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3-2-3 伊勢湾沿岸域におけるプレジャーボート等需要動向の確認
 
(1)三重県におけるプレジャーボート隻数の推計結果の概要
 三重県では、「平成4年プレジャーボート将来予測調査」が実施され、2010年までの県内のプレジャーボートのボート種類別に将来隻数の推計がおこなわれており、2010年までの県内のプレジャーボート隻数を合計で10,955隻と推計している。
 この推計と平成4年以降のボート隻数の伸びとを比較すると、推計で用いられている三重県内の年伸率は、平成4年当時シェア一割未満のディンギーヨットが0%、シェア約一割のクルーザーヨットが5.5%、シェア約三割のモーターボートが8.5%、シェア約三割のユーティリティボートが1.7%、シェア約二割のフィッシングボートが1.2%、全体で概ね5%強の増となっており、一方で小型船舶検査機構等のデータにもとづく全国のプレジャーボート保有隻数の平成4年から12年までの推移による年伸率は、ヨットが概ね5%減、モーターボートが概ね年3%増、全体で年2%増となっている。推計がおこなわれた時点の想定より経済情勢の低迷が続いているため、量的には推計値は現時点では過大となっている可能性が高いが、定性的には、原価の経済状況においても隻数の増加傾向は続いており、将来的に計画隻数には達するものと考えられる。
 
【参考】三重県内のプレジャーボート隻数推計結果の概要
 
1. 推計方法
[1]県内ブロックの設定
 県内を6ブロックに分割し、各ブロックごとに推計を実施。
 伊勢湾北部ブロック(木曽岬村、長島町、桑名町、川越町、四日市市、楠町)
 伊勢湾中部ブロック(鈴鹿市、河芸町、津市、香良洲町、三雲町、松阪市、明和町、伊勢市)
 伊勢湾湾口部(二見町、鳥羽市、磯部町、阿児町)
 熊野灘北部ブロック(阿児町、大王町、志摩町、浜島町、南勢町、南島町)
 熊野灘中部(紀勢町、紀伊長島町、海山町)
 熊野灘南部ブロック(尾鷲町、熊野市、御浜町、紀宝町、鵜殿村)
 
[2]推計方法
 次の推計式にもとづきボート種類別、ブロック別に推計がおこなわれている。
(ブロック別将来隻数)=(ブロック別1992年隻数)×(年伸率)
※1:ディンギーヨット(D)、ユーティリティボート(U)、フィッシングボート(F)の年伸率は、「マリーナ等プレジャーボート保管施設整備計画調査(運輸省港湾局、平成元年3月)」による。
※2:クルーザー(C)、モーターボート(M)の年伸率は、※1の調査の年伸率に0.9%/年を上乗せした。
 
2. ブロック別将来隻数の推計結果
表 ブロック別ボート種類別将来隻数(2000年〜2010年)推計結果 (単位:隻)
ブロック 年次 ディンギィーヨット
(D)
クルーザーヨット
(C)
モーターボート
(M)
ユーティリティボード
(U)
フィッシングボード
(F)
伊勢湾北部 1992年 13 65 329 207 164 778
2000年 13 99 634 237 180 1,163
2005年 13 130 955 259 192 1,549
2010年 13 169 1,438 282 203 2,105
伊勢湾中部 1992年 346 250 524 558 337 2,015
2000年 346 382 1,009 640 371 2,748
2005年 346 498 1,521 698 394 3,457
2010年 346 650 2,290 760 418 4,464
伊勢湾口部 1992年 7 39 226 311 168 751
2000年 7 60 435 357 185 1,044
2005年 7 78 656 389 196 1,326
2010年 7 101 988 424 208 1,728
熊野灘北部 1992年 41 136 273 216 143 809
2000年 41 208 526 248 157 1,180
2005年 41 271 792 270 167 1,541
2010年 41 353 1,193 294 177 2,058
熊野灘中部 1992年 0 1 44 9 16 70
2000年 0 2 85 10 18 115
2005年 0 2 128 11 19 160
2010年 0 3 192 12 20 227
熊野灘南部 1992年 1 2 65 23 42 133
2000年 1 3 125 26 46 201
2005年 1 4 189 29 49 272
2010年 1 5 284 31 52 373
合計 1992年 408 493 1,461 1,324 870 4,556
2000年 408 754 2,814 1,518 957 6,451
2005年 408 983 4,241 1,656 1,017 8,305
2010年 408 1,281 6,385 1,803 1,078 10,955
(資料)「平成4年プレジャーボート将来予測調査」(三重県)
 
3.全国のプレジャーボート保有隻数の推移
表 全国のプレジャーボート保有隻数の推移
z2057_01.jpg
(資料)日本小型船舶検査機構資料にもとづき国土交通省海事局で作成
 
(2)宇治山田港湾周辺(伊勢市、二見町)におけるプレジャーボート隻数の推計結果の概要
 
 (1)のブロック別のプレジャーボート隻数の推計結果にもとづき平成10年度には、「宇治山田港(神社周辺地区)港湾整備計画策定業務(三重県)」において宇治山田港湾周辺(伊勢市、二見町)におけるプレジャーボート隻数の推計がおこなわれ、2010年には2,074隻のプレジャーボート隻数を擁するとの結果をえている。なお、推計の手順および推計結果の概要は以下の参考のとおりである。
 
【参考】宇治山田港湾周辺(伊勢市、二見町)におけるプレジャーボート隻数の推計結果の概要
 
1. 推計の手順
 下図の手順にもとづき推計がおこなわれている。
z2058_01.jpg
 
2. 推計結果
 表 宇治山田港周辺(伊勢市、二見町)のプレジャーボート隻数の推計結果(〜2010年まで) (単位:隻)
年次 項目 ディンギーヨット
(D)
クルーザーヨット
(C)
モーターボート
(M)
ユーリティーボート
(U)
フィッシングボート
(F)
1992年実績 伊勢市 伊勢湾中部:A 346 250 524 558 337 2,015
うち伊勢市:B 51 32 244 335 192 854
B/A(シェア) 0.15 0.13 0.47 0.60 0.57 0.42
二見町 伊勢湾湾口部:A 7 39 226 311 168 751
うち二見町:B 0 0 8 78 16 102
B/A(シェア) 0.00 0.00 0.04 0.25 0.10 0
宇治山田港(伊勢市+二見町) 51 32 252 413 208 956
2000年推計結果 伊勢市 伊勢湾中部:A 346 382 1,009 640 371 2,748
B/A(シェア) 0.15 0.13 0.47 0.60 0.57 0
うち伊勢市 52 50 474 384 211 1,171
二見町 伊勢湾湾口部:A 7 60 435 357 185 1,044
B/A(シェア) 0.00 0.00 0.04 0.25 0.10 0
うち二見町:B 0 0 17 89 19 125
宇治山田港(伊勢市+二見町) 52 50 492 473 230 1,296
2005推計結果 伊勢市 伊勢湾中部:A 346 498 1,521 698 394 3,457
B/A(シェア) 0.15 0.13 0.47 0.60 0.57 0
うち伊勢市 52 65 715 419 225 1,476
二見町 伊勢湾湾口部:A 7 78 656 389 196 1,326
B/A(シェア) 0.00 0.00 0.04 0.25 0.10 0
うち二見町:B 0 0 26 97 20 143
宇治山田港(伊勢市+二見町) 52 65 741 516 244 1,619
2010年推計結果 伊勢市 伊勢湾中部:A 346 650 2,290 760 418 4,464
B/A(シェア) 0.15 0.13 0.47 0.60 0.57 0
うち伊勢市 52 85 1,076 456 238 1,907
二見町 伊勢湾湾口部:A 7 101 988 424 208 1,728
B/A(シェア) 0.00 0.00 0.04 0.25 0.10 0
うち二見町:B 0 0 40 106 21 166
宇治山田港(伊勢市+二見町) 52 85 1,116 562 259 2,073
(資料)「平成10年宇治山田港(神社周辺地区)港湾整備計画策定業務報告書」(三重県)
 
(3)宇治山田港湾周辺(伊勢市、二見町)におけるプレジャーボート保管施設別配分計画の概要
 
 三重県では、「平成4年プレジャーボート将来予測調査」において、将来のプレジャーボートの保管の方針として、次の3つが決定されている。
 [1]河川・海岸等への放置艇を将来「0」にする。
 [2]ディンギーヨット(D)、クルーザーヨット(C)、モーターボート(M)はマリーナヘの保管を推進する。
 [3]ユーティリティボート(U)、フィッシングボート(F)は、港湾・河川・漁港の適切な保管施設(ボートパーク、静穏水域)への収容を推進する。
 この方針にもとづき2010(平成22)年度の宇治山田港湾における施設別の配分計画は以下のように計画されている。
 マリーナ保管隻数:1,051隻(うち増加分:918隻)
 それ以外保管隻数:1,023隻(うち増加分:200隻)
表 宇治山田港湾におげるプレジャーボートの保管施設別配分計画 (単位:隻)
  ディンギィーヨット
(D)
クルーザーヨット
(C)
モーターボート
(M)
ユーティリティボート
(U)
フィッシングボート
(F)
平成4年度
実績
マリーナ保管 36 16 69 5 7 133
それ以外保管 15 16 183 408 201 823
51 32 252 413 208 956
平成22年度推計 マリーナ保管 37 69 933 5 7 1,051
それ以外保管 15 16 183 557 252 1,023
52 85 1,116 562 259 2,074
(資料)「平成10年宇治山田港(神社周辺地区)港湾整備計画策定業務報告書」(三重県)
 
【参考】2010(平成22)年度保管施設別配分計画の補足
平成4→平成22年度:増加隻数
  D C M U F
平成4年度(A) 51 32 252 413 208 956
平成22年度(B) 52 85 1,116 562 259 2,074
(B)-(A) 1 53 864 149 51 1,118
(注)(B)-(A)のうち色付き分が新たにマリーナヘの保管が求められる隻数。(以下、同)
(資料)「平成10年宇治山田港(神社周辺地区)港湾整備計画策定業務報告書」(三重県)
 
平成22年度:プレジャーボート施設別配分計画
  D C M U F
マリーナ保管 平成4年度隻数 36 16 69 5 7 133
増加隻数 1 53 864 0 0 918
37 69 933 5 7 1,051
それ以外保管 平成4年度隻数 15 16 183 408 201 823
増加隻数 0 0 0 149 51 200
15 16 183 557 252 1,023
合計 52 85 1,116 562 259 2,074
(資料)「平成10年宇治山田港(神社周辺地区)港湾整備計画策定業務報告書」(三重県)








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