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航路の安全保障環境
序  論
 このレビューは、アジア太平洋地域における航路セキュリティ環境の現状を考察するものである。本地域における現在の海賊行為問題を重視するなら、これは、我々のレビューとデータについての(テロにも関連する)主要な焦点となる。しかし、我々は、麻薬/密輸及び違法移住についての「海上の法と秩序」問題も簡潔に考慮する。この現状を再検討するときに、我々は、海軍及び海上法律施行当局により拡大される地域海上協力の必要性と可能性に対しても心することである。
 
 このレビューは、現在の航路セキュリティ環境について、アジア太平洋地域の国家間海上協力のための広範囲な認識増大を強調する。海上防衛、信任そしてセキュリティ構築手段、及び海上環境も含め、これらの分野における将来の協力的手段について、これまでかなりの議論及び様々な提案があった。しかし、今までのところ、「海上の法と秩序」と呼べる問題(特に、海賊行為、テロリズム、麻薬/密輸、及び違法移住)を扱うときに、海上協力の可能性については、多くを考慮してこなかった。ある点では、これらの問題は、--(海軍よりはむしろ)国の様々な法律施行当局等によって主に扱われてきており、恐らく驚くには当たらないことで、航路についてセキュリティを計る海上地域協力の可能な焦点としてあり得たかもしれないそうした国家間の協力は、二国間的であり、多くの注意を払われなかったのである。これらの問題の性質について下記の我々の分析は、それらが十分に重大で、海上(そして国内)セキュリティに影響することを示唆しており、そして、たぶん地域又はサブ地域海上協力協定のより広い範囲内で、それらの問題に対処すべき地域協力に価値があることを示唆している。








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