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はじめに
 国連海洋法条約の発効やリオの地球サミットによる持続可能な開発宣言により、世界各国は海洋と沿岸域の総合的管理に熱心に取り組み始めています。しかし、わが国では依然として海洋に関する行政は多数の省庁が縦割で行っており、新しい海洋秩序に基づいてこれらを総合的に実施する明確な海洋政策が策定されていません。このままでは、わが国は世界的な規模で進行している海洋の開発、利用、保全の取り組みから取り残される恐れがあります。
 そこで、日本財団は、2000年度より海洋管理研究会を設置し、諸外国の海洋政策の研究、国内外の関係機関等との意見交換、研究セミナーの開催などを行ってわが国海洋政策のあり方を研究してきました。本報告書は、この研究の中で昨年末に海洋に関係する各方面の方々のご意見を広く収集するために行った「わが国海洋政策アンケート」調査の結果を取りまとめたものです。
 おかげさまで皆様より予想を越える沢山のご回答、貴重なご意見をいただき、わが国の海洋政策の検討にあたって大変参考になりました。その研究成果は、「21世紀におけるわが国の海洋政策に関する提言」(別冊)として結実し、先般これを発表したところであります。本報告書および同提言を、国政に係わる方々、海洋関係省庁をはじめとする海洋に関係する各界ならびに広く一般の方々に是非ご一読いただき、日本の存立基盤である海洋の総合的管理を国の重要政策課題としていかに行うかを検討する参考にしていただきたいと思います。
 終わりに、本調査にあたり海洋管理研究会(委員長栗林忠男前慶應義塾大学法学部教授・法学部長)の各委員の皆様、特に調査票の作成、結果取りまとめ等にご尽力くださった来生新(横浜国立大学国際社会科学研究科教授)、中原裕幸(社団法人海洋産業研究会常務理事)の両委員に大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
2002年5月
日 本 財 団
会長 曽野綾子








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