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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


朝日新聞夕刊 1978年11月24日
'78初冬・北朝鮮:1
一糸乱れず
すべてに金日成主席
 
 やはり、金日成主席のことから書かねばなるまい。この国では、あらゆることが金日成主席と切り離しては語れないからだ。
 私たちが会ったこの国の人びとは、みな左胸に金日成バッジをつけていた。主席の顔写真がはめ込まれた円形のバッジである。おそらく、子どもを除く国民の全員がつけているのではないか、と思われた。平壌の万景台には主席の生家が保存されているが、隊列を組んで参観に訪れる人びとに出会った。年に全国から百六十万人もの人びとがやっでくるという。
 それに、いたるところに主席の肖像写真、像、主席の活躍を描いた絵がある。学校の教室にも、ホテルの客室にも、地下鉄の車両の中にも肖像写真が掲げられていた。デパートの書籍売り場には、主席の写真の入った主席の伝記が並ぶ。特定の政治指導者の肖像を掲げる風習のない日本から行くと金主席一色に塗りつぶされた感じのこの国の光景にいささか度肝をぬかれるほどだ。
 一つには、この国では主席の存在と権威が圧倒的、ということもあるだろう。「日本の植民地からの解放も、国の創建も、祖国解放戦争(朝鮮戦争)の勝利も、今日の発展も、すべて偉大な主席の賢明な指導のたまものです」。滞在中、何回となくそんな声を耳にした。「だから、人民が敬愛の念を寄せているのです」
 政策的にも、主席への忠誠が組織されているようだ。“外圧”を排しながら南北統一を目ざし、社会主義建設を急ぐこの国としては、何よりも国民の統一と団結が求められており、そのためのシンボルと強力な指導者が求められているのだろう。それに、この国独特の革命理論がある。「革命と建設を進める主人公は人民大衆だが、それは賢明な指導者がいてこそ初めて可能だ」というものだ。
 「金日成主席を頂点に一糸乱れず」。この国を歩きながら、そんな思いが、頭をかすめた。(文・岩垂 弘編集委員)
 
 
 
 
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