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2. (株)清水マリーナ
 実施日時:平成14年2月9日(土)午後3時30分〜6時00分
 ヒアリング対象者:(株)清水マリーナ 代表取締役会長 森田 隆氏
(1)会社概要
項目 概要
名称 (株)清水マリーナ
経営主体名 同上
設立年 約30年ほど前
従業員数 5名
資本金 1,000万円
水域区分 河川区域
事業内容 ■舟艇陸上保管、■舟艇・エンジン販売、■整備・修繕、■燃料販売、■レンタルボート、■免許教室(5級、4級小型操縦士免許講習)、■グッズ販売、■保険代理店業務
収容能力 小型モーターボート(20〜27Ft):120隻
収容隻数 小型モーターボート(20〜27Ft):100隻
施設 [1]総敷地面積 4,000m2
[2]占有水面 200〜300m2(2箇所)
[3]係留施設 浮き桟橋1本、15m
[4]陸上保管施設 艇庫(固定式1、可動式1)
[5]斜路 幅2.5m、レール2本
[6]揚降施設 フォークリフト(8t 1台、6t 1台、3t 1台)
[7]給油施設 ガソリン1基(4,000リットルタンク)
[8]給水施設 屋外
[9]整備・修理施設 屋内
[10]クラブハウス(事務室、談話室、会議室、更衣室、シャワー室、自販機、電話)
[11]駐車場 約700m2(30〜40台分)
[12]救助用艇 2艇
有資格者数 [1]小型船舶操縦士 3名
[2]危険物取扱者 1名
[3]フォークリフト運転者 2名
 
(2)マリーナの機能について
[1]ハード面
■艇の検査、保全、エンジンの整備、安全装備の点検などのプレジャーボートそのものの安全性確保に対する機能
■燃料補給等に必要な設備と技術者
■船舶の揚降、移動設備など保管に関する機能
■救助艇、無線局、休憩ハウス等の運航時などにおける安全を支援する機能
[2]ソフト面
■専属海上安全指導員等による気象情報の伝達やマリン無線、携帯電話による出航船舶との更新、海上保安庁などからの最新情報の伝達など安全に運航するための最新情報の発信機能
■安全講習会の開催、参加への斡旋などプレジャーボートを安全に運航するための啓発機能
■船舶操縦士および無線技師受験講習会の開催などの教育機能
■トラブル発生時における救助活動(専属救助艇と会員の協力体制の確立)
[3]近隣住民との共生のための各種活動
■ゴミなどの廃棄物の後始末、早朝の騒音注意、河川内の他船に対する低速航行による造波の抑制などプレジャーボート利用者などのマナー向上に向けた活動
[4]その他
■プレジャーボート等のオーナーに安心して保管をしてもらうための「保管艇に対する火災、破損、盗難等を補償するための賠償責任保険を附帯する」機能など
 ex:約100隻 2億円 年間保険料 760,000円
 約230隻 5億円 年間保険料 1,370,000円
 (※対人 1人2,000万円、1事故 1億円
  対物 1事故1,000万円、1件 2,000万円)
 
(3)造船業からマリーナ事業への転業における優位性について
[1]施設・設備に関係するもの
 基本的に造船業時における施設の転用に関しては、マリーナ事業の業績にはほとんど効果はあげらない。このようななか、優位性をあげると次の2点があげられる。
■広大な空き地を整地して、水平にコンクリート化し、陸置保管用地として転用することは容易である。
■スロープの一部をマリンジェットの揚降、トレーラーでの小型艇の揚降等に利用可能である。
 
転用を期待したが活用できなかったものとして次の2点があげられる。
■上架線路等の揚降設備は舟艇が小型すぎて利用するには非能率的である。
■クレーン設備に関しても、クレーンそのものが大きすぎることによる非能率のため維持費等の採算性が適応しない。
[2]ノウハウ等の活用
 造船業におけるノウハウとして即時対応可能なものとして次の3点が即時対応できる。
■FRP造船技術
■船体へのエンジンのセッティング技術
■船舶検査の申請施工業務と検査の立合
 上記以外に、鋼船建造技術は船架等のマリーナ設備の自社製作を可能とする。
 
(4)マリーナ事業展開にあたっての適正事業規模について
 1マリーナ単位における採算上必要かつ適当な規模としては、大略下表のとおりである。
表 1マリーナ単位における採算上の適正規模
項目 概要
敷地面積 3,300m2
保管隻数 100隻
事業運用資金
(運転資金調達力)
1億円
(設備投資とは別途)
従業者数 5名
(繁忙期のみバイト雇用)
 
(5)事業展開にあたって期待される支援施策、規制等について
[1]低利融資
 現在、日本マリーナビーチ協会が窓口となり運用されている日本財団の「低利、長期融資」を国土交通省の斡旋により受けられる体制を求める。
[2]水面利用等について
 マリーナの近接河川敷、水面の優先的借用等の支援施策の実施。








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