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NIOZ-TESO Project
Continuous observations of oceanographical data from TESO ferry 'Schulpengat' on the traject Den
Helder-Texel
In a cooperation between NIOZ (Netherlands Institute for Sea Research) and TESO (Texels Eigen Stoomboot Onderneming), the ferry Schulpengat (see picture; in front) is used as a platform to obtain extensive data series on oceanographical parameters in the Marsdiep area, i.e. one of the inlets between the North Sea and the Wadden Sea.
 
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The ferry sails the transect with an interval of 30 minutes, daily starting at 06.00 and ending at 22.00.
Data are directly presented to the public in the lunchroom of the ferry Schulpengat and hourly, when the ferry is in the Texel harbour, transmitted to NIOZ and presented on Internet.
The project has been started in the framework of the UN-Year of the Ocean 1998 which aims at an increasing awareness of the importance of the ocean for the climate (and life) on earth.
 
 
2.2.2 ドイツ(9月1日〜3日)
・ウェグナー極地・海洋研究財団−ヘルゴランド生物学研究所(AWI-BAH)−2001.9.3.13:00〜16:00
 ヘルゴランド生物学研究所は、主に北海及びワッデン海に焦点を当てた海洋生物に関する基礎研究を実施しており、この研究を通して海洋生態系の機能維持に貢献している。同研究所は100年以上の歴史を持っているが、1998年にアルフレッド・ウェグナー極地・海洋研究財団に統合された。同研究所は1962年より北海及びバルト海において長期間生物観測を実施している。同研究所の予算の90%は政府からの支出である。ドイツにおいても沿岸域管理(Coastal Zone Management)の考え方は明確にはなっていないとのこと。
 最後に同研究所付属の水族館を見学した。
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写真2-7 AWI-BAH 付属の水族館(模型);
水族館とはなっているが、生物飼育などの実験棟も兼ねているようだ
 
・ハンブルグ港魚市−2001.9.2.8:00〜10:00
 ハンブルグ港では、毎週日曜日に魚市が開催される。“魚市”とはなっているが、野菜、フルーツなどの食料品、観葉植物、衣料品など多くの物が売られている。“市”の規模は大きく、市民や観光客で大変賑わっている。魚屋は昔から魚市が開催されていた地域に集中している。商品は、北海やバルト海の近海物を扱っているようだ。ヨーロッパウナギの薫製、サーモンなどが主な売れ筋と思われる。
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写真2-8 ハンブルグ港の朝市
(サバ、タラ、カレイなど日本でもなじみの魚が多くみられるが、
その横でヨーロッパウナギの薫製が次々と売れていく)
 
 
2.2.3 デンマーク(9月4日〜6日)
・国際海洋開発委員会(ICES)−2001.9.4.13:00〜16:00
 ICESは北大西洋の物理・化学・生態システムに関する研究の推進、普及を目的に1902年に設立された政府間組織である。同委員会は環境に与える人間のインパクト、特に漁業への影響について助言を行っている。メンバー国は欧州諸国を中心に19カ国。ICES自身では行っていないが、プロジェクトの推進や各国からのデータのとりまとめや提供を行っている。
 主な活動は、
 □ 北大西洋における人間活動による影響に関する助言・提言
 □ 各国海洋データの収集、蓄積−海洋学データ(塩分、海水温度等)、漁獲統計、漁業資源評価、生態系、沈殿物への汚染、魚の病気、生態系データ
で、欧州で現在行われている以下の海洋モニタリングを対象に評価活動を行っている。
 □ HELCOM (Helsinki Commission)
 □ OSPAR (Quality status Report Assessment at various term intervals)
 □ National Monitoring and Assessment
 □ EEA (European Environment Agency)- based on Water Framework Directive
 □ AMAP (Arctic Monitoring and Assessment Program)
 
・国立環境研究所(NERI)、海洋生態部局−2001.9.5.10:00〜12:30
 デンマーク環境研究所は、デンマーク環境・エネルギー省傘下の独立研究機関であり、政策上、行政上及び営利活動上の環境にかかる決定を行う際の科学基礎データの提出が活動目的である。同研究所の運営予算は、50%をデンマーク政府が、残りの50%がEU各国や地方自治体が負担している。同研究所はデンマークのNational Data Centerとして活動している。デンマークでは1987年に大規模な漁業資源の破壊があり、政府はこれを契機に漁業資源保護のためのアクションプランを作成した。プランは6年ごとに内容の見直しを行っている。同研究所は最近、2003年度からスタートするEUのプロジェクトの入札に成功し、EUメンバー各国の学生を受け入れて実施する予定。
 
・ヨーロッパ環境機構(EEA)−2001.9.5.14:00〜16:00
 EEAは1994年に設立され、EUから予算をもらっている。スタッフ80名、コンサルタントを含めて約100名が働いている。EEAの活動は、ICESと同様ではあるが、その守備範囲が環境全般に及んでいることが特徴である。したがって、海洋環境に対しても陸上の活動や河川や地下水を含めた広範な調整が可能となっている。主な活動は以下のとおりであるが、これらに加え、現在、EUが実施しているWater Frame work Directiveに基づくプロジェクトのとりまとめを行っている。
 □ ネットワーキング
 □ 各国の報告の監視
 □ EU及びメンバー国の政策立案、実行活動の支援
 EEAは、ICESと連携をとりつつ、MAP(Mediterranean Action Plan),BSEP(Black Sea Environment Programme)をも含めヨーロッパ全域をカバーしている。
 
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Figure 1: Nitrate Concentrations measured at the surface for two reference years
 
 EEAでは北海、バルト海をはじめとして地中海、黒海などヨーロッパを取り巻く海域の環境情報をGISデータベースで整理している(図は硝酸態窒素の分布)。
 
 








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