日本財団 図書館


全日本少年剣道錬成大会のあゆみ
 
▽第一回全日本少年剣道錬成大会(昭41・7・31)は、初代会長大麻勇次先生が、御自身の剣道生命をこの大会の開催にかけられたものでありました。この日に至るまで、北は北海道、南は沖縄まで、個々の道場の巡回指導から地区錬成大会を経て世論を喚起し、役員一同打って一丸となり、この企画と実行に努力したものです。「他団体の計画、企画ではありません」小沢丘会長は広報発刊にあたり「幾多の苦難を経て」と書かれております。
 終戦後における文部省の体育行政にも、剣道の復活にも数々の関連がありました。昭和四十年頃全国小学生、中学生の大会が開催出来る状態でありましたでしょうか。当時、大麻先生は衆議院副議長園田直先生のご理解とご協力により内閣総理大臣佐藤栄作先生に面接、体当りで「時代を担う少年の指導は、我が民族の生みの親、育ての親は武道にありその表芸は剣道です」と陳情し、園田先生のご助言によりご理解をいただき「魂」の揮毫と共に、「剣道は激しいものです。それは不屈の闘志強固な体力を要します。剣道は静かなものです。それは美しい姿勢、清い心を要します。人はきびしい鍛錬によってのみ、みがかれます。一生懸命剣道の練習をすることによって波濤のような強い意志、どんな失敗をもはね返す気力、強い体、正しく、清く、明るい心を持つことが出来ます。この体と心こそが社会を良くし、日本は発展させ、世界を平和にし、人類を幸福にする礎です。
 諸君、剣道できたえた体と心を、勉学に人生に活かしたまえ、未来は諸君のものです。」と激励の祝辞をいただき、国民体力づくり事業協議会、日本武道館と三者共催にて本大会を開催いたしました。その大会の準備委員長として各界との折衝、大会資金の調達など、大麻会長のご努力は涙ぐましいものがございました。本大会開催につきましては言葉にならない苦難の連続ではありましたが、大麻勇次先生の御意志は大きく軌道の指針を正して、全国注目の中に武道館初代会長正力松太郎先生を始め、当時全日本剣道連盟会長木村篤太郎先生方の御臨席のもとに盛大に開催することが出来ました。少年剣士の範たらんと持田十段、大麻十段の堂々の入場、剣道史上かつてないこの絵巻は誠に壮観でございました。
 文武不岐を身を以って訓される各諸先生、元外務大臣園田直先生を始め、笹森順造、玉置和郎、大和与一、橋本龍太郎、服部武三郎、渡辺弥栄司、臼井壮一、加藤武徳、中村喜四郎、矢野一郎先生方の模範試合、大麻十段に対して、故範士九段小川政之先生、範士八段柴垣正弘先生、水戸東武館館長小沢武先生、範士八段小笠原三郎先生、教士八段佐々木安夫先生方のかかり稽古と切り返し模範演武等、かくして第一回全日本少年剣道錬成大会は盛会にして意義高く誕生いたしました。
▽第二回開催につきましては、広報にも一部記載してありますが、主催、後援の件で難題にぶつかり、本連盟は主管となり徹底して人力奉仕となりました。
▽第三回は明治百年を記念して十二会場に三千有余人の少年剣士の錬成大会となりました。
▽第四回全日本少年剣道錬成大会の実行計画をして大会を目前にプログラムのタイトルが全日本少年武道錬成大会と変わっておりました。予想外のことに驚き、折衝いたしましたが、その権力に屈し、その一部として実行開催のやむを得ない第四回となりました。参加する少年には靖国神社より苗木(銀杏、さんご樹)を全員いただきました。
▽第五回は少年剣道のタイトルを表紙にと、お願いして、全日本少年武道錬成大会、剣道之部、第五回全日本少年剣道錬成大会として開催いたしました。本大会には、ハワイの少年剣士が初参加して友好をあたため、日米紅白対抗試合を公開演武いたしました。少年剣道に誇りある日時が得られたことは過去にないと考えます。
▽第六回から第九回までは任意団体であり、資金、場所のない本連盟は耐乏生活の中に、少年剣道育成に努力を怠らず、大麻会長は「馬鹿は国をまもり、利口者は国を滅ぼす」と常に言われ、徹底的親馬鹿精神に徹せられ、九回を数え、無事盛会であったことに感謝されておりました。同志の団結は以前に増してかたく、その組織も充実して、こころひそかに財団法人を企画しておりますうち、初代会長大麻勇次先生、志半ばにしてご逝去(昭和49年3月)せられました。二代目会長小沢丘先生は、初代大麻会長の御意志を継がれ就任早々、財団設立に着手、中村鶴治先生に準備委員長を命ぜられ、小沢会長陣頭指揮の下に財団設立に奔走、永年の功績と武神の助けにより、五月発起して十月二十八日、法人認可され、関係者一同感激感涙にむせびました。
 昭和五十年七月二十七日(日)、堂々と第十回全日本少年剣道錬成大会と大きく書出して、日本武道館、全日本剣道連盟との共催で、父兄併せて一万人の一大錬成大会を開催いたしました。佐藤総理大臣の「魂」を始め「闘魂」「勇魂」「不動心」等、代々の総理大臣揮毫の手拭いをはち巻に、少年剣士の錬成は頼もしいかぎりです。
▽第十一回は、日本剣道少年団発会を記念して剣道少年団団旗を先頭にして入場、続いてカナダ、ブラジル、ハワイ、米国、フランス、スイス、イタリー、スウェーデン、韓国、台湾、シンガポール、と十二カ国の少年少女剣士の参加で国際色豊かな大会を開催いたしました。
▽第十二回は七月三十日、三十一日両日に亘り、基本錬成並びに試合錬成と共に、第二回国際剣道大会を十四カ国の少年剣士により、高松宮両殿下の御臨席を仰ぎ、盛大に実施いたしました。
▽第十三回は、十六会場で二日に亘り小・中学生併せて八〇〇チーム、団体試合並びに個人試合錬成を行いました。団体試合は十六会場勝チームにより決勝トーナメント戦を展開、「真実」日本一最優秀チームを決定、同時に個人試合においてもトーナメント法により、日本一を決定いたしました。
▽第十四回は、昭和五十四年八月三日、四日両日にわたり団体、個人試合に日本一の争奪戦が展開されました。また、遠くハワイ選手が小崎会長の引率で参加し、試合巧者の日本少年剣士に勝負で破れてもよい勉強をし、友を作り、夜は先輩の応援に第四回世界剣道選手権大会会場の北海道に飛ぶ。十年前、本錬成大会に参加、日本各地を武者修行した少年剣士ダクラス江島外五名は世界大会で三位に入賞した。「子どもは必ず大人になる」ハワイ剣道連盟指導者に敬意を表す。大会終了後、北海道登別函館にて日米親善交歓稽古をして東京に上り、東京にて、最後の交歓稽古(武者修行)をし、送別パーティをして帰国する。国際色豊かな大会でした。
▽第十五回は、昭和五十五年八月五日(火)・六日(水)の両日に亘り開催され鈴木新総理より「洗心」の揮毫と「わが国において古来から武道としてきた剣道の理念は剣の理法の修練による人間形成であります」との祝辞をいただきました。第一日目は日本剣道界の代表的範士の先生方ならびに全日本剣道選手権大会の第一回から第二十七回までの優勝者、そして東京警視庁師範を元立ちに迎えての基本錬成に始まり、小学生団体試合錬成を行い、第二日目は全国選抜小学生 中学生個人試合 中学生団体試合錬成を行いました。
 参加数は小学生団体四二一チーム、中学生団体三七八チーム、個人選抜小学生六一名、中学生六一名と、一万名を越す大会となりました。
 日本武道館行事のため、この回も、土・日曜日を開催日にする事が出来ず、役員に多大なご迷惑をおかけした事を反省するともにそのご協力に感謝いたします。
▽第十六回は昭和五十六年七月二十八日(火)、小学生団体の部、七月二十九日(水)、中学生団体の部並びに個人選抜試合を開催。鈴木善幸総理より「修練」の揮毫を戴き、手拭に染め抜き、参加賞として出場者に贈呈する。「私達の目指す社会は経済的 物質的豊かさのみでは築くことは出来ません。その根源は国民のたくましい体と豊かな人間性であることと思います。剣道によって立派な豊かな人間性を造って下さい。」と激励を受け、一万人の大錬成を盛会に実施いたしました。
 本大会は米本土より二世、三世の日系少年剣士が特別参加をいたしました。
▽第十七回錬成大会は、八月五日、六日両日に亘り、文部大臣を始め衆・参議院、各界の知名士を迎え、大会最高顧問には鈴木内閣総理大臣を戴き、「経済的豊かさのみでなく、希望に満ちた明るい社会と共にたくましい体と豊かな人間性を剣道で養い、礼節を尊ぶ剣道精神を遺憾なく発揮されることを期待いたします」との祝辞を戴いた。小沢武錬成委員長の指導による基本錬成に引続き、太田義人審判長指揮により試合錬成を行い如何なる大会にも優るとも劣らない大錬成界を小学生二八三〇名、中学生二四三〇名、父兄合せ一万人の参加のもとに実施いたしました。
 昭和三十八年五月、三十七団体から発足し、二〇年を迎えて二千百余団体に成長した本連盟は、日本剣道界の一大底辺になりえたものと考えられます。本大会の意義は少年剣道隆盛につながる益々重要なものと信じます。
▽第十八回錬成大会は八月十一日に開会式と小学生団体試合を、翌、十二日は小学生、中学生個人試合並びに中学生団体試合を実施いたしました。
 今回の参加賞には中曽根康弘総理大臣より「風雪麿人」人は難難辛苦によって磨かれるものであるご指導の揮毫を戴き、瀬戸山文部大臣を始め各会の知名士の御臨席のもと盛会なる開会式でした。
 参加チームは小学生、四六四チーム中学生、四〇五チームで定数以上の参加を見、団体試合、個人試合ともに優劣の差がなく激しく、堂々たる試合内容で観戦父兄をわかせました。
 剣道は単なる健康維持のみのものでなく、果てしない意志の継続を必要とする行であります。信じて行わねばなりません。開会式の際小沢丘会長から七ヵ年の夢であった全日本少年剣道錬成会館の着工が報告された。
▽第十九回錬成大会は、中曽根総理により「正気堂々」日頃鍛えた技術を遺憾なく発揮し、錬成されることを希望するとともに二十一世紀を担う立派な人になって下さいと激励を受け開催、両日にわたり激しい試合錬成を行う、本連盟創立二十周年、二十ヶ年の歩みはすばらしいものであります。その技術は過去九州勢が絶対的でありましたが、本年は小学生の部において決勝トーナメント十六チーム中九州勢十チームに対して関東、近畿、中部地区の進出、六チーム、中学生は十六チーム中六チームが九州で後十チームは各地区勢であり依然九州勢の勝負強さは劣ることなく小学生、中学生共に九州のチームが優勝(最優秀賞)を獲得するも許し難き状態で少年剣士の技術が平均化され、優劣の差がなく観戦者をわかせました。
 剣道は他のスポーツの追随を許さない、特性をもつ日本民族の象徴であります。希望と信念を持ち勇気に満ち溢れた少年であってほしいものです。
▽第二十回錬成大会は、記念大会として選手関係者を含め1万人を越す大錬成大会となり盛大に開催した。
 開会式では今回20回を記念し、文部大臣から剣道道場の普及発展に貢献した道場主40名に対し、感謝状が送られた。
 又、連続20回、大会に出場した道場には記念品を添え表彰した。
 公開演武においては、福岡の佐伯太郎、岡山の石原忠美両範士八段が見事な日本剣道形を披露した。
 基本錬成は小笠原三郎九段の指揮により八段以上の高段者約60名が講師として、少年剣士を指導した。
 試合錬成は、小島主九段を審判長に迎え16会場において開始したが相変らず九州勢の活躍が目についた。このように開会式から試合錬成にいたるまで、これまでにない豪華な内容で盛り上りをみせ歴史的大会の幕をとじた。
▽第二十一回錬成大会は、七月三十一日に開会式と小学生団体試合を、翌八月一日に中学生団体試合並びに中学生、小学生個人試合を実施した。
 今回は、小・中学生合せてチーム数が昨年より八十四チーム増加し又ハワイより特別に少年剣士が参加するなど大いに盛り上がり会場はあふれんばかりであった。成績の結果はやはり九州勢の活躍がめだち他地区の今後の奮起を期待したい。
▽第二十二回錬成大会は、八月六日、七日の二日間に亘り開催、小学生団体の部四八三チーム、中学生団体の部四一六チームが参加した。今回は中学生の部に外国混成チーム(カナダ、アメリカ、西ドイツ、フランス)と、小学生の部に香港東信館道場が特別参加して、国際色豊かな大会となった。
 この日本一を決定する大会に今後も外国少年剣士が多数参加し、剣道を通じての友情がめばえれば幸いである。大会は気迫のこもった高度な技術を発揮、特に中学生の部では団体、個人共関東、栃木の活躍に目を見張るものがあった。
▽第二十三回錬成大会は、力の安定している九州勢をおさえて、小学生団体の部は、岡山県昇龍館一福道場、中学生の部は栃木県練兵館が日本一の座に輝き、少年剣道の各地区の力の平均化を思わせる結果であった。又、外国混成チーム・香港チームも特別参加して大会に多いに花を添えた。
▽第二十四回錬成大会は、会長に松永光元文部大臣を迎え盛大に開催した。
 結果は、小学生の部、福岡如水館が最優秀賞、中学生の部は栃木練兵館が三年連続日本一の大偉業を成し遂げて、小・中学の部共に常連の強豪の活躍が目立った。
 特筆すべきは、外国から特別参加した香港、ハワイチームが三回戦進出という快挙をやってのけ、関係者の喜びもひとしおであった。
▽第二十五回錬成大会は、二十五周年記念大会として盛大に開催。開会式では、文部大臣から剣道道場の普及発展に貢献した道場主、45名が感謝状が送られた。
 試合錬成は、今回の優勝チーム、個人優勝者を台湾にほうびとして派遣することになり、これまで以上の激しい試合が展開された。結果は、小学生の部では鹿児島の香月、中学生の部では栃木県の練兵館が更に記録をのばし四年連続日本一に輝き、見事、台湾遠征のキップをかく得した。
▽第二十六回錬成大会は、井上裕文文部大臣を迎え七月二十九日、三十日の二日間に亘り開催。小学生団体の部四八七チーム、中学生団体の部四一〇チームが参加、流石に各地区で予選を勝ち抜いてきた選手達だけあって、気力、技術、体力、スピードと、どれをとってもその差はなく、熱戦につぐ熱戦を展開した。結果は小学生の部は、昨年と同じく九州勢の宮崎延岡修道館が最優秀賞に輝き、中学生の部では、栃木県練兵館が決勝戦で愛知県鶴城道場と接線の末破り五年連続日本一の大偉業を成し遂げた。今後この大会で恐らく破られることのない大記録と思われる。
▽第二十七回錬成大会は、鳩山邦夫文部大臣、桜内義雄衆議院議長他、多数の来賓を迎え七月二十七日、二十八日の二日館に亘り、盛大に開催した。今回も、栃木県練兵館の中学生団体の部、六連破に、話題が集中した。そして、またしても決勝戦に進出、福島県揚土剣友会の対戦となったが、二対一の激戦の末、揚土剣友会が、練兵館を破り、やっと練兵館の連覇に歯止めをかけた、
 二日間に亘っての大会で少年剣士達は、日頃の厳しい稽古の成果を試し合い、又、剣道を通じて親睦を深めた事は、収穫大であった。
▽第二十八回錬成大会は、森山真弓文部大臣他多数の来賓を迎え七月二十六日、二十七日の二日間に亘り小学団体四八六チーム・中学団体四二三チームが酷暑ふきとばす熱戦を展開した。小学生団体の部は、二連覇のかかった、名門福岡如水館と、初優勝を目指す宮崎剣心館の九州勢同志の決勝戦となった。先鋒から中堅まで引分けで副将山下選手が先取した小手が唯一の決め手となり、念願の小学生日本一を手にした。
 中学生団体の部は、昨年六連覇を阻止された栃木県練兵館が今回も又、決勝に進出、兵庫県の新富剣志館と対戦、またしても練兵館が日本一を奪還した。来年も多くの道場が厳しい稽古を積み、打倒練兵館を目指すことと思う。
▽第二十九回錬成大会は、与謝野馨文部大臣他来賓を迎え八月十日、十一日の二日間に亘り小学生団体四七三チーム、中学生団体四二五チーム小学生個人六二名、中学生個人六四名によって、日本武道館狭しと熱戦が展開された。
 小学生団体の部は九州勢がこれまで五回連続最優秀賞を手にしていたが、今回は茨城県いばらき少年剣友会が初の栄冠を手にした。又、小学生個人の部もいばらぎ少年剣友会の雨谷武蔵君が最優秀賞に輝き偉業を達成した。
 中学団体の部は、第二十七回大会で栃木県練兵館が六連覇を逃した後、第二十八回、第二十九回と又、二連覇を達成し向うところ敵なしといった感がある。今回は、特に関東勢の活躍がめだった大会であった。
▽第三十回錬成大会は、三十回記念大会として開催し、秋篠宮殿下、同妃殿下、又、与謝野馨文部大臣他多数のご来賓を迎え記念大会にふさわしい大会となった。
 開会式では三十回大会を記念して永年にわたり剣道普及等にあたられた道場主に対し文部大臣感謝状を授与し、全日本少年剣道錬成大会連続三十回出場者(十団体)を表彰。又、これまで大会に貢献のあった団体企業等(二十五団体)も表彰した。
 試合は、今回を記念して文部大臣杯も下付戴き、小学生団体485チーム、中学生団体417チーム、小学生個人63名、中学生個人64名が武道館の大道場も所せましと熱戦が展開された。
 結果は小学生団体の部で栃木県練兵館が優勝し、更に中学団体の部でも練兵館が三連覇を成し遂げて、史上初のアベック優勝の大偉業を成し遂げた。個人戦は小学生の部を、鹿児島県香月剣道スポーツ少年団八代尚也選手。中学生の部を神奈川県久里浜剣士会宮川寛次選手が日本一を手にした。
 今回も栃木県練兵館の強さを強烈にアピールした大会となったが、他の道場の今後の奮起を大いに期待したい。
▽第三十一回錬成大会は、橋本龍太郎総理大臣、奥田幹生文部大臣他多数の来賓を迎え七月三十日、三十一日の二日間に亘り小学団体四九七チーム、中学団体四〇一チームが武道館、所狭しと熱戦を展開した。
 特に今回は、橋本総理が自ら剣道具をつけて昨年小学生の部優勝の栃木県練兵館の少年剣士を相手に指導稽古を行なったが、このことは剣道界はもとより、社会的にも多大な影響を与えたものと確信する。
 試合結果は小学団体は千葉県柏武道館が念願の初優勝を果し、中学団体は、これも同じく茨城県一心院道場一心剣が初優勝を手にした。小学個人は愛知県秀正館の山本翔平君が日本一の栄冠を手にし、中学個人は、小学生の時にも優勝した、茨城県いばらき少年剣友会の雨谷武蔵君が優勝し、小学・中学共に日本一という偉業を成し遂げた。
▽第三十二回錬成大会は、昨年に続き、橋本龍太郎総理大臣をはじめ、小杉隆文部大臣他多数の来賓を迎え七月三十日・三十一日の二日間に亘り、小学生団体四七九チーム、中学団体四一〇チームが十六会場に分かれ熱戦を展開した。
 又、昨年同様橋本総理が、剣道具をつけて少年剣士を自ら指導、大観衆の拍手喝采を受けたが、このことは剣道普及に貢献すること大であった
 試合結果は、小学生団体は、今大会に二連覇を掛けた千葉県柏武道館と長崎県橘道場との決勝戦となり、柏武道館が接戦の末、二連覇を達成した。中学生団体は、茨城県いばらき少年剣友会と岡山県福田道場の実力者同志の決勝戦となり、大将戦で福田道場が快勝した。
 小学生個人は、宮城県延岡修道館 小野直人君が、中学生個人は、昨年日本一に輝いた雨谷武蔵君が大会史上初の二連覇を成し遂げた。
▽第三十三回錬成大会は、橋本龍太郎総理大臣、町村信孝文部大臣他多数の来賓を迎え、七月二十九日、三十日の二日間に亘り、小学生四八五チーム、中学生三九〇チームが酷暑をものともせず、日本武道館狭しと、元気な試合を展開した。
 尚、現職総理大臣が少年剣道大会に三年連続出席するだけでも異例であるのに自ら剣道具をつけての少年剣士指導は、選手、観衆に大きな感銘を与えると共に、日本の伝統武道である剣道を社会に広くアピールするものとなった。
 試合結果は、小学生団体の部は、岡山県昇龍館一福道場が二度目の優勝を手にし、中学生団体の部は、茨城県いばらき少年剣友会が、昨年の決勝戦での惜敗をバネとして、今回初の中学生団体の部の優勝をなしとげた。
 個人戦は小学生の部、愛媛県成武館の大亀健太郎君が、中学生の部は、岡山県福田道場勝見健太郎君が栄光の日本一を手にした。
▽第三十四回錬成大会は、橋本龍太郎前総理大臣、有馬朗人文部大臣、笹川陽平日本財団理事長等多数の来賓を迎え開催したが、選手、関係者、応援者を含めると二日間(七月二十八日、二十九日)で一万人を越す規模の大会となった。
 初日は、小学生団体の部四七八チーム、二日目は小 中学生個人の部と、中学生団体の部三九三チームが、道場と郷土の名誉を担い酷暑の中、鎬を削る試合を展開した。結果は小学生団体の部、宮城県あらた道場が優勝、中学生団体の部は、北海道伊達網代道場が優勝。いずれも、念願の初優勝で、団体日本一を手にした。
 個人戦は小学生の部、栃木県小山武道館剣心会、澤部大希君が優勝、中学生の部は、岡山県福田道場、勝見健太君が二連覇を達成し、個人日本一の栄冠を手にした。
 尚、少年達の熱戦と共に好評を博したのが、橋本前総理の少年指導稽古と、開会式での日本剣道少年団研修会(体験実践発表)で最優秀賞を獲得した、小学生の部、長永有加さんと、中学生の部、上野由香梨さんの堂々とした発表であった。
▽第三十五回錬成大会は、七月二十六日、二十七日両日に亘、各県より選抜された優秀な少年剣士達により、小中学生団体、小・中学生個人の日本一を目指し酷暑の中熱戦が展開された。
 開会式では恒例となっている日本剣道少年団研修会最優秀者、亀水千鶴さんの体験・実践発表「自分に限界」と、橋本龍太郎元総理大臣の少年指導稽古に今回は臼井日出男前法務大臣も加わり、大会に花を添えた。
 試合は、小学生団体の部で千葉茂原武道館が初優勝、個人では東京東松館石田雄二選手が日本一に輝き、中学団体の部は栃木県練兵館が通算九回目の優勝を成しとげ、個人の部では京都弘道館吉田智選手が念願の日本一を手にした。








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