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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞夕刊 1978年12月1日
'78初冬・北朝鮮:5
女性解放
進学以外は全員就労
 
 「実によく働くね、この国の女性は」。平壌に駐在している日本の商社マンの感想である。
 確かに“三食昼寝付き”の主婦、といったような女性は見当たらない。義務教育を終えると大学進学者を除き全員が職につく。憲法に「労働は公民の神聖な義務である」と規定されているし、同時に「女子と男子は同等の社会的地位と権利を持つ」と、男女平等がうたわれているからでもあるだろう。
 働く女性は教育、医療、軽工業といった分野に多いが、その他の分野にも進出している。トラクター工場では、若い女性の旋盤工を見かけた。トラックを運転する若い女性や、かわいい女性の兵士も見かけた。政治の分野にも進出し、最高人民会議代議員(国会議員)の三分の一は女性、と聞いた。
 結婚年齢は日本より遅いようだ。「二十五歳から二十七歳ぐらいで結婚する女性が多いですね」と、外国語大日本語科を出たという女性通訳のミンさんがいった。「男性の場合は、二十七歳から二十九歳かしら」。恋愛もあればお見合いもある。
 子どもは二、三人、という家庭が多いそうだが、子持ちの女性が労働を続けるために、七十七日の産前産後有給休暇が保障されている。それに、工場、地域といたるところに託児所がある。朝、幼児を連れて出勤する女性を街頭で見かけた。また、女性の家事労働を軽くするために、食品加工工業も盛んだ。
 ただ、滞在中の感じでは、この国の女性は何事にも出しゃばらず、その立ち居振る舞いがいかにも控えめだった。ある一家を訪れた時、奥さんは夫から一歩下がったところで応対した。この国の女性が酒もたばこもたしなまないのも印象に残った。「ええ、ほぼ百パーセント、どちらもやらないとみていいでしょうね」と、ミンさん。
 この国の女性特有の美徳だろうか。それとも、古い朝鮮で盛んだった男尊女卑の気風の名残だろうか。(文・岩垂 弘編集委員)
 
 
 
 
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