝鮮と対話することと褒美を与えることは別だ。米国の対北政策が不透明では、中ロとしても仲介に乗り出すのは難しかろう。こうしたことをブッシュ政権に伝え、説得することは日本の役割ではないか。
 あわせて、国連安保理やG8などを通じ、国際社会が「ひとつの声」を金正日体制に突きつけるようにすることである。
 小泉首相は来週の訪ロでプーチン大統領に仲介努力を求めてほしい。中国への働きかけの大切さはいうまでもない。
 日朝は拉致問題をめぐって手詰まり状態だが、日本政府のやるべきことは多い。
 
 
 
 
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