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第1章 旧吉田宿の概況
1 秩父広域市町村圏における位置づけ
(1)旧吉田宿の位置と交通条件
 旧吉田宿は埼玉県北西部、首都圏より70kmに位置する埼玉県秩父郡吉田町の中心市街地である。
 旧吉田宿からは、秩父広域市町村圏のいずれの市街地も概ね30分〜1時間以内の時間距離にあり、住民が認識する上位集落は、隣接する小鹿野町、皆野町、秩父市の中心市街地に向いている。特に、小鹿野町中心市街地や皆野町中心市街地へは車で15分程度となっており、日常生活圏内である。
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▲旧吉田宿の位置
旧吉田宿←<国・県道で15分程度>→小鹿野町中心市街地
旧吉田宿←<国・県道で15分程度>→皆野駅←<高崎線・秩父鉄道で2時間程度>→東京都心
旧吉田宿←<国・県道で30分程度>→秩父駅←<西武池袋線で1時間30分程度>→東京都心
旧吉田宿←<国・県道で45分程度>→関越自動車道花園I.C.←<首都高・関越道で1時間30分程度>→東京都心
(2)旧吉田宿を取り巻く自然環境
 秩父広域市町村圏は荒川水系の上流部に広がり、支流の赤平川およびその支流である吉田川がほぼ東西方向に流れている。吉田町内には吉田川に合流する阿熊川、石間川、小川川などが流れ、旧吉田宿は阿熊川が吉田川に合流する地点に立地している。
 吉田町の地形は南部の盆地地域と北部の山地地域に分けられ、町土の約80%が山林となっている。地質は、赤平川沿いに特殊な地層や化石が見られる。気候は東日本気候に属し、夏季に雨量が多く、冬季は山間地特有の北西風が吹くものの、概して温順である。
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▲地形模式図
(3)集落の構造
 秩父広域市町村圏の集落分布は、荒川水系の盆地状に開けた平地に秩父市、皆野町、小鹿野町、吉田町などの中心市街地が立地し、さらに上流の狭小な谷に小さな集落が点在している。
 吉田町、小鹿野町、両神村によって構成される西秩父地域の集落構造図を見ると、旧吉田宿が吉田川とその支流の谷に沿って点在する小集落の分岐点に位置し、下流域の秩父市、皆野町、小鹿野町の中心市街地とネットワーク状に接続していることが分かる。さらに、上流の小集落では人口の減少と高齢化が進んでいるのに対し、周辺の集落では人口が増加していることも分かる。
 また、旧吉田宿は、町内の行政区としては本町、仲町、上町の3区から構成されている。
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▲西秩父地域の集落(出典:過疎地域における中心集落の振興と集落整備に係わる調査報告書)








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