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開会式本部業務
「いよいよ開幕だ!その内側は〜?」〜本部総務班〜
 アジア初の開催ワールドゲームズ秋田大会は、晴天の8月16日華やかに熱く開幕。空より舞い降りるパラシューター。地響きをさせ連打される太鼓。水と緑のダンス。そして選手達の笑顔と歓声に八橋の開会式会場は確かなスタートを切った。
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開会式をじっと見つめるスタッフ

 続々と詰めかける人々を迎える各パートの緊張と興奮が身を引き締める。前日のリハーサルの不安もあった。
 「みなさんの働きがこの大会にかかっているのです。しっかりと自分の任務を果たしたら、必ず成功するのです。頑張りましょう」と総合プロデューサーの今野先生の言葉が耳に残る。いよいよ開幕だ。
 
8月16日 
8:30集合
前日やっと顔合わせをしたメンバーと挨拶を交わし各持ち場へ散る。
外部TEL回線2本がつながり、いよいよ電話応対が始まる。
各リーダーの名簿がない。携帯電話番号がない。誰に誰から連絡か分からない。
内部の処理が分からずやっと要領が分かるころには閉会となった。
応対の統一性がなく、指示が錯綜し、内部不信となる。早く連携がとれればと…伊藤総務班長の汗と困惑を一緒に感じてジリジリしながら見守るだけ。
弁当配布にトラックの前にゾロゾロ並ぶ姿が何かむなしい。結局総務はまとめて配布と分かり、それぞれの持ち場にてやっと昼食をとる。
各部の予想もしないトラブルが飛び込む。指示は組織委員会と、事務局で調整を取るが次第に声も荒くなる。みんな焦りと苛立ちが見えはじめる。
当日売りチケット残り少なく、電話での問い合わせは「ゼロ」の指示が出ているのにボランティアが勝手な応対をして混乱する。指示は守るという原則を忘れている。
開場したのにゲートが開かない。各持ち場からの問い合わせに対応できない。
スタンドB席が一杯。急遽大会関係者席へ誘導するが、式典に間に合わなかった。
開会式行進曲が止まった<最大のミス>なぜ続けられないの?「手拍子をとってよ」と外へ飛び出してアピール。みんな突然のことに黙って過ぎてゆく選手たちを見送るだけ…
17:30解散
 
秋田の人の底力
次々に繰り広げられるプログラムを噛みしめながら「やーとせ」のフィナーレを見つめる大会運営本部の隅で、それまで声高にスタッフを指示していた小島アドバイザーが目を潤ませながら「やったネ。上出来だ。秋田の人の底力だ。」と握手を求めてきた。
 
ボランティアの一員として感謝
組織委員会はもちろん、支えてきたボランティア・支援職員の陰の苦労と喜びを今後のこの種の大会に役立てられることを願いつつ、その一員としてボランティア出来たことを感謝したい。21世紀の秋田。ワールドゲームズ。良い幕開けをありがとう!
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出演がすんで、ラストの竿灯を見つめる合唱と小学生出演者
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8月12日のスタッフミーティング「15日16日はどーなるのかな?」とそれぞれ話し合う
60本を越える電話処理!
TEL対応ボランティアで60本を越える電話処理をした私の開会式も終わったのだ。冷たいタオルで顔を拭くまもなく会場整理班・交通警備班・輸送班のスタッフは持ち場へと散っていく。列をなして帰る観客にはこの姿に気がよく余裕もないほどの興奮と満足の開会式であったと思う。参加選手も去り難く市民との交流が続いていた。








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