日本財団 図書館


3.3 貨物取扱量
 表8に1998年及び1999年における主要港の外航船舶寄港実績を、表9に1997年から1999年にかけての主要コンテナ・ターミナルのコンテナ取扱量を示す。
 まず、外航船舶寄港数を見ると、クラン港で寄港船舶数、総トン数ともに増加しているのに対し、ペナン港は減少していることが分かる。これはタイ向けの貨物がペナン港からクラン港へシフトしつつあることに加え、クラン西港の整備によりハブ機能の充実が図られ、周囲からより多くの貨物を集める力として働いていると考えられる。また、パシルグダン港については、寄港隻数が増加しているにもかかわらず、総トン数が減少している。これはジョホール州第2の港であるタンジュン・プルパス港の整備に伴い、大型船舶がシフトしていることが考えられる。
 
表8 主要港における外航船舶寄港実績
  年度 入港船舶 出港船舶
隻数 総重量(千t) 隻数 総重量(千t)
クラン港 1998 7,752 54,400 7,752 54,420
1999 9,199 65,765 8,768 64,182
ペナン港 1998 5,112 25,928 4,114 20,877
1999 4,736 24,344 3,711 19,037
パシルグダン港 1998 5,399 17,966 5,292 17,725
1999 7,202 15,543 6,478 13,851
ビントゥル港 1998 1,678 13,486 1,799 13,894
1999 1,760 14,293 1,975 14,802
ラブアン港 1998 750 4,450 750 4,450
1999 605 3,785 606 3,787
ミリ港 1998 1,080 3,973 1,272 4,118
1999 944 3,765 1,078 4,083
クアンタン港 1998 579 4,026 579 4,026
1999 633 5,134 616 5,035
ポートディクソン港 1998 660 4,145 615 3,901
1999 441 3,689 447 3,617
サンダカン港 1998 1,153 3,499 1,147 3,505
1999 1,231 3,940 1,236 3,906
ラジャン港 1998 1,309 3,413 1,376 3,292
1999 1,340 3,380 1,346 3,202
タワウ港 1998 729 2,440 732 2,442
1999 821 2,465 822 2,467
クチン港 1998 1,427 2,414 1,245 2,018
1999 1,511 2,846 1,362 2,363
コタキナバル港 1998 819 1,832 818 1,830
1999 1,346 2,600 1,347 2,601
(注)「クラン港」には、クラン北港、クラン南港、クラン西港の3港が含まれる。
 
 次に、コンテナ取扱量を見ると、1999年実績として、クラン北港で貨物を取り扱うクラン・コンテナ・ターミナル社が94万TEU、クラン北港及び南港で貨物を扱うクラン・ポート・マネージメント社が81万TEU、クラン西港が80万TEUと上位を占めている。特にクラン西港は1994年に開港して以来、取扱量が年々急増している。西港では扱う貨物の36%は積み替え、40%は国際貨物、24%は国内貨物(1999年実績)となっている。
 
表9 主要コンテナ・ターミナルのコンテナ取扱量
(単位:TEU)
ターミナル 1997年 1998年 1999年
取扱量 順位 取扱量 順位 取扱量 順位
クラン・コンテナ・ターミナル 993,010 1 788,703 1 938,924 1
クラン・ポート・マネージメント 578,627 2 570,916 2 810,439 2
クラン西港 112,871 5 460,339 4 801,056 3
ペナン港 506,863 3 510,307 3 566,409 4
ジョホール港 429,448 4 439,661 5 558,056 5
クチン港 105,320 6 79,602 6 96,962 6
コタキナバル港 102,446 7 77,499 7 85,181 7
クアンタン港 54,855 8 50,989 8 56,056 8
ラジャン港 40,009 9 28,032 10 37,100 9
ビントゥル港 32,571 10 29,536 9 36,541 10
タワウ港 30,473 11 25,865 11 31,541 11
タンジュン・プルパス港 - - - - 20,400 12
サンダカン港 21,749 12 18,881 12 19,949 13
ラブアン港 9,562 13 9,634 13 11,430 14
ミリ港 3,917 14 2,904 14 2,505 15
ラハットダトゥ港 25 15 14 15 359 16
(注) クラン・コンテナ・ターミナルはクラン北港で、クラン・ポート・マネージメントはクラン北港及び南港で貨物を取り扱う港湾運営会社である。
 
 なお、マレーシアの海上コンテナ取扱量が、2006年にアジア太平洋地域29カ国・地域中7位の1,090万TEU(20フィート型コンテナ換算量)に達するとの予測がある。この数字は、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)と韓国海洋研究所(KMI)の共同調査で報告されたもので、1位は中国、以下シンガポール、香港、韓国、台湾、日本が続いている。2011年には、マレーシアが日本と台湾を抜いて5位になるとの予測も出ている。同調査では、ジョホール州タンジュンプルパス港(PTP)ができたことが、大きく貢献しているとし、2011年には年間取扱量が820万TEUに上ると予測している。国内最大の規模を誇るクラン港も同年に890万TEUに達すると見ている。その他では、ペナン港が112万TEU、ジョホール港が89万2,000TEU、コタキナバル港が20万6,000TEU、クチン港が29万2,000TEU、クアンタン港が83,000TEUとなっている。
 








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION