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Q2. (提案2.)について伺います;
(提案2.)海洋は地球の生命維持システムの不可欠な構成要素であり、その開発利用にあたっては環境に十分配慮した持続可能な開発利用を目指すことが重要である。そのため、上記のような海洋管理の理念に沿って政策実行がなされるように、関係する多数の省庁にまたがった海洋政策の総合的検討、策定とその推進のための任務と権限を有する有効な行政機構を整備すべきである。
2−1. 海洋の管理に関する理念を何らかのかたちで明示するとして、その理念のもとに政策・施策を実行していくための恒常的な行政組織等が必要であると考えますか?
(該当のものに○印)
  全体 A B C D E F H
i)恒常的な新しい行政組織が是非必要。 72(41.1%) 25 11 2 5 4 21 4
ii)同上ができればあった方が良い。 41(23.4%) 11 12 4 8 1 1 4
iii)現行組織を改革して対応すべきである。 38(21.7%) 7 7 4 5 4 8 3
iv)現行組織で対応させるべきである。 15( 8.6%)   7 3 2 1 1 1
V)必要かどうか、どちらともいえない。 5( 2.9%) 1 1 1   1   1
VI)わからない。 4( 2.3%)   1 1   1 1  
合計(N) 175 44 39 15 20 12 32 13
z1042_01.jpg
<分析>
1)基本理念のもとに政策・施策を実行していく恒常的な行政組織等の必要性については、i)「恒常的な新しい行政組織が是非必要」=72(41.1%)、ii)「できればあった方が良い」=41(23.4%)、iii)「現行組織を改革して対応すべき」=38(21.7%)と大多数が新しい行政組織の設置、または現行組織の改革を支持している。
2)特に<A:有識者>、<F:産業界>で、i)「恒常的な新しい行政組織が是非必要」が各々、25(56.8%)、21(65.6%)と高率であることが注目される。
(i、ii、iiiに○印の場合は下記の中から○印。複数可。なお、ここに掲げる以外の機関のイメージがある場合は、チ)、リ)欄に書き込んでください。)
  全体 A B C D E F H
イ)海洋省を創設する。 36 11 7 2 3 2 10 1
ロ)海洋庁を適当な省の外局として創設。 59 19 11 2 9 6 9 3
→どの省の下に置くのが良いか?下記のなかから選んでください。(この選択肢に○の方は、必ずいずれかに○)
    全体 A B C D E F H
  [1]内閣府 25(49.0%) 7 4 1 3 2 6 2
  [2]総務省 1( 2.0%) 1            
  [3]法務省 0( 0.0%)              
  [4]外務省 1( 2.0%)       1      
  [5]文部科学省 8(15.7%) 3 1   3 1    
  [6]農林水産省 3( 5.9%) 2 1          
  [7]経済産業省 1( 2.0%)       1      
  [8]国土交通省 8(15.7%)   3 1   2 1 1
  [9]環境省 4( 7.8%) 2 1     1    
  合計(N) 51 15 10 2 8 6 7 3

ハ)総理大臣を長とする(海洋担当大臣が任命される場合は、海洋担当大臣を副議長とする)関係閣僚会議の設置。 26 7 6 3 2 1 4 3
二)海洋問題担当大臣を設置する。 25 6 10 1 2   4 2
ホ)内閣府に常設の海洋関係部局を設置。
  (例:「海洋問題対策室(仮称)」)
30 8 8 2 4   6 2
ヘ)既存の「海洋開発関係省庁連絡会議」を改革して政策調整権限を有する新しい省庁間常設機関を設置する。 26 8 5 2 2 1 5 3
ト)行政委員会を設置。
  (例:旧宇宙開発委員会)
19 6 3 1 2   5 2
チ)リ)その他 2           1 1
合計(N) 223 65 50 13 24 10 44 17
<分析>
1)新しい行政組織については、複数回答方式の設問に、回答者一人当たり1.25項目を選択した。
2)結果を見ると次のような順位で支持が多い。
 第1位=ロ)「海洋庁を適当な省(内閣府支持が約半分25/51(49.0%)に創設」(59)
 第2位=イ)「海洋省を創設する」(36)
 第3位=ホ)「内閣府に常設の海洋関係部局を設置」(30)
 第4位=ハ)「関係閣僚会議を設置」(26)
  〃   へ)「政策調整権限を有する新しい省庁間常設機関を設置する」(26)
 第5位=ニ)「海洋問題担当大臣を設置する」(25)
3)ロ)「海洋庁を適当な省に創設」対イ)「海洋省を創設する」の比として、<A:有識者>、<B:団体役員>、<D:研究者>、<E:地方自治体>、<H:報道・シンクタンク>で「海洋庁」支持がかなり上回るのに対して、<F:産業界>だけは、「海洋省」が少し上回る。<F:産業界>はそれだけ政府の強力な政策実行を期待していると見ることができるのではないか。
4)ニ)「海洋問題担当大臣を設置する」を他のどのグループよりも多く支持したのは、<B:団体役員>であるが、このグループに中央官庁出身者が多いことを考慮すると、実務経験者の考えのポイントはここにあるといえるかもしれない。
*設問2−1.でチ)リ)「その他」を選択した場合、どのような組織等が必要であるかご記入ください。
グループ
F
・ 具体的にはへ)からイ)またはロ)への移行。
H
・ 首相を長とする諮問会議を内閣府に設置。(8条委員会)
*設問2−1.についてのご意見、コメントを自由にご記入ください。
グループ
A
・ 水産庁や海上保安庁など、海に関する現存の庁の格上げの(可能であれば統合した)海洋省の設置は必要である。再度記すが、現実に存在する海洋政策に関する省庁間の争いが政策を混乱させる。
・ 国内行政組織が、陸上、海上を問わず、事項的(機能的)な事務配分を行っているのであるから、その枠組みを前提とした上で、海洋政策、実施を担当する組織は存立し得ない。仮にその枠組みを前提とする限りは、調整機能を有する組織の設置が限度である。
・ 海洋は、地球の生命維持システムの重要な構成要素と言うが、この政策提案の中で、具体的にどう理解されているのか?また「開発利用」と言うがどんなイメージがあるのか。「環境に十分配慮した」と言うが「環境」とは何か、「配慮」とは何か。また「持続的開発利用」とはどんなことが考えられているのか。文字の羅列だけからは理解できない。今まで、海洋は歴史的に長い間、住民によって、どんな風に利用され、開発されてきたか。今後はどうあるべきかの基本的な議論抜きに行政組織を作っても意味がない。
・ 形を整えることは有意義と思うが、現在の政治家や政治のあり方ではほとんど期待が持てない。
・ 海洋管理を一元化するため、各省庁に分散している組織を総合することが不可欠。
・ 複数で行っている業務の重複が一本化されることにより、国家予算の効率的な運営ができ、結果として国としての海洋政策の重点施策のスピードアップが図れる。
・ どのような形態でも構わないと思いますが、1)各省庁に対して命令する権限、2)他省庁、自治体、産業界から影響を受けない行政執行権限を賦与すべき。
・ 本来、省或いは庁を立ち上げ、総合的な政策を展開すべきという考えは持っているが、現実的な案として、連絡会議を母体とする新たな常設機関の設置を選択した。
・ 海洋省のような独立した組織は却って海洋問題への対応を矮小化してしまう恐れがあります。必要なことは沿岸に関する問題を整理して取り上げ、問題解決のための実行力ある仕組作りで、それには、ハ)もしくは二)の対応が良いと判断します。その場合も、海洋に関する問題を抽出して整理して、特に重要案件をまとめていく仕組が必要です。
・ 海洋省の設置は慎重な配慮が必要である。運輸、水産、環境、国防、産業(造船など)、科学の多岐に渡る取り組みがあり、一つの省に集約する効果は少ない。
・ 行政組織としての海洋省的な組織は、海洋問題が多元/多次的であり過ぎるので、上手く機能しない可能性が大きい。そこで、現在の海洋開発関係省庁連絡会議の組織の構成と在り様を改め、内閣府に「海洋政策統括室」とでも称すべき機関を設置、関係省庁から担当者が出向、常駐して、国民/民間組織/関係省庁からのデータ収集、国内外の情勢分析、審議会へ提出する資料の起案等を行うものとする。
・ 新しい行政委員会を作ったり省を設置することは、この行革の時代にあっては非現実的提言となるように思われる。結局既存の組織の中で、総理大臣の指導力がより良く発揮されるような体制をどのように作り得るかが勝負となる。その形態は実質さえ伴えばある意味で同じでも良いと言うことができ、各省庁が現に持っている各種権限の行使を効率的に調整し、必要な場合には自らの指導力で権限対立に決着を付けることができるような制度であれば良い。
・ 寄り合いの所帯の組織では困難である。当面は各省からの出向になろうが、将来的にはプロパーも育つ組織が必要である。
・ 実効のある組織造りのためには、海洋省、海洋庁の設置が望ましいが、行政改革の流れの中で、また海洋に関する差し迫った案件がない現状では、困難ではないか。関係省庁の連絡会議では、単に縦割り行政の仕切の位置の確認に終わり、より高い次元からの統合的政策の立案は望めない。21世紀に向けて、環境省がその役割を担い、権限を持つべきだが、現状の環境省が国土交通省、農水省を仕切るポテンシャルがあるとはとても思えない。名案はありません。
B
・ 海洋管理は沿岸域から公海まで国内外の利害関係が複雑に絡み合う問題である。一般的に考えても農水省(水産資源)、国土交通省(港湾、船舶)、環境省(環境問題)、防衛庁(シーレーン防衛)、外務省(領土問題)、経済産業省(海洋資源)等複数の省庁が関係する。これらの利害を調整し、技術的、政策提言を行うためには既存の組織でなく産学官から人材を集め、関係省庁部局からのある程度の権限委譲を受けた新しい独立した組織を創設する必要があろう。
・ 恒常的な新しい行政組織ができればあった方が良く、海洋問題担当大臣の設置、内閣府に常設の海洋関係部局を設置するのが良いと考える。
・ 海洋問題の解決は学際的にも多分野であり、又、社会科学的にも広範である。海洋のみならず、陸・空も関連を持つ。従って広範に取り組みが円滑かつ迅速に対応できる組織が必要であると思う。
・ 海洋の管理は、単に海洋だけの行政に止まらず他の行政分野にも大きく関係してくるため、海洋省等行政組織として独立させることは却って行政を煩雑にすると考える。
・ 海洋管理は複数の省庁に関係することから、強い権限を持つ組織が必要で、施策を長期的継続的に行う必要があります。
・ 海洋生物資源を対象とする漁業、鉱物資源を対象とする工業、および海運業は産業の形態として距離があり、「海洋」で括らなければならない必然性や合理性に乏しい。従って、現行組織を基本として、必要に応じて政策を調整する委員会等を設置して対応することが合理的・現実的と考える。但し、海洋レクレーションや海洋調査の分野に関しては、上記の委員会に一定の政策調整権限を付与することは検討することも必要であろう。
・ よく言われる「持続可能な開発利用」Sustainable Developmentは正しく理解されているのかどうか疑問に思います。現在の資本主義経済の下で一般にイメージされているSustainableが可能かどうか。持続可能は環境、資源の持続であって開発利用の持続ではない筈ですが、後者の持続であれば前者の持続は現体制では無理ではないかと時々思うのです。
・ 現在指摘されているような我が国における海洋政策の不備は組織が無いからできないのではなく必要性の認識が乏しいことが原因である。従って組織を作れば良いと言うものではない。海洋に関係する問題は外交・防衛・環境・水産・運輸・観光・資源開発・科学技術と際限なく広いのであるから、海洋省的なものを創設したとしても既存組織と重複し無駄となる。要は各省庁が連絡を密にすれば済むことである。
・ 海洋についての省庁間の組織作りは、有効にいかないと考える。
・ 現在海洋と名の付く課を有する省庁は多い。これを引き出して一まとめにし、総合的に所管する組織とする。
・ 「海洋国家」である以上、海洋の管理に関する恒常的な行政組織を設けるべきである。(積極的意見)
・ 海洋関係の調査は、各省庁がバラバラに実施しており、データ取得に無駄がある。各機関が計画的に観測を行えば良いがそれもできない。いっそ、海洋庁を設立し、現在、水産庁、水産研究所、水産試験場、最も調査船の多い農水省にその本部を置く(米国の海洋大気庁も農商省)。海洋の食料資源が、今後益々重要となることからも頷ける。
・ 従来、総合すべき組織が、その組織の拡大にのみ他の組織を利用する面があり、組織問題は、現行の枠内で原則とすべきである。
・ 海洋問題関係閣僚会議、海洋問題省庁連絡調整会議を設置し、事務局は内閣府におく、海洋問題対策室とする。諮問機関として海洋問題審議会を置く。
・ 海洋国家として責任ある海洋行政の展開を図るためには内閣の一員として行政を遂行する体制が必要である。
C
・ 海洋管理について、わが国として如何なる政策的取り組みを行うべきかの具体的検討が先ずなされるべきであり、政策を実行するために現行組織で対応できない場合には行政組織の見直しを行うのが望ましい。
・ 海洋管理の理念に沿った、政策が行われなかった事例を検証した上で、組織論を論ずるべきである。
・ 基本法の下、関係省庁による関連行政を主導し、調整する権限を持たせる。新たな行政組織の創設については、「海洋の問題は相互に密接に関連する」が故に既存組織から切り取りは弊害を招く。
・ 一般に恒常的な行政組織の新設には慎重であるべき。政策大綱の要否と新たな行政組織の要否とは別の問題。
・ 一元的に対応が必要と考える。(縦割りでは充分に対応できない)
・ 海洋政策については、わが国としてどのような取り組みを行うべきかの具体的検討が先ずなされるべきであり、その実行段階において、必要になれば、現行の行政組織の見直しを行うことが望ましい。
・ 常設の行政機関の新設については、現行の省庁割の考え方からみて実現困難であり、消極的に考える。
・ 内閣官房の主導権、または内閣府への組織設置は、実際問題として有効に機能しにくい。海洋政策の大部分を所感している国土交通省に担当組織を設置し、産業による海洋利用の大部分を所管している水産庁との協議・調整が、国家としての海洋政策の方向性の明示に繋がれば、理想に近い形になる。
D
・ 海洋だけでまとまることは包括的な行政ができるというメリットがあるが、一方で「陸」との間に縦割りが生まれないか心配です。海洋に展開する諸産業は陸の経済活動と不可分であるし、海洋環境も陸(人間)と包括的に対処することが不可欠です。
・ 新組織を構築するためには戦略、戦術を明確にして提案すべきである。最優先は海洋省であるが、そのためにはやはり必然性がなければならない。海の重要性の社会背景・要請が弱い。
・ 基本法が策定されれば、その法の趣旨に沿って現行組織がそれぞれ海洋に関する施策を展開すれば良い。特別の組織を設けたとしても、1−1で述べた理由(海洋利用の問題は常に個所個所における具体的な利用調整が念頭を離れないため、総論的なもの、理念的なもの、大綱的なものであっても関係者の合意を得て取りまとめることが極めて困難な宿命を持っていることは否定できない。)によって実行が期し難い。
・ 海洋に関する問題は幅広く、単一の省庁でカバーするのは現実的でない。
・ 法律に各省庁との関係をしっかり明記しないと屋上屋を造ることになる。各省の抵抗は恐るべきものとなろう。権限を一部侵すことになるので、それを打破するには総理大臣直々のものが望ましい。強力なリーダーシップが必要という意味で。
・ 海洋に関しては調整研究、利用、保全、全てを含む行政機関が必要。単なる調整官庁ではなく産業を含めるべき。
E
・ 自然との調和を図りながら均衡ある発展、開発を進めていくことが限りある資源を有意義に使うために、また、より良い人類の発展のためには不可欠の要件である。その意味において、これまでの行政組織とは別の角度から計画を推進していくべき組織が必要であると考える。
F
・ 海洋管理の概念を新たに打ち立てることが重要。現在の省庁縦割り行政では、対応できない。設問ロ)の例示が全て関係あることを示している。
・ 海洋の問題は、多くの現行政組織の所掌から切り離し扱うのは難しい。また省庁間の調整も上手くできてない。内閣が一丸となって各省庁へのリーダーシップを示すべき。
・ 基本理念を明示する法整備が行われるとして、これに基づき海洋政策が的確に展開される仕組みが整備される必要がある。新しい省庁を設けるより、各省庁の政策を一段高い立場から調整、総合化、適正化する仕組みを作る方が現実的で実効が上がると思われる。行政改革の趣旨にも適合している。
・ 海洋省を創設するのが理想的であるが、現状では難しいと考えます。従って、現在各省庁が実施している海洋関連施策や事業等について、全体政策や海洋関連事業予算等を決定し調整する機関を内閣府に設置することが望ましい。
・ 現在、海洋事業は、開発、環境、有効利用から地球温暖化を含め、多くの省庁が係わっている。それらの事業を再編して、一つにすることは、多くの問題があると考える。ただ、それらがうまく融合し、効率的に動いていないことも事実と考える。この為には、他省庁にも影響力を持ち、計画的且つ効率的に、海洋を見据える、恒常的な機関が必要と考える。
・ 日本は世界の中で最大の海洋国家である、という認識を持って、それを対国内および対外国に対しても強力にアピールする様な組織を明確に作るべき。
・ 陸域国土の十数倍、世界的にも数番目のEEZを有することから考えれば、将来(数年先)は海洋省の設置を目指すべきと考える。しかし急ぐべき課題の多きこと、緊急を要するものも少なくないことから、当面は内閣府に常設の海洋部局を置くことが望ましい。
・ 経済・財政担当大臣のような担当大臣のもとに海洋にかかる審議会もしくは諮問会議を設置し、関係各省に基本方針を指示し、強力な権限のもと政策調整を図る。
・ 海洋は全ての省に跨る問題を包括する。そのため、実行はそれぞれ担当の省が行うものの、政策立案、長期的な戦略構築などの提案、調整の権限を一箇所に集めたい。へ)の発展形が良いと思うが、総理大臣クラスの睨みが効かないと各省の綱引きに終わる恐れがある。
・ 対外的に国一本でまとまった形での対応が必要。(隣国の韓国との協議を考えるとおかしさに気が付く。マネをするわけではないが国際協議の形に合わすべきである。)
・ 海洋管理については、外交、環境管理、海域開発、沿岸利用、場合によっては河川部の管理まで幅広く関係するため、出来れば専属の行政組織を有した方が良い。
・ 政策実行の為には権限と予算が必要。
H
・ ”管轄”といった利害調整機能を新たに作っている時代ではないと考える。故に”地球的視座”でリーダーシップを発揮していくような施策のとれる”新しい”省が望ましいと思う。
・ 海洋の管理に関する理念にどのような政策、施策を盛り込むのか次第であると考える。
・ 他方、世論を喚起すべきで、海洋からの恩恵の重要性、日本として海洋からの世界への貢献を考えるべきである。
2−2. 行政機関に対する諮問機関についてお尋ねしますが、本年初頭の省庁再編、審議会等の統廃合によって、(総理府の長たる)内閣総理大臣へ答申を直接提出してきた海洋開発審議会が、文部科学・学術審議会の海洋開発分科会(文部科学大臣に対して答申。要すれば、他の関係大臣に対しても答申、意見書を提出できる)に衣替えしました。これについて、次の質問にお答えください。(該当のものに○印)
(1) この諮問機関の存在ならびに再編についてご存知でしたか?
(i、ii、iiiの選択肢表現は圧縮) 全体 A B C D E F H
i)以前からも今回の再編も知っている。 82(46.9%) 21 15 13 10 1 19 3
ii)知っていたが今回の再編は知らなかった。 71(40.6%) 19 18 2 8 4 12 8
iii)審議会は知らないが分科会は知っている。 1( 0.6%)       1      
iv)審議会も分科会のことも初めて知った 21(12.0%) 4 5   1 7 2 2
合計(N) 175 44 38 15 20 12 33 13
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<分析>
1)旧海洋開発審議会とその再編について、i)「ともに知っている」は82(46.9%)、ii)「今回の再編のみ知らなかった」は71(40.6%)で、このアンケート回答者の多くは、審議会についてはかなり承知している。しかし、その中約半分の方々は今回の再編を知らなかった。また21(12.0%)はiv)「審議会も分科会のことも初めて知った」と答えている。このアンケートが認識を深めるのに一役買ったといえよう。
2)<C:中央官庁>ではi)「ともに知っている」が13(86.7%)と圧倒的に多いのは当然であるが、<E:地方自治体>ではiv)「審議会も分科会のことも初めて知った」人が7(58.3%)と半分以上いる。残念だが仕方がない傾向ともいえる。現在の海洋行政と地方自治体との距離の遠さを表しているのだろうか。
3)iii)「海洋開発審議会を知りながら、今回の再編を知らなかった」人の率が平均より高いのは、<H:報道・シンクタンク>8(61.5%)、<B:団体役員>18(47.4%)、<A:有識者>19(43.2%)であった。
4)他方、<F:産業界>はi)「ともに知っている」の方が19(57.0%)とかなり多く、事実認識の浸透度が高いように見受けられる。これは回答母集団の多くが経団連海洋開発推進委員会総合部会メンバー、海洋関係団体の窓口担当者などが多く、行政側の動向に敏感であることの反映と考えられる。
(2)今回の衣替えの内容について、どのようにお考えになりますか?
(i、ii、iiiの選択肢表現は圧縮) 全体 A B C D E F H
i)やむを得ず現分科会で役割を果たすべき。 28(16.6%) 3 6 9 3 2 4 1
ii)明らかに格下げ、旧審議会レベルへ戻すべき。 44(26.0%) 10 14 2 7 1 8 2
iii)政策大綱の立案や、関係省庁の予算枠設定、政策実施状況の監督、評価等の機能と権限を有した、強力な機関とすべきである。 68(40.2%) 21 10 2 8 2 18 7
iv)わからない。 19(11.2%) 4 5   2 5   3
v)その他 10(5.9%) 3 2 2   1 2  
合計(N) 169 41 37 15 20 11 32 13
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*設問2−2. についてのご意見、コメントをご自由にご記入ください。
グループ
A
・ 基本問題を審議する必要に対し、現海洋開発審議会はあまりにも専門的部分的問題への対処能力しかない。
・ 海洋に関する問題は、文部科学省に関わる行政以外の部分(運輸、防衛、農林水産、経済産業等)がかなり大きいと考えている。
・ 海洋開発分科会は、海洋科学技術政策の立案・提言以上の役割は期待できない。全省庁の上位に、国の海洋政策の審議、立案をする審議会が必要。ただこれも、行政改革の流れとは反する。
・ 再編されることは知っていたが、どのように再編されたかわからない。
・ 日本列島周囲の海の巨大な空間、資源を国として如何に活用して行くかという国家戦略の欠如以外の何ものでもない。
・ 2−1コメント(どのような形態でも構わないと思いますが、1)各省庁に対して命令する権限、2)他省庁、自治体、産業界から影響を受けない行政執行権限を賦与すべき。)と同じ。
・ 文部科学省経由であると、答申の重要性が首相にストレートに伝わるかどうかは疑わしい。やはり首相直属の機関としてこそ機能するのではないか。
・ 従来の審議会が役割を果たしたとは思えないし、今回の改革が良かったか、悪かったかすぐには判断できません。要は、[1]海洋に関する問題を探して拾い上げ、整理しまとめていく部分と、[2]まとまった問題を実行する部分の両方がこれまでは上手く働いていなかったことだけは、はっきりしているように思います。
・ 総理府の長たる内閣総理大臣への諮問答申の役割を担ってきたもので、科学技術庁が総理府から文部科学省に変わったもので、役割に変わりはないと思う。海洋開発分科会の審議を開始する際に各省庁の取り組みをヒアリングしたが、基本政策、海洋開発や科学技術の政策策定を期待されており、所掌事項については各省庁は個別の審議会の諮問答申を受けている。2−1の提言と合わせて(2)iii)のように名称も変えた新組織が必要である。
・ 海洋問題は国の根幹に関する重要問題であるから、内閣総理大臣の下の審議会へ戻し、上記の「海洋政策総括室」(行政組織としての海洋省的な組織は、海洋問題が多元/多次的であり過ぎるので、上手く機能しない可能性が大きい。そこで、現在の海洋開発関係省庁連絡会議の組織の構成と在り様を改め、内閣府に「海洋政策統括室」とでも称すべき機関を設置、関係省庁から担当者が出向、常駐して、国民/民間組織/関係省庁からのデータ収集、国内外の情勢分析、審議会へ提出する資料の起案等を行うものとする。)と協力、時に対峙して国の海洋政策の実質決定機関としての権威を持つようにする。
・ むしろ海洋関係政府組織がどのように編成されるかということで、審議会はその形態に応じてあり方が変わると考えられる。
・ 文部科学省に存在すること自体が、現実問題への対応を不可能にしている原因である。研究者の見ている世界と、現実は大きく異なる。また、研究開発を推進すれば問題解決するかのような考えに陥りやすい。日本の海洋関連予算のあり方について、もっと現場の声を反映させた意見がでるような審議会構成にすべきである。
・ 特に、意見はありません。要は中身だと考えます。わたしは昭和37年以降、海洋科学技術審議会専門委員等いくつかの委員を務めました。わたしとしては、少なくとも、昭和37年に遡って今までどんな議論が行われ、どんな報告がで、また社会がどう変わってきたか海に対する認識、開発利用、保全の実体がどうなってきたかそれらを踏まえて考えて頂きたいと思います。
B
・ 海洋開発は単に文部科学の領域に止まるものではないので旧審議レベルに戻すべきと考える。
・ これまで産業開発に主眼が置かれてきたが、人口増加、陸域の食糧増産の限界を考えると、食料問題として水産業の重要度が増しています。水産資源の回復には沿岸域の総合管理は急務である。
・ 組織論は、棚上げして進めるべきである。(組織強化のために利用される)
・ 海洋開発審議会は、国民にとってサイエンスとしては良いが、生活に結び付かない。やはり、食料と結びつけ、海洋資源開発審議会とすべきである。
・ 開発という範疇では審議会として残れなかった。
・ 内閣府に常設の海洋関係部局を設置することと併行して、文部科学・学術審議会の海洋開発分科会を内閣府の既存の審議会に移し、内閣総理大臣へ答申を直接提出するようにすべきである。
・ 本気で海洋管理を行うのであれば、強力な機関でなければならない。
・ 海洋開発審議会ではなく、海洋問題審議会(その他の適当な名称でも良い)と呼ぶものを作り、「開発」以外の問題(安全保障、秩序維持、国と国との紛争への対応等々)をも討議できるものとすべきである。
・ 自らの答申で格上げを提言すべきである。
・ 我が国の考え方に海洋に対する誤差があるように思う。世界的動向を見極め国益が得られるよう、行動することが政府の取るべき要諦である。因循姑息な方法は今や通用しないと思います。海洋省を設置。
・ 他の関係大臣に対しても意見書を提出できることになっていても、総合政策の企画、調整に関しては限界を感じる。
・ 総理大臣または海洋問題関係閣僚会議の諮問機関とすべきである。その機能として、海洋政策の答申の外に政策予算枠、政策実施状況の評価等について審議し答申、建議するなど、所謂審議会のイメージから一歩踏み出した活動を期待したいが、行政権限を有する行政委員会のような活動は、実施部門の活動と重複し上手くいかないと思います。
・ 委員の人選に問題があるのではないか。現在の分科会は日本の海洋行政(開発)にユニークな意見を持つ、或いは創造性のある最適任者の集団とは思えない。だから、外の人は関心も無いし、ついて行かないと思う。
・ 今回の再編については、その理由を承知していないので、設問に対する意見の表明は差し控えたい。
C
・ 衣替え前後を通じて、役割が不明確である。文部科学省に設置されている理由が不明。内閣府ではないか。
・ 海洋開発分科会と海洋関係省庁連絡会議の役割および関係を明確化し、同じ様な議論を行うような無駄をすべきでない。また、仮に2−1ii)ハ)にあるような海洋問題関係閣僚会議を設置する場合には、閣僚会議を最高意思決定機関、連絡会議を事務局、各関係省庁を実施機関、分科会を閣僚会議に対する諮問機関と、明確に位置付け、1−3にある政策大綱、法律およびそれらに基づく基本計画を十分に実施していくべき。
D
・ 海洋政策審議会とすべき。
・ 総合科学技術会議の力と比較して、海洋開発分科会は大きく見劣りする。海洋などナノテクノロジーなどに比較してフロンティアでないかの響きがあるように感ずる。
・ 新しい海洋開発分科会の各委員に問題がある。
・ ((2)ii)明らかに格下げであり、旧審議会レベルへ及すべきである。)格下げにはそれなりの理由があったと推察される。実効的な提言を行ってこなかったという点もあったのではないか?
E
・ 文科省の審議会となり、学術研究などに特化する恐れがある。大学等研究機関と産業界への関係が薄くなるのではないか。
F
・ 1)従来の審議会は何をやっているのか明確でなく、十分機能しているようにも思えなかった。今回の「分科会」の扱いはその状況をさらに悪化するもので、実行のある海洋政策が必要な現在、危機を感じる。2)海に無関係の経済界の人も委員会に入れた上で、陸上でやらねばならないことが山積する中で、それでも何故、海での産業が必要か、何故、沿岸の水域保全が必要かなどを合意し、それを国民に分かり易く公開して頂きたい。
・ 1. 以前の審議会も事務局が科学技術庁にあり、十分に機能していたとは言い難いと思われる。
2. 十分な機能と権限がなければ各省庁の政策調整は不可能と考える。
・ (2)i)現在としてはこれしかない。
・ 今回の衣替えの理念が不明であり、その総合的効果は期待薄である。
・ 2−1コメント(他省庁にも影響力を持ち、計画的且つ効率的に、海洋を見据えた恒常的な機関が必要と考える。)で述べた、恒常的な行政組織の基に、省庁間の枠を超え、施策案作りなどを実施すべきだと考える。
・ ご指摘の問題は確かに存在するが、旧来の海洋開発審議会の仕組みに戻せば全て解決するというものでもない。審議の内容についての問題もあろう。2−1の新しい仕組みの中で、この諮問機関における海洋政策に係る審議結果が的確に反映されれば良いと考える。
・ 審議会は多くの委員が短時間で討論する場であり、具体的政策を打ち出すことは困難である。行政機構が立案をすべきである。
H
・ 名前は知っていたが、内容、権限等については、殆ど知らない存在だった。
・ 本求、多数の行政機関に関わるものであるから、強力な機関として機能しなければ、実績を挙げることができない。








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