日本財団 図書館


14 保里川茂治家住宅(屋号 平戸屋) 
台帳番号155
上の町882
 
概要 敷地は南北に往来する島原街道の東側に位置し、主屋は街道に西面して建ち、北側を上手とする。
 主屋主体部分は桁行7間半(15.1m)、梁間4間(7.9m)、切妻造桟瓦葺き平入で、つし二階建である。正面下手側半分に桟瓦葺きで1間の下屋をおろし、正面上手側半分は坪庭をつくり塀で囲み、門を開く。背面は半間の下屋を下ろす。外壁は大壁造漆喰塗りで、軒裏は出桁を黒漆喰で塗り込める。外観は屋根葺替えや壁塗りかえなどの修理がおこなわれている。
 主屋主体部分の間取りは通り土間部分と床上部分に分かれ、床上は喰違六間取りである。
 
特徴 建築年代は小屋裏の調査ができなかったため棟札を確認できず明らかではない。和釘を使用しており伝統的要素を残しているが、決定的な江戸時代の指標を導きだすことができなかったため建築年代を明治前期とした。ただ、大黒柱を含めて通柱の4本が、二階の一定高さで継がれていることから、ある時代に二階のかさ上げがおこなわれた可能性がある。当家は明治43年に旅籠だったという記録もあり(「島原の歴史」島原市役所)この当時に旅籠として客室を増やすために改造したとも考えられる。現在も部屋数が多く、旅籠としての面影を残す。また、正面中央よりやや上手寄りに入母屋屋根で突出する部屋がある。現在は便所とするがこれが建築当初からのものとは考えにくい。入母屋屋根をつくりこんでいることからも特別な部屋であった可能性は高く、今後の調査によっては建築年代が江戸時代まで遡るとも考えられる。
 
z0073_01.jpg
保里川茂治家
 
(拡大画面: 185 KB)
z0073_02s.jpg
一階平面図1/200
 
(拡大画面: 135 KB)
z0073_03s.jpg
二階平面図1/200
 
(拡大画面: 73 KB)
z0074_01s.jpg
保里川茂治家梁間断面図1/100








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION