日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2002年10月28日
拉致も核もミサイルも 日朝交渉(社説)
 
 内外注視の中で、日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉が明日からマレーシアで始まる。
 日朝両国間には、日本による植民地支配という重い過去の歴史に加え、北朝鮮の核兵器とミサイルの開発問題や拉致問題など現在の問題が横たわっている。交渉は極めて困難なものになるだろう。
 しかし、再開は小泉首相と金正日総書記という両国の最高権力者の合意である。交渉の成否は、単に日朝関係だけではなく、北東アジア地域ひいては世界の平和や安定にも直接、結びついている。
 双方とも、短兵急に目先の利益を追うのではなく、世界を視野に入れて大局的な見地から両国の関係を改善し、正常化を実現する覚悟で交渉に臨むべきだ。
 多くの日本人が関心を持っているのは拉致問題だ。政府は被害者5人の永住を決めた。北朝鮮に住む家族の早急な日本への帰国を実現しなければならない。
 亡くなったとされる8人の被害者について、さらなる事実関係の解明と調査の継続も必要だ。このほかの被害者の有無も含め、日本側が求めるべきことは多い。
 世界的に関心が高いのは、北朝鮮自らが認めた核開発をはじめとする安全保障問題だ。北朝鮮は、核兵器用の高濃縮ウランを作ろうとしている。ミサイル開発を進め、一部を他国に輸出している。
 メキシコで開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳宣言には、北朝鮮の非核化を求めるメッセージが盛り込まれる予定である。米中首脳会談や日米韓首脳会談でも、すべての首脳が核開発の即時中止を強く要求した。
 北朝鮮はこれまで、韓国や米国に核開発はしないと約束していた。日朝首脳の平壌宣言でも、「朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を順守する」と確認したばかりだ。
 こうした経緯を踏まえ、日本側は北朝鮮の約束違反をただす、という厳しい姿勢で交渉に臨まなければならない。北朝鮮が日本の経済協力に期待をかけていればこそ、そうした対応が功を奏するはずだ。
 求めるべきは、核開発施設に関する事実関係の説明、この施設の完全な廃棄、そのほかの核関連施設に対する国際機関の査察の受け入れなど、目に見えるかたちで核開発計画を放棄することである。
 ミサイルの開発や発射実験の凍結、配備や輸出の停止も重要だ。また北朝鮮は、工作船を日本近海に出没させてきた。工作船に関する事実関係の説明と再発防止の約束などは日本の安全に欠かせない。
 かつて韓国との正常化交渉は13年8カ月間続き、協議は約1200回に及んだ。日朝交渉もすでに10年余りがたった。しかしこれまで、北朝鮮側の硬直的な対応によって見るべき成果がほとんどない。
 北朝鮮は席を立ってはならない。
 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。








サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
12位
(28,844成果物中)

成果物アクセス数
463,067

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2017年5月20日

関連する他の成果物

1.私はこう考える【中国について】
2.私はこう考える【ダム建設について】
3.私はこう考える【死刑廃止について】
4.私はこう考える【公営競技・ギャンブル】
5.私はこう考える【天皇制について】
6.私はこう考える【国連について】
7.私はこう考える【自衛隊について】
8.私はこう考える【憲法改正について】
9.私はこう考える【教育問題について】
10.私はこう考える【イラク戦争について】
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から