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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞朝刊 2002年8月31日
生かしたい小泉首相の決断 日朝首脳会談(社説)
 
 小泉純一郎首相が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問する。金正日総書記と会談し、国交正常化交渉の再開にはずみをつけようという意図である。
 日本の首相の平壌訪問は初めてだ。突然の発表には驚かされたが、自ら乗り込んで局面打開を図る首相の決断を評価したい。
 戦後の日本外交で政治主導のケースといえば、鳩山一郎首相による56年の日ソ国交正常化や、田中角栄首相による72年の日中国交正常化が代表的だ。事務レベルの交渉で事態が動かないときに、トップの決断や行動力の持つ意味は大きい。
 北朝鮮という国は、誠に不透明でわかりにくい。重要問題はすべて総書記の意思で決まっているようだ。ところが、肝心の総書記が何をどう考えているか、肉声は伝わってこない。だからこそ、首相が総書記とひざづめで話し合うことは重要だ。
 いきなり首脳会談に臨む手法には、失敗のリスクが伴う。韓国の金大中大統領が切り開いた南北対話が、期待されたほどの成果をあげていないだけに危険はある。だが、そのリスクは日本外交にとって賭すに値するものではないか。
 北朝鮮ではこのところ、経済改革や南北対話の再開など変化をうかがわせる動きが出ている。そうした中での日朝首脳会談は時宜を得たものになるかも知れない。
 首相は「首脳同士が直接、率直に意見交換し、日朝間の数多くの問題の解決の糸口を見いだしたい」と語った。会談では、本音を大いに語り合うとともに、関係改善に向けた指導力を発揮して欲しい。
 とりわけ、日本人拉致問題やミサイル・核開発疑惑問題、不審船問題などについては、日本国民が納得できるよう、事実関係とともに総書記の考えをしっかりと聞いてくることが重要である。
 北朝鮮側が強く求めている日本の植民地支配の「謝罪と補償」について、自らの考えを明確に伝えることも欠かせない。靖国神社参拝など自らの言動が、近隣諸国の反発や不信を生んでいるだけに、平和への強い意思を伝えることが大切である。
 日朝関係の改善は、単に2国間の問題にとどまらない意味を持つ。
 北朝鮮のミサイル開発問題などは、朝鮮半島や東アジア地域の不安定要因になっている。首脳会談で総書記から、ミサイル開発の中止などの建設的な対応を引き出せれば、地域の安定にもつながる。
 ブッシュ米大統領は、北朝鮮を「悪の枢軸」に加え、核査察問題で揺さぶりをかけている。首相訪朝には、そうした米国のタカ派的な対応で高まろうとしている半島の緊張を和らげる効果もある。
 むろん、北朝鮮の外交が一筋縄ではいかないことは言うまでもない。一度の首脳会談で、すべての問題が一気に解決に向かうわけでもないだろう。ねばり強い外交努力の継続も忘れてはならない。
 
 
 
 
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