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7. 実現に向けた今後の検討課題の整理
 今回の調査研究では、文献や統計などにもとづき、プレジャーボート関連情報や伊勢市周辺の地域資源の概況がある程度まとめられた。一方で、本調査が最終的な対象としている、伊勢市大湊地区の造船施設のマリーナ等舟艇保管施設としての活用については、整備の基本的な方向性を例示し、マリーナとしての基本機能とその収支の概算が大まかな想定のうえで提示されている。
 今後の調査研究として、まずは時間的制約から今回おこなえなかったユーザーサイドのニーズについて、文献調査、ヒアリング、アンケートなどのうち適当と考えられる手法をもちいながら把握・整理し、その結果をマリーナ機能の想定にフィードバックすることによりマリーナ整備基本計画の策定をおこなう必要がある。
 また、マリーナ整備基本計画にもとづき施設全体の事業性についてより詳細な検討をおこなうことが必要となる。しかし現実には、整備手法、放置艇規制の実施、安全対策の検討、その他の行政支援内容などに事業性は大きく左右されることとなり、その予測は困難であると考えられる。
 このため、将来の投資者が投資の妥当性を検討する材料を提供することなどを通じて宇治山田港におけるマリーナ整備を促進するため、いくつかのケースを想定し、各ケースの要素分析をおこなうこととする。具体的にはマリーナ単体への投資効果について、整備の際の資産取得のあり方、施設整備への投資額の違いや、舟艇保管料金の設定金額、舟艇販売などの関連事業の展開規模などの要素をいくつかのケースに分類し、事業性の検討をおこなう。
 さらに、公的な支援についての妥当性を検証するため、マリーナ整備が伊勢市に与える経済波及効果の分析および関連支援事業への投資を仮定し、その経済効果を分析することとする。








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