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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞夕刊 1978年11月29日
'78初冬・北朝鮮:3
文化革命
芸術も娯楽も超健全
 
 滞在中は好天に恵まれ、朝、霜を見た。が、日中は穏やかな日和となり、平壌市内を流れる普通江のほとりや公園では、絵筆をとる学生たちの姿をよくみかけた。カンバスをのぞくと、水彩の風景画であった。
 「この国には抽象画はないんですか」。通訳氏にそう尋ねると、一瞬、表情がきつくなった。「何を描いているのか分からないような絵はありません。人民が見て分かるような絵でないとダメです」
 そういえば、国立美術博物館に陳列されている現代絵画はすべて具象画。それも金日成主席の活動ぶりや、解放前の抗日武装闘争、朝鮮戦争での人民軍兵士とそれを支援する人びとの英雄的行動、社会主義建設の生産現場などを描いたものが多かった。裸婦を描いたものなど、一枚もない。
 「わが国の芸術、文化活動のテーマは革命闘争、アメリ力帝国主義の侵略反対、祖国統一、社会主義建設の四つ。だから、ブルジョア文化を排除し、復古主義、虚無主義に反対します」と、朝鮮対外文化連絡協会の幹部。そのせいか、映画もテレビも、そんな内容のものが多かった。ベッド・シーンなんて、絶対に出て来ない。
 それはかりでない。娯楽面にもこうした路線が徹底しているようで、バー、キャバレーといったたぐいのものは、ない。どうやら、この国ではあらゆる分野で人びとを共産主義的人間に改造するための文化革命が強力に繰り広げられている感じだ。
 昨年、ソ連を訪れたが、若者たちはジーンズやロック・ミュージックにあこがれ、長髪の若者にも出会った。若い女性は西側のファッションにあこがれていた。レストランでは、セミ・ヌードのショーも上演されていた。街頭で酔っ払いを見かけた。北朝鮮では、こうした若者も現象もついぞ見かけなかった。文化的には百花斉放の日本から来た者としては、いささか肩のこるのを覚えた。(文・岩垂 弘編集委員)
 
 
 
 
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