日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2002年12月13日
核危機を再現させるな 北朝鮮(社説)
 
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が核凍結を解除すると宣言した。
 米国に対して新たな核開発計画の存在を明らかにした北朝鮮は、今度は貨物船でスカッド・ミサイルをイエメンに運んでいるところを見つかった。
 その直後に、94年の米朝枠組み合意で凍結された、兵器用プルトニウム生産にも役立つ黒鉛型原子炉などの稼働と建設を即時再開する、と宣言したのである。
 まかり間違えば90年代初めの朝鮮半島危機の再来につながりかねない事態だ。北朝鮮は、たて続けに危機をあおる瀬戸際外交を直ちに中止すべきである。
 枠組み合意に基づく朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の取り決めで、北朝鮮は核開発を断念する見返りに、軽水炉原発2基を供与されることになった。
 その1基目が完成するまで、米国は北朝鮮に燃料用の重油を提供することになっている。北朝鮮は、この重油の供給が今月から止まったので核凍結を解除することにしたというのである。重油がなくて電力が不足しているとも主張している。
 しかし、これは理由にならない。重油供給が止められたのは、北朝鮮が枠組み合意に反して、今度は兵器用になる高濃縮ウラン生産を目指したからだ。北朝鮮自身も核開発計画を否定していない。
 一方的な核凍結解除宣言は、北朝鮮の伝統的な友好国である中ロにも受け入れられるものではない。日米韓と欧州連合などで構成され、北朝鮮の非核化をめざすKEDOは計画の放棄を要求した。だが、北朝鮮は誠意ある態度を見せてこなかった。
 北朝鮮は、体制存続という最高目的のために、最大の脅威であるとする米国との関係改善を外交の柱に据えてきた。追い詰められると瀬戸際政策に打って出るというのが北朝鮮のいつものやり方である。
 北朝鮮外務省は、核開発計画放棄の要求について「米国が力でわれわれを武装解除させ、われわれの体制を抹殺しようとする企図をより明白にさらけ出した」とするスポークスマンの談話を発表した。
 金正日総書記体制に厳しい批判を繰り返すブッシュ米政権に対して、強硬な態度をとることで対話に引っ張りだそうとしているのかもしれない。そうだとすれば思い違いもいいところである。
 力には力で対決するのがブッシュ流であり、こんな手法は通じない。北朝鮮が本当に問題の平和的解決を望むのなら、国際社会の求めに従って核開発を断念することを宣言すべきだ。そうすれば、米朝対話の道も必ず開けてくるに違いない。
 北朝鮮は、やはり国際社会と対話し、改革を進めて経済を立て直すべきで、強硬策は自滅を招くだけである。
 米国も、日本も韓国も、そして中ロも話し合いの窓口は閉ざしていないことを、一刻も早く、北朝鮮は知るべきである。
 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。








サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
12位
(28,647成果物中)

成果物アクセス数
461,633

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2017年3月25日

関連する他の成果物

1.私はこう考える【中国について】
2.私はこう考える【ダム建設について】
3.私はこう考える【死刑廃止について】
4.私はこう考える【公営競技・ギャンブル】
5.私はこう考える【天皇制について】
6.私はこう考える【国連について】
7.私はこう考える【自衛隊について】
8.私はこう考える【憲法改正について】
9.私はこう考える【教育問題について】
10.私はこう考える【イラク戦争について】
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から